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4Kテレビ、早くも世界的価格競争の様相 中韓勢の安値攻勢で追い込まれる日本勢
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20140510-00010002-bjournal-bus_all
Business Journal 5月10日(土)3時0分配信
フルハイビジョンの4倍の解像度を持つ4Kテレビで日韓のメーカーが激突する。既存の薄型テレビが価格下落に苦しむ中、高品質を前面に打ち出すことで販売価格の引き上げが期待できるためだ。米国の調査会社NPDディスプレイサーチによると、2014年の4Kテレビの市場規模は1230万台に達し、13年比で8倍弱になるという。
先行したのはソニーだ。13年のシェアは金額ベースで23%弱のトップだったが、同年後半には韓国サムスン電子の追撃を受けた。年間を通してサムスンは12%弱のシェアで第3位だったが、北米市場では11月にサムスンがソニーを逆転したという。サムスン電子や中国勢の安値攻勢を受け、国内家電大手の薄型テレビ事業は軒並み赤字に転落したが、早くも4Kテレビも同じパターンになってきた。
巻き返しを図るソニーは、8機種の4Kテレビを投入する。サイズと価格は49型の32万円前後から85型の200万円前後までで、5月末以降、順次発売する。これまでは55型が最小だったが、一般家庭に設置しやすい49型をラインナップに加えた。また東芝は23万円前後で40型を発売すると発表した。
ソニーは4Kテレビに勝負を賭けている。台湾の液晶パネル大手、友達光電(AUO)や群創光電から4Kテレビ用パネルを大量に調達する。ソニーは映画製作子会社を持っており、4Kの映画ソフトとセットで販売する戦略を練っている。
●世界的な激しい価格競争の雲行き
一方、サムスン電子は「打倒ソニー」を宣言。ソニーより安い価格で販売攻勢をかけ始めた。サムスン電子によると、「13年10〜12月の第4四半期に欧米25カ国で(ソニーを抜き)トップに立った」という。
韓国勢はウルトラハイビジョンという呼び名で4Kテレビを展開している。映画館のスクリーンのように画面の左右が前に出る形状の曲面型の新製品で、ソニーに対抗する。ソニーの4Kテレビは平面型のみであり、中国勢も平面型だから、現在、曲面型を売り出しているのは韓国勢だけということになる。
韓国LG電子も4Kテレビの機種を14年には3倍の16機種にまで拡充させる。曲面型と平面型の両面作戦を展開する。LG電子の49型は韓国の直営店で290万ウォン(約28万5000円)で売られている。中国・上海市内の家電量販店でソニーの55型4Kテレビは国内より安い1万7000元(約28万円)で売られているが、中国製はソニー製品の半値以下だ。スカイワース(創維)は7999元という低価格で販売しており、中国勢がこうした低価格の4Kテレビを輸出に振り向けると、国際価格はさらに下がるだろう。
薄型テレビと同じく、世界的に激しい価格競争に突入する雲行きで、ソニーの優位が長続きするかどうかは不透明だ。NPDディスプレイサーチによると、世界市場でも価格の下落は顕著で、65型で14年4〜6月期は前年同期比52%下落する見通し。中国で現地メーカーの安い製品が販売されていることが、全体の価格を引き下げている。
調査会社BCNによると、13年4月に59万5000円だった国内における4Kテレビの平均単価は、3月には約40%下落し35万5800円になった。国内で4K放送はまだ始まっていないが、家電各社は地上デジタル放送やブルーレイディスクなどを4Kテレビと同じ水準の高画質に転換して、高画質の優位性をアピールしている。
●放送各局は4Kの試験放送開始
NHKや民放、ケーブルテレビなどの放送各局は4Kと呼ばれる次世代ハイビジョンの試験放送を、6月2日から始めることになった。衛星放送やケーブルテレビの契約者にドラマや音楽番組を放送する。NHKや民放キー局、スカパーJSATは共同で、スカパーの契約者向けに衛星放送による試験放送を始める。一方、ケーブルテレビ最大手のジュピターテレコムや光回線による放送を手掛けるKDDIは独自に試験放送を行う。ドラマや音楽番組のほか、6月12日に始まるサッカーW杯ブラジル大会の中継を検討中だ。視聴者の多い夕方から、1日数時間ずつ放送する計画だ。各局とも16年をメドに放送の有料化やスポンサー獲得を目指す。試験放送は本放送に向けての第一歩となる。
ただ、4Kテレビはフルハイビジョンテレビの倍の価格で売れるという、メーカーにとって理想的な販売環境が、試験放送が始まる今夏まで維持できるとは限らない。過去の薄型テレビ同様に大幅な値崩れが起これば、メーカーのみならず、4Kの本放送を目指す放送各局にとっても大きな誤算が生じてしまう事態になりかねない。
編集部
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