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格安SIM、格安スマホがわかる!通信料金を月1000円〜3000円に抑えるには【新連載】
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20140519-01057545-trendy-sci
日経トレンディネット 5月19日(月)10時35分配信
2014年になってから「格安SIM」「格安スマホ」といった言葉を目にすることが急速に増えている。スマートフォンといえば、NTTドコモ、KDDI、ソフトバンクモバイルなどの大手キャリアと契約を結んで利用するのが一般的だった日本に、新しい潮流が起きていることは間違いなさそうだ。
スマートフォンの料金は、納得している人も、そうでない人も、決して安いとは感じていないだろう。大手キャリアの端末を購入して特別な策を講じることなく利用していると、最低でも月額7000円前後の料金が発生する。これに通話やオプションなどの料金が加わり、さらに端末代金の分割支払いが加算されると、1万円コースになっている人も少なからずいるはず。確かに便利なスマートフォンだけれど、1万円の価値に見合うだけのメリットを得ているかと自分に問い直すと、疑問は残る。
そこで、この連載では、できるだけ安い通信料金でスマートフォンや関連する通信機器を使うサービスや、「カクヤス」な料金で楽しく便利に使える製品などを紹介・解説していきたいと思う。
7000円以上するスマートフォンの料金が1000円〜3000円程度に抑えられたら? 月額1000円ぐらいの通信料金で、新しい機能を持った面白い端末を使えるとしたら? そんな世界ならば、カクヤスでスマートな生活が送れるのではないだろうか。カクヤスな世界への扉を開いてみよう!
●「格安SIM」って普通のスマホと何が違うのか
「カクヤス」スマホ生活を実現するための大きな柱となるのが、話題の「格安SIM」だ。同じく話題の「格安スマホ」も、実はスマートフォン端末と格安SIMをセットにして販売している商品なので、格安SIMを知ることが全体の理解につながる。
格安SIMのほかにも、格安音声サービスや、NTTドコモが提供を始めるような新しい世代の料金プランも、上手に使うとカクヤス化に役立つ。だが、まずは、最大の柱である格安SIMについてチェックしていこう。
格安SIMは、その名の通り、大手キャリアのサービスよりもぐっと低料金でモバイル通信サービスを提供するサービスだ。
名前に含まれる「SIM」(Subscriber Identity Module)というのは、スマートフォンや携帯電話に挿して使う小型のICカードで、携帯電話番号などの契約情報が記録されている。大手キャリアと契約する際は、ショップで端末にSIMカードを挿してくれるのであまり一般に馴染みはないが、格安SIMではSIMカードを単体で購入し、スマートフォンなどに自分で挿してサービスを利用する。
格安SIMを提供するのは、大手キャリアではなく、MVNOと呼ばれる事業者だ。MVNOは仮想移動体通信事業者の英文略号。「仮想」と呼ぶのは、自社では通信設備を持たずに通信サービスを提供するから。通信設備を所有するキャリアのネットワークを借りて、MVNOがエンドユーザーに向けてサービスを提供している。
●提供会社は多いが、使うネットワークは「ドコモ」が大半
格安SIMを提供している事業者には、代表的なところでも、インターネットイニシアティブ(サービス名称はIIJmio、以下同)、NTTコミュニケーションズ(OCNモバイルONE)、ソネット(So-netモバイル LTE)、ドリーム・トレイン・インターネット(ServersMan SIM LTE)、日本通信(b-mobile)、ハイホー(hi-ho LTE)、ビッグローブ(BIGLOBE LTE・3G)、といった会社がある。
さらに、イオンやビックカメラ、ヨドバシカメラといった量販店や、アマゾンなどのECサイトではMVNOのSIMパッケージが販売されている。さらに、イオン、ビックカメラ、楽天などは自社ブランドでも格安SIMによるサービスを提供している。すでにかなり身近なところで売られているのだ。
ここで知っておきたい大事なポイントがある。現在、日本で格安SIMとして提供されているサービスはほとんどすべて、NTTドコモのネットワークを借りてサービスを提供している。だから、NTTドコモの3Gサービス「FOMA」と、より高速なデータ通信が可能なLTE「Xi」と同等のエリアで、サービスが利用できるわけだ。「格安だからつながらないところが多い」という残念なサービスではないので安心してほしい。
なお最新の話題としては、5月15日にケイ・オプティコムが発表した格安SIM「mineo」が、KDDI(au)のネットワークを使っている。とは言え、KDDIが実人口カバー率99%を達成したという800MHz帯のプラチナバンドのLTEサービスを利用できるので、実際使う上での大きな問題はなさそうだ。
●違いは「高速通信できる容量」や「メール」など
では、どうして格安で通信サービスが提供できるのか。それは、通信エリア以外の項目でいくつかの制限があるからだ。機能的には、高速なデータ通信の容量制限と、大手キャリアが提供しているようなキャリアメールなどのサービスの有無が挙げられる。
少し詳細に見ていこう。まず、高速データ通信の容量についてだ。現在のスマートフォンはLTEの高速データ通信を利用する機種が一般的で、受信時に最大75Mbpsから150Mbpsといった速度でデータ通信ができる。大手キャリアでは、現時点で一般的なパケット定額プランに加入することで、月間7GBまで(NTTドコモのXiパケ・ホーダイ ライトは月間3GBまで)の高速データ通信が可能だ。この容量を超えて通信すると、128kbpsといった超低速の通信に制限される。
一方、格安SIMの場合、この高速データ通信ができる容量がかなり少なくなるのだ。
例えば、IIJmioの「ミニマムスタートプラン」やBIGLOBE LTE・3Gの「エントリープラン」では、月額料金は900円(税抜き、以下同)だが、高速データ通信は月間1GBまで。OCNモバイルONEの「50MB/日コース」は月額900円で、こちらは1日当たりの高速データ通信が50MBまで。毎日フルに使えば、月間約1.5GBの通信となる。要するに、大手キャリアのサービスよりも料金が安くなる代わりに、高速データ通信の容量が少なくなってしまうのだ。
ああ、これでは困る――と思う人はどのぐらいいるだろうか。自宅や会社でもWi-Fiを利用せず、3GやLTEのサービスを使って動画を日常的に見ているような人には、格安SIMは向かない。動画はデータ量が多く、月間7GBの壁ですら注意しながら使っている人もいるほどだ。
一方で、メールやLINEでコミュニケーションを取り、Webサイトをときどき閲覧して、ゲームアプリで気分転換するといった程度の利用法だと、月間に1GBも利用していないことだって多い。その上、自宅や会社などでWi-Fiを利用していれば、その間は3GやLTEの通信量はカウントされないから、自宅で動画を見てもデータ量の制限には引っかからない。そう考えると、7GB分に6000円ものパケット定額料金を支払うのが“割高”で、実は1GBで1000円程度のプランのほうが“適正な”支払いなのかもしれない。
多くの格安SIMはNTTドコモのネットワークを利用しているが、サービスの提供はMVNO事業者みずからが行っている。だから、NTTドコモなどキャリアのサービスが使えるわけではないことも知っておきたい。
例えば「@docomo.ne.jp」のようなキャリアメールが利用できないのは大きな注意点だ。格安SIMを使った「カクヤス」スマホ生活に移行するには、キャリアメールからの卒業が必要になる。Gmailなどのフリーメール、プロバイダーのメールなどを利用しよう。
格安SIMで大手キャリアと異なる部分としては、SMS(ショートメッセージサービス)や音声通話が一部サービスのオプション扱いになっていることも挙げられる。
とは言うものの、格安SIMでもSMSや音声通話は急速に対応が進んでおり、オプション料金は必要なものの利用に不自由することはなくなりつつある。SMS対応の格安SIMならばLINEのSMS認証も利用できるので、LINEで自由にコミュニケーションを取ることもできる。音声通話サービスについては、記事を改めて今後詳しく見ていきたい。
●利用開始までの“セルフサービス”も考慮のポイント
通信サービスそのものではないが、低料金で格安SIMを提供するためのポイントとなっているのが、「ショップ」の有無だ。
大手キャリアのサービスや端末を利用するときは、携帯ショップや量販店に赴き、そこで通信開始までの手続きを完了させてから端末を引き取っていた。しかし、これもまた7GBの通信量と同じく、人によっては過剰なサービスなのかもしれない。ショップを運営するコストはもちろん、店頭のお姉さんやお兄さんの笑顔ですら通信料金に上乗せされているからだ。
格安SIMは基本的に店頭の手厚いサービスはない。オンラインストアや量販店の店頭でパッケージを購入し、利用開始するまでの手続きも、“セルフサービス”で行う。その分のコストは「低料金」と言うメリットになってユーザーに返ってくるのだ。
セルフサービスの手続きは、事業者によって若干異なる。しかし、普通にパソコンでインターネットを利用できるような人ならば、大きく戸惑うことはないだろう。電話やWebサイトで開通手続きをし、支払いのための情報をWebサイトで登録し、回線が開通したらスマートフォンの通信設定に少しだけ入力する程度だ。スーパーだってレジ袋をもらわなければ2円安くなったりする時代だもの、通信サービスだってセルフサービスで安上がりにするのは当然なのかもしれない。
●どんな人が格安SIMの恩恵を得られるのか
こうして見てくると、格安SIMはスマートフォンのライトユーザーに適したサービスだと言えそうだ。超ヘビーユーザーだと高速データ通信の容量が不足する。また、キャリアメールのアドレスから絶対に離れられないとか、ビデオや音楽、書籍などキャリアのコンテンツサービスにどっぷりハマっている人も、移行はなかなか難しい。
一方で、スマートフォンを小型パソコンのようにキャリアのサービスにあまり縛られずに使っている人には、かなりメリットがありそう。自宅や会社ではWi-Fiで利用し、通勤時に3GやLTEの回線で通信したいという用途なら、1GBや2GBといった制限でも十分にまかなえる。
メールだって、これを機会にキャリアメールのアドレスを捨てて、GmailやLINE、Twitter、Facebookでコミュニケーションすることにしても大きく困る時代ではなさそうだ。
●対応端末が入手困難なときは「格安スマホ」が便利
そこで最後の注意点がある。格安SIMを利用するには、対応したスマートフォンなどの端末が必要になるということだ。
格安SIMが使えるのは、他社のSIMで使えないようにする「SIMロック」がかかっていない「SIMロックフリー」(SIMフリー)の端末か、NTTドコモの端末のいずれかだと考えておくといい。SIMフリーの端末を購入する、NTTドコモの中古端末などを購入する、これまで使っていたNTTドコモの端末を格安SIMに転用する――といった方法がある。なんとかしてこれらの端末を入手できたら、すぐにでも格安SIMを使った「カクヤス」スマホ生活に移行できる。
とは言え、SIMフリー端末は決して安価ではないし、契約中のドコモ端末を分割支払いの途中で解約すると、端末残金をまとめて支払う必要も出てくる。フィーチャーフォンや他社のスマートフォンを使っているのなら、ドコモの中古端末やSIMフリー端末を手に入れる作業からスタートしなければならない。
そんなとき、スマートフォン端末と格安SIMをセットにした格安スマホがありがたい存在に見えてくる。音声通話機能付きの格安SIMと、スマートフォンの端末をセットにして、月額3000円程度で利用できるのだ。まだ、販売しているチャネルも少なく、端末の種類も限られるので、万人向けとは言いがたいが、今後の選択肢として心に留めておいてもいいだろう。
大手キャリアのスマホを使っている場合、2年契約となっていることが多いが、端末やサービスの「2年縛り」が解けるタイミングを見計らって上手に格安スマホに移行すれば、契約解除料などの負担なく「カクヤス」スマホ生活に移れる。MNP(携帯電話番号ポータビリティ)で、電話番号を大手キャリアからそのまま移行できる格安SIMも着々と増えている。これなら、格安スマホだって立派な1台目のスマートフォンとして使えるだろう。
【編集部より】「『カクヤス』スマホ生活のススメ」は隔週連載です。第2回目は6月2日(月)に掲載する予定です。お楽しみに!
(文/岩元直久)
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