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[月曜経済観測]日本経済、再生の成否は 増税の影響、早期に克服 米アメリカンファミリー生命保険社長 ポール・エイモス氏
日本は消費増税を乗り越え、経済を本格的に再生できるのか。その成否を米企業も注視している。日本事業の比重が大きい米アメリカンファミリー生命保険(アフラック)のポール・エイモス社長に聞いた。
3本の矢を評価
――今は日本に常駐しているそうですね。
「がん保険を主力とする日本事業を、昨年7月から所管するようになった。アフラック日本社のチャールズ・レイク会長と外池徹社長に相談したところ、日本に滞在するよう勧められた。当社の収入と利益に占める日本事業の割合は7割を超える。東京で事業経験を積む意味は大きい」
――アベノミクスの追い風を受けて、日本はデフレを脱却しつつあります。
「安倍政権が掲げた3本の矢を評価したい。金融緩和と財政出動はすでに成果を上げ、株価や物価が上がってきた。当初は懐疑的な見方もあったが、今のところうまくいっている」
「成長戦略の中身にも注目している。保険市場への直接的な効果はともかく、環太平洋経済連携協定(TPP)の締結やさらなる構造改革で日本経済全体の底上げに成功すれば、我々にとっても利益になる」
――消費増税の影響を懸念する声もあります。
「税率が5%から8%に上がったとはいえ、日本経済に与える影響は最小限にとどまるだろう。1〜2四半期の落ち込みはあっても、克服できるとみる識者が多い。企業の賃上げが増税の打撃を和らげる効果も期待できる。保険市場への影響も心配していない」
――アフラックの日本事業も伸びていますか。
「1〜3月期の総収入56億ドル強のうち、日本事業は42億ドルを占めた。円安・ドル高の影響もあってドルベースでは前年同期より8%減ったものの、円ベースでは2%増えている」
「米国事業より日本事業の伸びが総じて高い。アベノミクスの効果で日本経済が改善している面と、我々の営業努力が実っている面の両方がある」
銀行、重要ルート
――日本事業の拡大にどんな戦略が必要ですか。
「日本の消費者は保険をよく知っている。インターネットで商品を探し、販売窓口にも足を運び、値段や条件を詳しく調べる。日本の少子高齢化は一段と進む。そのニーズに合った競争力の高い商品を提供するのはもちろんだが、日本では販売チャネルの拡大をとりわけ重視している。政府の規制改革で保険の銀行窓販の機会が広がり、昨年7月には日本郵政グループとの業務提携拡大にも踏み切った。当社の知名度が高い日本の消費者をさらに掘り起こすうえで、いずれも重要なルートになる」
「日本のCMでは優しい口調のアヒルを使い、消費者の友人という印象を持たせようとしている。より強い口調で保険を売り込む米国のアヒルと同じでは、うまくいかないだろう」
――日本郵政との提携効果は出ていますか。
「全国約2万の直営郵便局で、がん保険を販売する契約を結んだ。今は3000程度まで増やしたところだ。その効果は徐々に出ているが、まだ途上といえる。双方の利益のために、一層の努力が必要だろう」
(聞き手はワシントン支局長 小竹洋之)
ポール・エイモス
ダニエル・エイモス会長兼最高経営責任者(CEO)の長男で有力な後継候補。38歳
[日経新聞5月5日朝刊P.3]
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