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人口減少と物件の余剰感は不動産市場にどんな影響を与えるか(写真と本文は関係ありません)
http://www.zakzak.co.jp/economy/ecn-news/news/20140504/ecn1405040830002-n1.htm
2014.05.04 本当は教えたくないマンション業界の秘密 榊淳司
モノの値段というものは基本的に「需要と供給の関係」で決まる。これはマンションも含めた住宅についてもいえる。
現在、買い手のいない過疎地の住宅には値段が付かない。買いたい人が見つからないから。逆に東京都心や仙台、京都の中心部のマンションは値上がりしている。こちらは多少高くても買う人がいる。
「需要と供給の関係」は、時々珍奇な現象を生み出す。というのは、それを作り出しているのは、気まぐれな人間だからだ。
例えば3年前を思い出してほしい。東日本大震災の直後に「ガソリンが不足する」という、半ばデマのような噂が広がり、人々はガソリンスタンドへ走った。2時間も待ってやっと20リットルを給油、なんてことを経験した方も多いだろう。
つまり、首都圏の自動車が一斉に燃料タンクを満タンにしようとすると、市場のガソリンは一瞬で枯渇してしまうのだ。「需要と供給の関係」というのは、かくももろい一面を持っている。
いま、この国の一部の地域では住宅価格が急騰中。ちょっとしたバブルともいえる。ただそれを支えているのは、私から見れば、かなり刹那的な需要だ。
すなわち、人手不足による建築費の高騰と、外国人による購入。さらに相続税対策と五輪熱での需要。最近やや弱含んでいるが、アベノミクスによる金融緩和も寄与している。
確かに急騰した価格でも買い手がいるのだから需要は存在している。しかしよく見ていると、住むための家がほしいからという実需は希薄。これはかなり危うい価格上昇だと思う。
「ヤフー!不動産」に表示されている関東地方の中古マンションと中古戸建ては、合わせて5万件以上もある。賃貸住宅は150万件以上。実のところ、住宅というのは余っている。各種の統計調査でも、はっきりとそれが出ている。
にもかかわらず、都心や一部地方都市では住宅価格がバブル化。これは「需要と供給の関係」によって時々起こる珍奇な現象だと考える。
これは、必ず終息する。3年前のガソリン不足は短期間で終わった。ただ、住宅はガソリンよりも高価だし、需要サイクルが長い。「あと○カ月で弾ける」と断定はできないが、終わりがくるのは間違いない。
その後は珍奇に上昇した分の「調整」が行われる。不自然に価格が上昇していたエリアの住宅価格が下落し始めるとともに、住宅が余っていることに人々が気付き始める。そうなると、いまだに残影を留める「土地神話」が崩壊するはずだ。
10年ほど前から、地方や郊外の中古住宅価格は劇的に下落している。その波は静かに都心へ押し寄せている。そして、近未来にそれが現実化するはずだ。
住宅価格の暴落が迫っている。
■榊淳司(さかき・あつし) 住宅ジャーナリスト。1962年、京都府出身。同志社大法学部および慶応大文学部卒。不動産の広告・販売戦略立案の現場に20年以上携わる。不動産会社の注意情報や物件の価格評価の分析に定評がある(www.sakakiatsushi.com)。著書に「年収200万円からのマイホーム戦略」(WAVE出版)など。
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