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空き家が深刻な「幽霊マンション」建て替え成功は200棟だけ
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20140506-00000005-pseven-bus_all
NEWS ポストセブン 5月6日(火)7時6分配信
アベノミクスで不動産市場は都市部を中心に活況を呈している。だが、その一方で中古住宅の「空き家問題」は年々、深刻度合いを増している。
総務省の調査によれば、2008年度の全国の空き家戸数は760万戸で、全住戸の13.1%の住宅が余っていた。これは何も地方の過疎話ではない。人口が密集する首都圏でも11%台の空き家率が出ており、「国は新築住宅建設の促進をしておきながら、空き家問題の対策に手を焼いているのが現状」(大手建設業者)だ。
『年収200万円からのマイホーム戦略』(WAVE出版)などの著書がある住宅ジャーナリストの榊淳司氏がいう。
「空き家が増えるのは当たり前です。新築の注宅着工戸数は年間100万戸の大台に乗せようかという勢いで増え続けているのに、日本の生産年齢人口は前年より116万人も減っている。このままいくと20年後には東京でも空き家だらけになりますよ」
老朽化した一戸建ての空き家ならば、まだ所有者の責任によって建て替えなどの決断もしやすいだろうが、問題は多くの住民が「区分所有」し、大規模修繕や建て替えに莫大な費用がかかるマンションだろう。榊氏がひとつの驚愕データを示す。
「これまでマンションの建て替えが成功した事例は約200棟。多いと思われるかもしれませんが、いま全国にマンションは600万戸近くが存在するといわれているので、1棟50戸平均だとすると12万棟。そのうちの僅か200棟だけしか建て替えられていないのです」
建て替えられない理由の大半は、やはり住民の費用負担だという。
「マンション1戸あたりの建設費は、資材費の高騰などもあり約2300万円に達しています。極端にいえば、住民の1戸でも2300万円を出せなければ建て替え話は10年以上も延びてしまうのです」(同)
周囲に容積が余っているマンションは、建て替え戸数を増やすなどして建設費を捻出することは可能だが、空いたスペースを見つけるほうが難しい都心部ではそれもままならない。
最近、建築家の黒川紀章氏が設計し、1972年に完成したキューブ型のマンション「中銀カプセルタワービル」(東京・銀座)が“廃墟”と化していることが話題となった。2007年に住民は建て替え決議を可決したが、あえなく無効になったという。
「結局、住民が負担する管理費や修繕積立費の滞納額が大きく、不動産業者が建て替えを嫌がったそうです。マンションは共存体なので、きっちり管理していないと機能しません。それができなければ、中銀タワーのように老朽化しても建て替えられず、資産価値がほとんどなくなって空き家が増えていく――という最悪の状況に陥ります」(同)
しかし、コスト負担ばかりを住民に押しつけ、いい加減な管理体制でマンションの将来図を描けない不動産会社も責任は重大だろう。榊氏はいう。
「大手デベロッパーも空き家問題には危機感を抱いていると思います。でも、彼らは彼らでマンション用地の仕入れ部隊や販売部隊を持ち、遊ばせておくわけにはいきません。とにかく自転車操業でマンションを建てて、苦戦してでも売るという作業を繰り返しているのです。
日本のマンションの歴史は、200年以上も区分所有の文化が根付くフランスとは違い、はじめてマンションブームが起きた1960年代から50余年しか経っていません。だから、50年後、100年後にどうしたらいいのかのノウハウも持っていないし、法律もうまく整備されていないのです」
あちこちに空き家が増えすぎて“幽霊マンション”が林立する未来。考えただけでもゾッとする。
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