★阿修羅♪ > 経世済民87 > 870.html
 ★阿修羅♪  
▲コメTop ▼コメBtm 次へ 前へ
経常収支に映る日本経済 成長へ産業構造転換を
http://www.asyura2.com/14/hasan87/msg/870.html
投稿者 あっしら 日時 2014 年 5 月 23 日 23:32:26: Mo7ApAlflbQ6s
 


[月曜経済観測]経常収支に映る日本経済 成長へ産業構造転換を UBSグループ日本代表中村善二氏

 アベノミクスで景況感は好転したが、日本の輸出は思うように伸びず、貿易赤字が膨らんでいる。国の稼ぐ力の目安となる経常収支は今後どう推移するか。グローバル金融機関の視点をUBSグループの中村善二・日本代表に聞いた。

中高年の消費増

 ――経常黒字の縮小から何を読み取りますか。

 「輸入増の要因として、エネルギーだけでなく個人消費の伸びを見落としてはならない。高齢化する人口動態から考えれば、2020年代の前半まで個人消費は必然的に拡大する。金融資産がある40〜50代の中高年層が、10〜20代の若年層より多く消費することは感覚的にも明らかだろう」
 「アベノミクスは、この基調の上に登場した。金融緩和と財政拡大で円安トレンドが生まれ、株価が押し上げられた。資産効果で予想以上に個人消費が拡大し輸入を引っ張っている」

 ――輸出が伸び悩んでいる原因は。

 「為替について製造業の経営者と話すと、円高も円安も望まない中立的な声が非常に多くなった。製造拠点を海外に移転しているからだ。外で製品を作り、国内や外国で売る量が増えている。円安が業績に直結しなくなっているのが現実の日本経済の姿だ」
 「米国の需要は順調に回復しているが、中国、韓国との外交関係の悪化が輸出に影を落としていると感じる。黒字を稼げる海外市場が減っている。安倍政権の積極的平和主義は長い目で正しいが、短期では経済面で苦労を伴う」

 ――日本企業の競争力に陰りはありませんか。

 「主力の自動車は好調といえる。もう一つの柱の電機は世界市場で日本企業のブランド力と製品力が落ちている。このままではジリ貧となる恐れがある。稼ぐ力がある次世代の産業を育てなければならない」
 「鉄鋼など需給が逼迫している分野もあるが、日本国内で設備投資する動きは見られない。企業はグローバルな生産体制を目指しており、国内投資に成長を引っ張る力は期待できない」

サービスに注目

 ――中長期の展望は。

 「所得収支が増えて、今のところ貿易赤字を相殺している。とはいえ日本の対外投資の収益性は高いとはいえず、稼ぐ力としてはまだ弱い。将来、経常収支が赤字に陥るリスクがある。財政赤字を解消できる見込みがない日本にとっては大きな波乱要因だ」
 「そうなる前に手を打つ必要がある。エネルギー政策に道筋をつけ、産業構造の転換が欠かせない。個人消費の構造的な伸びは20年代前半までだ。時間的な余裕はそれほどない」

 ――成長戦略に必要な条件は何でしょう。

 「伸びているのはサービス産業だ。情報通信、流通などの分野では生産性が急速に改善している。国内の設備投資も多い。成長戦略は製造業のテコ入れに傾注しがちだが、経済規模の3分の2を占めるサービス部門に注目すべきだ」
 「貿易と対外投資では、企業が活動する舞台を広げる環太平洋経済連携協定(TPP)の役割が大きい。生産性が高い製造システムをさらに進化させ、稼げる広域プラットフォームを築く力が問われている」

(聞き手は編集委員 太田泰彦)

なかむら・ぜんじ 顧客中心主義が信条。グローバル金融モデルの進化を探る。53歳

[日経新聞5月19日朝刊P.3]

 

  拍手はせず、拍手一覧を見る

コメント
 
01. 2014年5月24日 04:15:26 : bfiJIUelwU
アベノミクスは円安の最大の目的であった輸出が増えなければ、以前の日本に戻れない。物価高騰は国産が輸入に代替されるように作用している。

日本経済の新陳代謝を促すしか成長路線が描けないという結論になる。日本の成長路線はスクラップアンドビルドだ。ハードランディング型構造改革を実行する準備ができた。これが最初から予想されたアベノミクスだ。

ハードランディング型構造改革は本当のバブル崩壊だ。これから日本ばかりか、中国、米国でも起こる。世界同時バブル崩壊だ。


02. taked4700 2014年5月24日 12:04:05 : 9XFNe/BiX575U : K1PDx37qlo
>>01

以前の日本とは高度成長期の日本のことだと思いますが、既に日本は大幅に高齢化しています。また世界では技術力の移転が大規模に起こっていて、先進国が工業生産を担うという国際的な分業はできません。それどころか、人件費の安い後進国へ技術移転をして利益を上げるという企業経営モデルが出来上がっています。

日本の現状を見ていると、まずは、地熱発電などでエネルギー自立をし、その上で、無理のない範囲で輸出で外貨を稼ぐという程度のことしかできないと思います。バブル時代のような景気の良さはもう来ないと考えたほうがいいと思います。

なお、移民をある程度受け入れても原則的に少子高齢化は進むはずで、日本社会の基本的な構造は変化しません。

よって、日本はモノづくり立国というよりは、化石燃料の輸入の必要性をなくするためにまずはエネルギー自立をし、その上で平和な生活大国のようなものを目指すべきですし、それであれば可能であると思っています。高齢化の衝撃は大きいと思います。


  拍手はせず、拍手一覧を見る

フォローアップ:

この記事を読んだ人はこんな記事も読んでいます(表示まで20秒程度時間がかかります。)
★登録無しでコメント可能。今すぐ反映 通常 |動画・ツイッター等 |htmltag可(熟練者向)
タグCheck |タグに'だけを使っている場合のcheck |checkしない)(各説明

←ペンネーム新規登録ならチェック)
↓ペンネーム(2023/11/26から必須)

↓パスワード(ペンネームに必須)

(ペンネームとパスワードは初回使用で記録、次回以降にチェック。パスワードはメモすべし。)
↓画像認証
( 上画像文字を入力)
ルール確認&失敗対策
画像の URL (任意):
  削除対象コメントを見つけたら「管理人に報告する?」をクリックお願いします。24時間程度で確認し違反が確認できたものは全て削除します。 最新投稿・コメント全文リスト

▲上へ      ★阿修羅♪ > 経世済民87掲示板 次へ  前へ

★阿修羅♪ http://www.asyura2.com/ since 1995
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。
 
▲上へ       
★阿修羅♪  
この板投稿一覧