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コンセプトカフェ、なぜ密かにブーム?狭い市場で特別感、企業が宣伝にも利用 文房具、落語…
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20140507-00010000-bjournal-bus_all
Business Journal 5月7日(水)3時0分配信
ひと昔前まではカフェといえば、「コーヒーや紅茶を飲みながら会話を楽しむ場所」というイメージだったが、メイドカフェや猫カフェなどがブームとなり、カフェはここ10年ほどでだいぶ様変わりしている。そして、最近ではさまざまなコンセプトのカフェが登場している。
例えば、2013年12月には三菱レイヨン・クリンスイが「ミズカフェ」を明治神宮前(東京・渋谷区)にオープンした。「さまざまなこだわりのお水を体感できるカフェ」をコンセプトにしており、サーブされるお冷やもクリンスイの浄水、アルカリイオン水、炭酸入りの水から選ぶことができる。このほかにも水道水と浄水の飲み比べができるなど、水を楽しめるカフェとして話題を集めている。
また、12年5月には、渋谷(同)にギャルカフェ「10sion(テンション)」がオープンしている。こちらはスタッフが全員渋谷系ギャルで、店内では敬語を禁止。簡単にいうとメイドカフェのギャル版であるが、「客」というよりも「友達」のようにギャルと交流できるのが魅力だ。
●わずか1年で目標の3倍の会員数に
しかし、ただでさえカフェチェーン店が増えてきている昨今、このようにターゲットを狭めた店でも採算は取れるのだろうか。12年6月に「文房具カフェ」を表参道(同)にオープンした東光ブロズの広報である大内良介氏は、次のように話す。
「弊社はもともと文房具を取り扱う問屋でして、文房具を使って何か創造的なものができたらおもしろいなと思い立ち、『文房具カフェ』をつくりました。文房具の販売スペースや自由にくつろいでいただけるスペースなどがあります。今では1日平均で200名ほどのお客様にお越しいただいていますが、文房具は雑貨的な要素もあるので、女性のお客様が多いです。飲食費が10%割引となる会員制度があり、当初は会員数1000人を目標にしていたのですが、1年で3000人を超えました。文房具ブームも手伝ってか、業績は右肩上がりです」
カフェ業界は生き残るのが厳しい世界だが、同店は成功している部類といえそうだ。
また、08年12月から神保町(東京・千代田区)に店を構えている「らくごカフェ」は、落語に関するグッズや書籍が置いてあるだけではなく高座も併設されており、ほぼ毎日、噺家による公演を楽しむことができる。この「らくごカフェ」を主宰している青木伸広氏はこう語る。
「落語ファンが交流できる場はあまりなかったので、そういう場所をつくったらおもしろいんじゃないかと考えたんです。寄席や古典芸能というと、小難しく感じてしまうでしょうが、当店のチケットは2000円程度ですし、コーヒーやお酒を飲みながら気楽に楽しめるのがウリですね。実際『初めて落語を聞きました』って言うお客様が多いです。昨年は公演を449本開催しました。また、(歌手の)さだまさしさんや(お笑い芸人の)ラサール石井さんが高座に上がったこともあります。ちなみに最近は、当店以外でも落語を楽しめるカフェが増えてきました」
同店をモデルとして、同じようなコンセプトのカフェが増えていることからも、その好調ぶりがうかがえる。
●ターゲットを狭めることで“特別感”演出
なぜこんなにもコンセプトカフェが増えているのだろうか。まず、その要因のひとつには、消費者の目が肥えてきたことが挙げられるだろう。つまり、単に安いだけのもの(サービス)は受け入れられなくなってきているのだ。安かろう悪かろうでは見向きもされないという状況は、安さを売りにしているファストフード店が苦戦していることからも推察できる。
さらに、最近の消費者は“特別感”を求める傾向があるのではないだろうか。「文房具で遊べる」「落語を聞ける」などの付加価値は、それを求める消費者がいてこそ“特別感”が生まれるのだ。ターゲットを狭めることによって価値が高まっているといえる。
また「ミズカフェ」や「文房具カフェ」などは、そのコンセプトの関連事業を展開する企業が、カフェという間口を利用して、自社をアピールする狙いもあるだろう。休憩しているだけの客に対してさりげなく宣伝できるので、企業にとってはカフェ単体で利益が出なくてもメリットは多くある。
今後も、さまざまなコンセプトのカフェが生まれてくるだろう。
千葉雄樹/A4studio
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