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株式日記と経済展望
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中国の場合、バブル崩壊がないから、無駄な不動産開発、過剰開発、過剰生産が
整理されることもない。構造改革のきっかけは失われ、非効率な投資が延々と続く。
2014年5月13日 火曜日
◆中国「バブル崩壊」先送り 世界に不安まき散らす 5月2日 田村秀男
http://www.iza.ne.jp/izablog/tamurah2/3240160/
中国の不動産相場の下落が地方にも広がっている。数年も前から機会があるごとに「中国バブルの崩壊」を論じてきた筆者には、知り合いの読者から「今度こそ、本当にオオカミは来るでしょうね」と冷やかされるが、「崩壊し切れないから問題がさらにこじれるのですよ」と答えることにしている。(SANKEI EXPRESS)
まず「バブル崩壊」の定義をはっきりさせておこう。単に不動産や株式などの資産相場が暴落する事態を指すと見なすのは不正確である。資産相場が継続的に下落する中で、金融機関が巨額の不良債権を抱え込み、信用不安に発展して、初めて「バブル崩壊」になる。日本の1990年代初め、米国の2008年9月のリーマン・ショックが典型例だ。
では、中国が上記のようなプロセスをたどるだろうか。グラフを見ると、不動産相場はリーマン・ショック後に急激に落ち込んだが、銀行による不動産融資の増加とともに急回復した。その後、不動産投資の過熱を警戒した北京当局は不動産融資圧縮を国有商業銀行に命じたところ、相場は急降下した。そこで一転して13年には融資規制を解除して相場にてこ入れした。すると、相場は再上昇した。
共産党の指令一つで
ここで留意すべきは、中国の「影の銀行」である。地方政府機関を含む不動産開発業者は銀行からの融資と、「理財商品」と呼ばれる高利回りの信託商品で資金調達している。銀行は理財商品のおよそ半分を保証している。過去5年間を合計すると、銀行はおよそ17・5兆元(約300兆円)の不動産関連債権を持つ。中国の国内総生産(GDP)の3割近いので、確かに不動産相場が急落し続けると、信用恐慌に発展してもおかしくないが、現実はそうなるとは限らない。
中国共産党の指令一つで、中国人民銀行が創出かつ管理する巨額の資金が配分される。相場急落を続けるようだと、党中央は人民銀行と国有商業銀行に命じて国有企業や地方政府に資金を流し込む。この「奥の手」は以前、上海株の急落時に使われている。
第2に、理財商品が焦げ付いた場合、やはり党指令で資金が投入され、理財商品への投資家は保護され、「取り付け」騒ぎを防げる。第3に、仮に大手国有商業銀行のバランスシートが大きく毀損(きそん)しても、中国は380兆円以上の外貨準備を保有している。この外準を金融機関向け資本注入用に使える。現に、北京当局は2000年代後半に、大手国有銀行を香港などに上場させる際に、外準を使って不良債権を償却させている。
最後に、信用不安というのは、金融機関が国内外で資金調達難になることを意味する。債務超過」が露見したときなのだが、不透明な党指令型のシステムでは、債務超過を見えなくすることも可能なのだ。そんな具合で時間を稼いでいるうちに不動産相場が反転すればまずは一件落着である。12年にも中国主要都市で不動産相場が急落したことがあったが、その後の相場再上昇でバブル崩壊説は空振りだった。
生き残る無駄と過剰
ところがバブル崩壊不発の代価は法外に大きい、と言わざるを得ない。
資産バブルの崩壊というのはその規模の大小、期間の長さを問わず、行き過ぎた市場の誤りの大調整といえる。もちろん、日本の90年代バブル崩壊や米リーマン・ショックのように、実体経済に及ぼす衝撃はすさまじい。だからといって、崩壊を封じ込むことに成功したとしても、その国の市場経済の不均衡の構造は温存される。腐臭を放つどろどろのバブルに蓋をかぶせて押さえつけたところで、バブルの増殖が止まるわけではない。
中国の場合、バブル崩壊がないから、無駄な不動産開発、過剰開発、過剰生産が整理されることもない。構造改革のきっかけは失われ、非効率な投資が延々と続く。結果が乱開発による国土崩壊の加速であり、歯止めが一向にかからない環境汚染であり、汚染物質は近隣アジアばかりでなく地球全体に広がる。
経済不振は出稼ぎ農民の雇用条件悪化や710万人もの新卒者の就職難を招いている。共産党一党支配を正当化してきた経済の高度成長が再現不可能になったため、党中央は若者や農民の不満の矛先を日本など外部に向ける排外的な膨張主義政策をとる。
不動産や株価、購買指数など中国の市場や景気指標が下降するたびにグローバルな市場不安へと伝播(でんぱ)する。チャイナ・リスクはバブル崩壊が現実に起きないからこそ、今後長期にわたって世界を揺るがし続けるだろう。(田村秀男 産経新聞特別記者・編集委員)
(私のコメント)
「株式日記」ではバブルの崩壊は先送りする事が可能だと何度も書いてきました。つまりバブル崩壊は政府と中央銀行のサジ加減ひとつで先送りできます。だから中国のバブル崩壊論も何度も出来てきは政府と中央銀行が公的資金を使って不良債権を買い取って隠ぺいしてしまえばバブル崩壊はひとまず先送りに出来るしそうしてきた。
日本の場合バブル崩壊は、大蔵省は総量規制をかけて日銀は金利を引き上げてバブル崩壊させた。そうしないと土地や株の高騰にストップがかけられなかったからですが、数年で整理が進めば金融を緩和して景気回復路線に戻すのが経済政策の常識だったのですが、日銀が金融の引き締めを続けて超円高にしてしまった。
アメリカのバブル崩壊も、リーマンショック以降は大胆に金融緩和を進めてFRBが国債や不動産担保証券を買い取って株価は新高値を更新している。このように政府と中央銀行は金融の緩和と引き締めを使って景気の過熱と冷却を調整しているのですが、日本ではアベノミクスで大胆な金融緩和まで金融の引き締めが続いた。
中国もこれだけ経済の拡大が続けば、景気の過熱で引き締めを図るべきなのですが、下手にバブルを崩壊させると大混乱が起きるのを恐れて、政府が不良債権を引き取って金融の緩和でバブル状態を維持し続けている。このように景気は政府と中央銀行のアクセルとブレーキの使い分けでコントロールする事が出来ますが、判断を誤ると日本のバブル崩壊のように20年も不況が続くことになる。
中国も90年代からバブル崩壊論が出ては消えていますが、政府や中央銀行が先送りにしているからバブルの崩壊は起きない。しかしこれを永遠に続ける事は不可能であり、バブルの崩壊は防げても国家の崩壊が起きてしまう。バブルの崩壊で無駄な投資を抑制する効果がありますが、先送りにしてしまうと無駄な投資が拡大して行って破綻するまで続く。
つまりバブルが政府や中央銀行も買い取れないほどの規模になってしまうと、経済を支える主体が崩壊してコントロールが効かいない状態になってしまう。経済の不均衡が小さいうちなら調整が効きますが、バブル崩壊を先送りを何度も繰り返していると不均衡は政府や中央銀行が手におえないほどになって、政府が破綻してしまう。
政府と中央銀行は、いくらでも紙幣を印刷して不良債権を処理できますが、金額が大きくなりすぎればハイパーインフレでジンバブエ状態になってしまう。中国も不良債権が手におえないほどの規模になれば先送りも出来なくなりジンバブエになる可能性がある。終いにはインフレが収まらなくなり経済成長もストップして国民の生活が破綻する。
アメリカの中国のドル札や人民元札を印刷して切り抜けてきましたが、発行しすぎた紙幣はインフレを引き起こしてジンバブエになります。日本の場合は円高が続くほど金融の引き締めが続けられてデフレになった。株も不動産も10分の1になり不良債権の処理を銀行は20年かけて償却し続けてきた。一番手っ取り早いのはアメリカや中国のように政府と中央銀行が不良債権を買い取ってしまう方式ですが、日本は最小限しかしなかった。
中国がいつまでバブル崩壊の先送りを続けられるかですが、貿易収支の黒字が貯まり続けている間は出来るだろう。しかし経済の拡大が止まって貿易黒字も減少して行くようになると先送りも出来なくなりバブルの崩壊ばかりでなく政府そのものが崩壊しかねない。アメリカの米国債を買ってくれる国がある間は大丈夫ですが、日本や中国が買わなくなればお終いだ。
日本も長年貿易黒字でしたが、福島原発災害で原発が止まり天然ガスの輸入の増大で貿易赤字が続くようになった。貿易赤字ばかりでなく経常収支も赤字になれば日本はアメリカ国債を買い支えられなくなり逆に売らなければならなくなる。赤字が続けば円は安くなり安い日本の輸出品の競争力が高くなり、中国製の商品が売れなくなる。その時が中国のバブルの崩壊が始まる時だ。
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