http://www.asyura2.com/14/hasan87/msg/672.html
Tweet |
残業代ゼロと騒ぐマスコミと左派知識人 大半の労働者には無関係な話
http://www.zakzak.co.jp/society/domestic/news/20140513/dms1405130830001-n1.htm
2014.05.13 「日本」の解き方 夕刊フジ
政府が「残業代ゼロ」を検討しているとマスコミで報道されている。きちんとした制度名としては、「ホワイトカラー・エグゼンプション」といい、いわゆるホワイトカラー労働者に対して、労働時間の上限週40時間などの規制の適用除外とする制度だ。
その場合、「残業」という概念自体がなくなるので、「残業代ゼロ」というのは正しい表現ではない。
日本では制度としては未導入であるが、欧米ではこうした労働規制の適用除外がある。正確にいえば、日本でもホワイトカラーエグゼンプションに類するものはなくはないが、はっきりしない部分が多く、使い勝手が悪いのだ。
欧米の場合、労働者のうち適用除外対象者の占める割合は、アメリカで2割、フランスで1割、ドイツで2%程度といわれている。
日本でいま適用対象として検討されているのは、年収1000万円以上の労働者と、労組との間で指定された労働者だ。後者の範囲はわからないが、前者の条件である年収1000万円以上との均衡がとられるはずだ。
前者の割合について、国税庁による2012年の民間給与実態統計調査結果をみると、3・8%しかいない。しかも、この数字は、会社役員をも含むので、労働者に対する割合はもっと低くなるだろう。となると、日本での労働時間規制の適用除外対象者の割合は、ドイツ並みだろう。
多くの人が「残業代ゼロ」とのメッセージに、自分も対象者だと勘違いして、批判しているようだ。この種の世論調査はあまりないが、そうした反応が多いのはある意味当然だ。しかし、設問の中に「あなたは適用除外の対象者ですか」を入れたら、95%以上の人が対象者ではないと答えるはずで、世論調査にはなり得ないだろう。
また、対象ではないことを知りつつも、現在自分の置かれている境遇において、十分な残業代が支払われていないと思っている人が多く、それへの不満のはけ口として、反対の意見を言うこともあるようだ。
「残業代ゼロ」とのマスコミのネーミングで、正しく問題を認識できない人が多いのだ。ホワイトカラーエグゼンプションが導入されず現状維持となっても、対象にならない労働者の残業代が改善されるわけでないのだが。
ちなみに「残業代ゼロ」の代わりに、「年収1000万円以上の人の残業代に対し所得税課税100%」といえば、反対する人もいなくなるだろう。それでも心配なら、まず公務員で実施してから民間にも適用するとすればいい。
なお、「残業代ゼロ」を強調するのは、ある特定層に多いことに注目したい。一つは、年収1000万円以上の人が多く存在する大手マスコミや金融関係者だ。その人たちは、ホワイトカラーエグゼンプションが導入されると実際に損をする。
もう一つは、雇用政策で居場所を失った左派識者だ。金融緩和によって失業率が低下し賃金が上昇してしまったので、労働政策専門家としてはメンツ丸つぶれだ。それを少しでも挽回したいのだろう。 (元内閣参事官・嘉悦大教授、高橋洋一)
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。