http://www.asyura2.com/14/hasan87/msg/862.html
Tweet |
http://www.zakzak.co.jp/society/domestic/news/20140523/dms1405230830002-n1.htm
2014.05.23 「日本」の解き方
麻生太郎財務相は来年1月から物価連動債を個人向けにも解禁すると明らかにした。
筆者は物価連動国債と深いつながりがある。筆者は、1998年から米プリンストン大に留学し、国際関係論や経済学を勉強した。
当時、経済学部長で、のちにFRB(米連邦準備制度理事会)議長となったバーナンキ教授から、インフレ目標について教えてもらい、その際、マネタリーベース(中央銀行の供給する資金)を増やして予想インフレ率を高めることがデフレ脱却のポイントであることを学んだ。予想インフレ率については、物価連動国債の流通利回りからも 簡単に算出できることを知った。
筆者が2001年に日本に帰国後、当時、経済財政担当相であった竹中平蔵氏に、インフレ目標の実施に必要な物価連動国債の導入を進言し、同年の年末に出た「構造改革と経済財政の中期展望」で、「物価動向を適切に把握する等の観点から、将来の物価動向を市場がどう織り込んでいるかを把握することに寄与するとされ、米英等で導入されている物価連動債等を含む新たな方法や現行の物価統計の在り方、分析手法などについて幅広く検討を行うこととする」と書いてもらった。
当初、導入を反対していた財務省であるが、交渉しているとその利点が理解できたようで、04年3月にようやく発行にこぎ着けた。03年度国債発行計画では「投資家の多様なニーズに応えるとともに、市場の期待インフレ率の把握にも寄与する」とされている。
導入時から、個人には販売しないというのが財務省の方針だったが、正直、筆者には合理的な理由がわからなかった。そもそも財務省が導入に反対だった理由もわからなかった。
財務省には独特のプライドがあり、外部から指摘されたことはとりあえず反論する傾向がある。逆にいえば、「常に自分たちが正しい」という前提があるのだ。
物価連動国債については、当時の財務省は全くノーマークで、竹中大臣から急に指示されたという感じだった。「構造改革と経済財政の中期展望」の素案を竹中大臣に説明したとき、筆者は竹中大臣から、物価連動国債の話を書いておくように頼まれ、それで急遽(きゅうきょ)素案に取り込まれた。
大臣から指摘されて盛り込まれる議題はほとんどないので、財務省官僚のメンツをつぶしたのかもしれない。
物価連動国債はその当時でもほとんどの先進国で導入されていたので、何が問題であったのか、今でもさっぱりわからない。
実態としては、個人が物価連動国債を保有できなかったので、物価連動国債を組み込んだ証券投資信託を購入せざるを得ない不便があった。
物価連動国債はインフレ時には元本と利払いが増えるので、インフレヘッジも可能になる。インフレヘッジには株式が有効とされ、年金資産運用では重宝されてきたが、物価連動国債があればさらにインフレヘッジが容易になるので朗報だ。 (元内閣参事官・嘉悦大教授、高橋洋一)
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。