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韓国経済を牽引したサムスンと、現代はウォン高で苦境に陥っている(AP)
http://www.zakzak.co.jp/society/foreign/news/20140514/frn1405141830006-n1.htm
2014.05.14
韓国経済で「超ウォン高」が進行中だ。大手輸出企業の採算ラインである1ドル=1050ウォンを大きく割り込み、約5年9カ月ぶりのウォン高ドル安水準となった。折しも米財務省や国際通貨基金(IMF)が韓国のウォン安介入を名指しで批判していることもあってか、1ドル=900ウォン台まで突入すると予測する声も多く、現地メディアは「サムスン電子さえ耐えられない」と悲鳴を上げる。輸出依存の韓国経済にとって深刻な事態だ。
ウォン安を武器に低価格製品の輸出を伸ばすという韓国経済のほぼ唯一ともいえる勝ちパターンは完全に崩れ去った。
ドルとウォンのレートは4月9日、韓国大手製造業の「防衛線」とされる1ドル=1050ウォンを突破。その後もウォン高が止まらず、5月に入ると1ドル=1020ウォンに接近し、リーマン・ショック直前の2008年8月以来のウォン高ドル安水準となった。
日本円に対してもウォン高は進み、13日には1円あたり10ウォンを割り込む場面もあった。
地元ネットメディアのニュースウェイによると、4月以降のウォンの対ドルの上昇率は約3・5%で、主要31カ国で1位だったという。
韓国内外の金融関係者の多くは、今後もウォン高基調が進み、年後半に1ドル=900ウォン台に突入するとみている。
米連邦準備制度理事会(FRB)のイエレン議長が議会証言で、量的金融緩和を終了した後も当面はゼロ金利政策を継続する方針を示したことから、ドル安が進行しているという側面もある。
ただ、韓国当局はこれまでひそかに為替介入を行うなどしてウォン高を阻止してきたとされるが、今回なぜウォンの独歩高となったのかについては韓国メディアも明確な解説をしていない。
ウォン高が急伸した4月といえば、米財務省が公表した為替政策に関する議会報告を行い、韓国について「ウォン高を阻止するため、より積極的に介入している」「ウォンは2007年の水準より実質実効レートで11%も安くなった」と名指しで批判した。IMFも報告書で「ウォンが最大8%過小評価されている」と指摘した時期と重なっているのは単なる偶然だろうか。
背景がどうであれ、ウォン高は韓国の輸出産業にとって大打撃となる。韓国の経済団体、全国経済人連合会(全経連)が大手製造業120社を対象に行った調査では、損益分岐点は平均1ドル=1052・3ウォンで、現状の為替レートは採算割れの水準だ。中でも造船業の損益分岐点は1125・0ウォンと、極めて厳しい状況だ。
サムスン電子と現代自動車も今年の想定為替レートを1ドル=1050ウォンに設定しているが、見直しを余儀なくされそうだ。朝鮮日報は社説で「為替相場が今のペースで上昇すれば、中小企業だけでなく、サムスンや現代自にも影響が及ぶことになるだろう」と懸念を隠さない。
これまでウォン安の恩恵を得てきた韓国メーカーは日本のメーカーとの競争でも苦戦を強いられる。
聯合ニュースは、韓国銀行や野村証券の調査を引用する形で、「韓国と日本企業の営業利益率の格差が2012年の1・5ポイントから昨年の時点で過去最低水準の0・8ポイントに狭まった」「日本円に対し20%ウォン高になったことが大きい」と分析する。現状では一段と円安ウォン高が進んでいることからこの差はさらに縮小しそうだ。
アジア経済に詳しい東洋経済新報社元編集局長の勝又壽良(ひさよし)氏は、「日本の4年あまりにわたる超円高局面に隠れて、韓国企業は超ウォン安を満喫してきた。その成果として成長した代表的な企業がサムスンと現代自だが、今後はその土壌がすべて押し流される」と語る。
低迷する内需の拡大が課題である韓国経済にとっては、輸入品の価格が安くなるウォン高にもメリットがあるとの見方もなくはない。一方で、「輸出企業がウォン高で利益を確保するために人件費を削減すれば、消費を押し下げる効果を生む」(国内シンクタンク)というから厄介だ。また、旅客船セウォル号の沈没事故後の消費の冷え込みも国内景気に影を落としている。
前出のニュースウェイは「年内に1ドル=1000ウォンを割り込んだ場合、輸出と内需が同時に落ち込む最悪のシナリオが現実となる可能性も排除できない」とするが、悪夢は現実となるのか。
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