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3Dプリンターで製造された拳銃
http://www.zakzak.co.jp/economy/ecn-news/news/20140515/ecn1405151140003-n1.htm
2014.05.15
3D(3次元)プリンターは、今後の生産と経済、つまりはわれわれの暮らしに革命的な変化をもたらすかもしれないツールだ。
今のところプリンターのインクの役目をするのは樹脂であることが多いが、デジタルデータで設計図があるさまざまな物を、3Dプリンターで寸分違わず作ることができる。
3Dプリンターのエピソードとして、米国での話だが、3Dプリンターで銃を作った人がいる話はもともと有名だった。
案の定というべきか、日本でも3Dプリンターで銃を作った人物がいて、彼は銃刀法違反容疑で逮捕された。この人物は、もともと機械が好きな大学職員だという。幸い、彼は銃を犯罪に使用する意思を持つ人ではなかった。だが、製造された銃は殺傷能力を持っていたという。
このニュースを見て、筆者が第一に思ったのは、反社会的勢力が3Dプリンターを使って銃を作ると大変だということだった。
銃の部品の設計図は、インターネットを通じて無料で手に入る。あとは、3Dプリンターの樹脂のコストをせいぜい数千円かけると、殺傷能力を持つ銃一丁が製造できる。
仮に、銃を大量に用意したい反社会的勢力組織があるとしよう。彼らが3Dプリンターを持っていたら、欲しいだけの数の銃を簡単に作成できる。これはなかなか厄介なことではないだろうか。
反社会的勢力の関係者に3Dプリンターを売ってはいけないと条例などで決めることはできる。しかし、それが十分な実効性を持つとは思えない。彼らが3Dプリンターを調達することは容易だろう。仮に、3Dプリンターの購入に身分証明書の提示を求めたとしても、一般人を使えば3Dプリンターを買うことは難しくない。
今回逮捕された人物が購入した3Dプリンターは、半年ほど前に約6万円で購入したものだという。予算的にも、3Dプリンターの入手は容易だ。
今回、一つの論点は「3Dプリンターで殺傷能力のある銃を作った」という事実を報じることの可否だ。報道機関は、このニュースを報じるにあたって、このニュースがどの程度危険で、社会的にどのような影響を持つのかどのように吟味したのか、しなかったのか。
また、このニュース自体は警察の発表によるものであろうが、警察がどのような検討をしたのかも知りたいところだ。
もっとも、このような報道がなくても、3Dプリンターを使って銃を作ることができることを、銃にニーズのある人々は早晩知ることだろう。
とはいえ、貧しい独裁国家である某隣国が核兵器を持とうとしていることが、国際社会にとって厄介な問題であるように、銃の作成が容易であることは面倒な問題だ。
テクノロジーの発達は、時に既存の力関係を急変させる。大いに注意しておきたい。 (経済評論家・山崎元)
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