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2014年05月03日
『RECOD ECHINA』（レコチャイ）と云うニュースアグリゲータの記事は意外に面白い記事が多い。ただ、中国をウォッチしているとは言っても、あくまで日本のメディアなので、日本人の耳に心地よい中国情報が多めに掲載されるであろう事は、念頭に置いておいた方がいい。まぁ「レコチャイ」の配信記事を愉しんでいるので、プロパガンダの系列であっても、面白ければイイと云う次元があっても良いだろう。今夜は、以下の記事に注目した。
≪ 「世界の悲惨な国・地域」ランキング＝香港は本土より悲惨、日本は韓国を抜く―米シンクタンク
2014年5月1日、英BBCによると、米シンクタンク・ケイトー研究所（Cato Institute）がこのほど発表した「2013年の悲惨な国・地域」ランキングで、香港が中国本土を上回っていると明らかになった。大公網が伝えた。
同ランキングは世界90の国と地域を対象に、インフレ率や金利、失業率をもとに数値を算定。それによると、世界で最も悲惨な国はベネズエラだった。
アジアで最も悲惨な国に選ばれたのはインドで、高い金利が影響。香港は76位で、高金利の影響で中国本土よりも悲惨だと判断された。中国本土は82位で、韓国は86位。そして日本は90カ国中90位と最も悲惨ではない国に選ばれた。 ≫（RECODE CHAINA：翻訳・編集/内山）
米シンクタンク・ケイトー研究所（Cato Institute）のサイトで確認したが、応用経済学で使われる「オークン指数」（インフレ率＋失業率＝悲惨指数）と云う基礎的概念をバローなどが、より正確さを出すために修正（30年国債利回り）、（GDPと需給ギャップ）が行われ、この指数算出方法で得られた数値と米国の大統領の支持率に強い関係性があることを見出した。このことから、この悲惨指数は、時の政府の政策に、国民が許諾を与えているかどうか判断する座標軸に出来ると考えた。過去において、この指数と米大統領の支持率には明確な相関関係がみられる。
また、この指数を持って、米国だけではなく他の国においても有効な結果を導くものと判断している。さらにこの指数にフォーマルな公表価格にリアルな市場価格、闇市場価格を類推する為替レートを重視することで、補正を加えると、この指数はその国の経済的悲惨度を一定の範囲で数値化することが可能だ。米シンクタンク・ケイトー研究所はシカゴ学派の流れをくむシンクタンクなので、この指数算出に市場重視やフリードマンの実証的手法によりマネタリズムを構築し、ケインズ経済学と対立したなど、金融市場主義資本主義の巣窟なだけに、この調査指数を鵜呑みには出来ないが、話題性で価値がある。また、疑問を感じるランク付けにある国の、置かれている立場や米国が望む方向性を観察する手立てにも役立つだろう。つまり、一部のランキングは謎解きの指数でもある。
『Measuring Misery around the World』と題された悲惨指数についてはSteve H。Hankeが解説を加えている。では肝心のランキングを書いておこう。ランキングが上の国ほど悲惨指数が高い国と云うことだが、経済的悲惨度と見るべきであり、精神的満足に繋がる国民の幸福度の指数でないことを念頭に、見られることをお勧めする。
★悲惨指数上位ランク
第1位 ベネズエラ
第２ イラン
第３ セルビア
第４ アルゼンチン
第５ ジャマイカ
第６ エジプト
第７ スペイン
第８ 南ア
第９ ブラジル
第１０ ギリシャ
第１１ マケドニア
第１２ パレスチナ
第１３ トルコ
第１４ シリア
第１５ クロアチア
★日本となじみ深い国のランク
第22位 インド
第24 ウクライナ
第29 パキスタン
第30 インドネシア
第34 イタリア
第36 ロシア
第40 サウジアラビア
第41 ミャンマー
第54 ベトナム
第56 フランス
第59 豪州
第61 メキシコ
第62 英国
第71 米国
第72 イスラエル
★悲惨指数の低い国、下位より表示
第89位 日本
第88 台湾
第87 シンガポール
第86 韓国
第85 タイ
第84 カタール
第83 マレーシア
第82 中国
第81 パナマ
第80 ノルウェー
第79 オーストリア
第78 ドイツ
第77 デンマーク
この悲惨指数の調査を素朴に眺めると、アジア、中東勢の健闘が目立つ。悲惨ではないと云う意味で。ただ、あくまで表向きに統計上出てくる国の経済統計が判断の主要因なので、富が平均的に行き渡っているか、一部に偏在しているか、その辺の考慮はなされていない。悲惨指数上位の中で、ブラジルが第9位にランキングされているが、もう少し悲惨度は下位であるような気もする。韓国のランキングも、少々奇妙だ。意外な数値が出ている国に関して、筆者の知識不足もあるだろうし、ケイトー研究所の操作もあるかもしれない。本日はこんなところで。尚、『RECOD ECHINA』の記事では、日本は最下位の90位となっているが、ケイトー研究所のサイトの表を見る限り、89位となっている。
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