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田原総一朗:2040年に「消滅可能性都市」が523の衝撃
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20140523-00000000-fukkou-bus_all
nikkei BPnet 5月23日(金)8時19分配信
前々回の本コラムで、省庁幹部人事を一元管理する「内閣人事局」による改革、つまり霞が関改革に期待していると書いた。新聞では、警察官僚出身の官房副長官が初代局長に就任するといった報道があるが、それは官僚サイドが流す情報に基づいたものだ、と私は批判した。
どうやら政府は初代局長に自民党衆院議員の加藤勝信官房副長官を充てる方針を固めたようだ。国会議員の加藤氏を起用することで、政治主導で霞が関改革を進めようという狙いである。あらためて霞が関改革に期待したい。
■女性人口の急減する自治体が全体の約半分
さて先日、衝撃的な発表があった。若者が東京圏に一極集中する現在の人口移動が続けば、2040年には523の市町村が消滅する可能性がある、というのだ。
民間研究機関「日本創成会議」の座長を務める、前岩手県知事で元総務相の増田寛也氏は5月8日、都内のホテルで記者会見を行い、日本は深刻な人口減少問題に直面していると指摘した。
合計特殊出生率(1人の女性が生涯に産むとされる子供の数)が多少回復したとしても、出産人口の95%を占める20〜39歳の女性人口が2010年と比べ、2040年に5割以下に急減する自治体が全体の49.8%、896に上るという。この試算は国立社会保障・人口問題研究所が2013年3月にまとめた人口推計データを基に行われた。
■人口減少問題に本格的に取り組まない政府
2040年に20〜39歳の女性人口が半分以下になる市区町村の割合が青森、岩手、秋田、山形、島根の5県で80%を超えるという。秋田県は大潟村以外のすべての市町村が当てはまり、県庁所在地の秋田市も含まれる。
増田さんは消滅する可能性がある523の自治体を「消滅可能性都市」と呼ぶ。人口が1万人を切ると、そこから一気に人口が減っていき、行政として機能の維持が困難になるからだ。全国1800自治体の実に29.1%が2040年には「消滅」してしまうおそれがあるという。
歴代内閣は、目の前にある問題に対処するのが精一杯で、10年、20年先の問題についてはなかなか考えられない。たとえば民主党政権では約3年間に少子化担当大臣は交代につぐ交代で10人が就任している。いかに少子化問題、人口減少問題に政府が関心を持っていないかを象徴している。現在の安倍内閣も強い関心を持っているとはいえないだろう。
人口減少は確かに大きな課題だが、実は問題は人口減少そのものではない。フランスやドイツを見れば、日本よりも人口は少ない。より大きな問題は、15〜64歳の生産年齢人口が減ることである。
高齢者の受け取る公的年金は働く現役世代が支払う保険料によって賄われている。保険料を支払っている世代の人口が急減し、年金を受け取る人口が急増すれば、いずれ公的年金制度は破綻しかねない。おそらく2040年になれば、現在の公的年金制度は通用しなくなるだろう。
■750兆円という大きなギャップ
年金問題について、私は民主党政権が誕生する前から自民党政府に対して「どうするのか」を問うてきた。
たとえば、自民党政権の2007〜09年に厚生労働相を務めた舛添要一氏(現東京都知事)にも聞いたことがあるが、将来を見すえた対策は特に何もやっていなかった。
現在の公的年金制度は賦課方式と呼ばれるものだが、積み立て方式という仕組みも主張されている。民主党政権時代の厚労相、小宮山洋子氏に積み立て方式について聞いたことがある。
小宮山さんは「厚生労働大臣は所管する事業が多すぎて、忙しく、年金問題までは手が回らない」と答えた。そこで厚労省の年金担当の局長に取材すると、「積み立て方式はダメだ」という返事だった。
積み立て方式は自分の支払った保険料を自分が年金として受け取るのだが、それを導入すると、現在年金をもらっている人への支払いを止めなければならない。それによって生じるギャップを埋めるには750兆円ものお金が必要になる。日本にはすでに1100兆円の借金があり、さらに借金がかさめば財政は破綻するおそれがある、というのが理由だった。
■2025年に「希望出生率」1.8という目標
750兆円のギャップを埋めるのはまったく実現不可能というわけではない。たとえば750兆円を100年間で返すとすれば、単純計算で1年間に7兆5000億円を返済することになる。7兆5000億円は消費税に換算すれば約3%。つまり、3%の消費増税で穴埋めすることはできるのだ。
しかし、そうしたことを政府は検討もしていない。
増田さんらの日本創成会議は、2025年に国民の「希望出生率」1.8の実現を目標として掲げた。2035年には人口を維持するために必要な2.1を目標とする。2012年の合計特殊出生率は、全国で1.41と16年ぶりに1.4台を回復して話題になったが、東京都は1.09と低いままだ。
仮に出生率の目標を実現したとしても、生まれた子が働くようになるまでに約20年かかるから、それまでの間どうするか。
やはり移民の受け入れを考えざるを得ないのではないか。島国である日本は移民受け入れについて反対の声が根強い。これまで移民に寛大だったヨーロッパも今、困難な問題に直面している。
四半世紀先には日本の市区町村の約3分の1が消滅するという問題が提起されると、これに早く対応することを考えなければならない。
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