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パナソニック元役員、1万人リストラ担当の「戦犯」、高校野球監督就任で批判続出
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20140513-00010000-bjournal-bus_all
Business Journal 5月13日(火)3時0分配信
2014年3月期決算で、3年ぶりに黒字化を達成したパナソニック。津賀一宏社長による「中村邦夫会長(現相談役)-大坪文雄社長時代」の負の遺産を整理し、住宅事業と自動車事業に経営リソースを集中させる戦略が今のところ奏功しているように見える。完全復調とはいかないものの、相変わらず似たようなリストラを繰り返して赤字から抜け出せないソニーと比較して回復ぶりが際立っている。
パナソニックは昨年9月1日付という異例の時期に実施した役員人事と、続く今年4月1日付の人事で「中村-大坪時代」から残る目立った評価を上げていない役員をほぼ一新した。その象徴的な人事が、広報や宣伝を担当していた鍛冶舎巧専務の更迭だ。昨年9月1日付人事で広報・宣伝担当専務から、大阪府枚方市にある「運動場の管理人」といわれる部門に異動し、今年3月末で役員も退任。事実上の「クビ」と見られている。
鍛冶舎氏は中村邦夫社長時代に労政部長を歴任、「1万人リストラ」の実務を担当していた。その後、広報部長に転じ、広報宣伝担当の専務まで上り詰めた。かつては潤沢だったパナソニックの宣伝予算をバックに、批判的な記事が出るとそのメディアに押しかけ圧力をかけ、担当記者の交代を求めることもあった。メディアに対しては高圧的でありながら、中村氏には常に従順な姿勢を示し、関西では冗談半分で「鍛冶舎さんは媚びて揉み手をし過ぎて、手の指紋がなくなった」(大手紙記者)といわれるほどだ。強い立場の人にはこのような姿勢の一方、弱い立場の人にはとことん強く出るため、部下からの信頼は低かったといわれているが、そんな鍛冶舎氏が持つ数少ない尊敬される「キャリア」が、マチュア野球の世界での経験だ。
鍛冶舎氏は高校野球の古豪、県立岐阜商業高校出身。甲子園で活躍後、早稲田大学にスポーツ枠で進学し、強肩強打の外野手として鳴らした。松下電器産業(現パナソニック)に入社後、阪神タイガースにドラフト指名されたが、それを蹴った。同社野球部では監督としても活躍、全日本のコーチを務めたこともある。また、枚方市にあるボーイズリーグチームの監督も務めて世界制覇も果たし、野球の指導力は高く買われている。また、NHKの高校野球中継の解説者を20年以上にわたって務め、赤銅色に焼けた顔からこぼれる真っ白な歯で爽やかな解説をすることでも知られていた。
●朝日『ひと』欄、読売『顔』欄に自らを売り込み
その鍛冶舎氏がなんと、4月1日付で熊本県八代市にある私立秀岳館高校野球部監督に転じたのである。一部上場企業の専務から高校野球の監督への就任は、異例中の異例の転身といえる。同校は春夏1回ずつ甲子園出場の経験があり、旧校名の八代第一は、福岡ソフトバンクホークスのかつての4番打者、松中信彦選手の母校でもある。鍛冶舎氏の手腕で、野球部の強化を図るのが狙いであろう。
監督就任会見では、これまでの指導経験をまとめた分厚いファイルを見せながら「3年後に全国制覇が目標」と語ったが、手っ取り早く、指導していた枚方のボーイズリーグ出身者を呼び集めて「特待生集団」を使った強化策を行うのではという見方も出ている。「高校野球の監督をすることが長年の夢だった」という鍛冶舎氏ではあるが、古巣のパナソニック関係者からは「だったら早く辞めて転身すればよかったのに。高い役員報酬をもらいながら野球の指導ファイルをつくっていたのではないか。パナソニックの経営を傾かせた戦犯の一人だから『蟄居』する立場にあるのに、それをわきまえず、恥も外聞もなく、よく若者の指導ができるなと思う」といった声も聞こえる。
その鍛冶舎氏が今、大手紙の一部関係者の中でひんしゅくを買っている。その理由は、「掲載希望が多いといわれている、人物紹介欄である朝日新聞の『ひと』欄や読売新聞の『顔』欄に、自分を載せてほしいと売り込みにきている」(大手紙記者)からだ。「パナソニックの役員時代は、広告出稿をちらつかせてメディアを脅しておきながら、立場が変わると、豹変してメディアにペコペコする姿は見苦しい」(同)という声も。秀岳館高校が甲子園に出場できた際には、無念にも追い出し部屋に送り込まれてリストラされたパナソニック元社員たちが、鍛冶舎監督に向けて野次を飛ばしに行くぞ、と待ち構えている。
編集部
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