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「ウォール街でのデモの原因は何か」(EJ第3789号)
http://electronic-journal.seesaa.net/article/396987843.html
2014年05月14日 Electronic Journal
2011年9月15日のことです。ツイッターに次のようなツ
イートが流れたのです。
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9月17日。ウォールストリート。テントを持ってこよう
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これだけでは何のことかわからない。そこでこのツイートに付
いているURLをクリックすると、環境問題などを扱う雑誌「ア
ドバスターズ」のブログに導かれ、そこに黒字に黄色の文字で、
「オキュパイ・ウォールストリート」の題字と次のメッセージが
表示されたのです。
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(エジプト・カイロの)タヒール広場を再現する準備はできて
いるかい。9月17日、テントを、キッチンを、平和的なバリ
ケードを設けて、真の民主主義を失墜させるゴモラ(聖書の中
の腐敗と罪の都市)である米最大の金融街ウォールストリート
を占拠しよう。 ──「ダイヤモンド・オンライン」
http://bit.ly/1mL6aCf
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「オキュパイ・ウォールストリート(OWS)/ウォールスト
リートを占拠せよ」という呼びかけに呼応し、ウォール街には多
くの若者や失業者などが集まってきたのです。
しかし、数千人規模のデモは日常茶飯事の米国において、その
デモはメディアの注目を集めるに至らなかったのです。規模も小
さく、その目的も必ずしもはっきりしなかったからです。ところ
が参加者の顔ぶれはいつものデモとは違い、組合員やヒッピー世
代は皆無であって、彼らよりずっと若い10代後半から20代前
半が中心で、これまでデモになど参加したことのない世代が中心
だったのです。
そのような穏健なデモ中に警察が無抵抗の女性に催涙スプレー
を使ったことから、ことは大事になったのです。市内の組合や人
権団体がOWSの支持を決定し、有名映画監督のマイケル・ムー
アや女優スーザン・サランドンもデモに参加するようになったこ
とから、CNNをはじめ各メディアは報道を開始したのです。
これに加えて、ライブビデオやツイッターで日々の活動を追う
全米各地の若者が、ロサンゼルス、ボストン、シカゴなどの金融
地区で座り込みを始め、これがあっという間に世界各国にも飛び
火したのです。その結果、約1ヶ月後の10月15日、経済格差
に反対する「オキュパイ・ワールド」として、世界82ヶ国15
00都市で、デモやイベントが開催される騒ぎに発展するに至っ
たのです。
2007年から日本金融財政研究所長を務め、衆参の予算委員
会でも発言の機会を与えられている経済アナリストの菊池英博氏
は、このときウォール街の近くの公園に座り込みをしている若者
たちの多くから直接見を聞いているのです。彼らの意見を要約す
ると、次のようになります。
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金持ちはどんどん裕福になるけど、ほとんどのアメリカ人の生
活は向上するどころか、日々、貧しくなる。リーマンの破綻で
金融革命は失敗だったことが明らかになつたのに、政府は大手
銀行や企業にパブリック・マネーを入れて救済した。しかし、
経営者は責任を取らずに高給を取り続け、クビになるのは俺た
ちだ。ひどく不公平な国だよ。われわれ99%の国民が犠牲に
なる。オバマもどうかしている。99%を救ってくれる人がい
ないのだ。はらわたが煮えくりかえるよ。 ──菊池英博著
『そして、日本の富は略奪される/
アメリカが仕掛けた新自由主義の正体』/ダイヤモンド社
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このウォール街でのデモは、2011年1月にチュニジアで始
まり、その後エジプトに波及、それからスペインに広がった抗議
運動と明らかに連動しています。そして今ではグローバルになり
米国各地の都市を覆っているのです。
この騒ぎの発端は、12日のEJで述べたノーベル経済学賞受
賞経済学者、ジョセフ・スティグリッツ教授の論文「1%の1%
による1%のための」にあるといわれます。なぜなら、ウォール
ストリートに近い公園に集結していた若者たちは、手に手に「わ
れわれは99%だ」というプラカードを持っていた人が多かった
からです。それは、「99%の国民を救ってくれ」という悲痛な
叫びなのです。
このジョセフ・スティグリッツ教授の論文「1%の1%による
1%のための」は、次の書籍にまとめられています。
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ジョセフ・スティグリッツ著/楡井浩一/峯村利哉訳
『世界の99%を貧困にする経済』/徳間書店
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これについては、これから詳しく述べていきますが、「週刊ダ
イヤモンド」/2011年12月17日号では、この論文につい
て次のように解説しています。
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人口の1%が富の40%以上を握り、所得の20%以上を手に
しているのである。しかも、このひと握りの人びとがこれほど
大きな報酬を得ているのは、多くの場合、彼らが社会により多
く貢献したからではない。それは彼らが、ズバリ言うと成功し
た(として時には腐敗している)レントシーカー(政治によっ
て生み出される特権的利益を追い求める人々)だからである。
──「ジョセフ・スティグリッツ『ウォール街占拠抗議運動を
招いた途方もない格差』」
/「週刊ダイヤモンド」2011年12月17日号
──菊池英博著の前掲書より
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──[新自由主義の正体/03]
≪画像および関連情報≫
●スティグリッツ教授が暴く米億万長者の「秘密兵器」
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2012年6月11日(ブルームバーグ):大衆主義を唱え
るポピュリストたちの「われわれは99%を占める」という
スローガンを打破するのは難しい。ただ、この大衆行動はこ
れまで首尾一貫したメッセージと議題を欠いていた。これか
らは違う。ノーベル経済学賞受賞者で米コロンビア大学教授
のジョゼフ・スティグリッツ氏は鉄鋼の街、インディアナ州
ゲーリーで育った。
刺激的な新著「The Price of Inequality」 で取り上げたこ
のテーマについて数十年にわたって研究を続けている。教授
の結論はこうだ。米国人の1%が所得の5分の1を稼ぎ、富
の3分の1以上を支配すると、経済成長や民主主義、上流階
級そのものさえもが支障を来す事態となる。まさに今日の状
況が示すように──。ジャーナリストのロバート・フランク
氏が「リッチスタン」と呼ぶ居住者についてスティグリッツ
教授は「富裕層は世間から隔絶されて存在しているわけでは
ない。彼らは地位を維持し、資産から所得を生み出すために
機能する社会を必要としている」と指摘する。米政府は不平
等を減らすどころか30年かけてその逆の状況を助長してき
たと教授は喝破する。市場をゆがめ、資金を社会の底辺と中
流から上流へと移行させたのだと。この見方によれば、政府
こそが億万長者たちにとっての秘密兵器なのである。
http://bit.ly/1j7SSgA
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