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海外で投資をよびかける前に…
http://blog.livedoor.jp/analyst_zaiya777/archives/52582180.html
2014年05月01日 在野のアナリスト
西村内閣府副大臣が、米投資家を前に講演し、成長戦略が足りないことを認めました。安倍首相も独国で、法人税減税の決意を示すとともに、投資を促す講演を行っていますが、この辺りに安倍ノミクスの限界があります。成長するから投資資金が集まってくるのであって、投資資金を集めて成長するものではありません。それではバブルになりますし、失速すると資金の逃げ足が早くなり、打撃が大きくなります。しかも法人税減税などは、投資対象にすらなりません。日本が他国を引き離して減税幅を大きくするなら別ですが、代替財源を議論している時点で、成長戦略ですらないのです。浅い株価対策、と見透かされているので、今の株式市場の低調があります。
4月に入って、思ったほど消費が落ち込んでいない、という声も聞こえます。その原因が3月の毎月勤労統計で判明しました。所定外給与が4.8%伸び、現金給与総額が0.7%の伸びとなった。つまり懐の潤った人が、残業で頑張った自分へのご褒美をしているのです。ただし所定内給与、即ち基本給は0.4%減であり、長期の下落傾向を示している。厚労省は、短期就労がふえたことで所定内給与が下がった、と説明しますが、それだと雇用環境は一向に改善されていないではないか? と疑問に感じます。すべて消費税増税前の駆け込み需要に対応するため、で説明がついてしまうのです。これでは長期や、年後半の消費改善など望み薄、ということになってしまいます。
しかも人材派遣協会の調査で、派遣形態の48.3%が正社員を望むものの、打診は18.1%と発表されています。雇用の安定がなければ、やはり消費が持続的になる可能性は低くなります。安倍政権では『働き方の多様化』を議論していますが、この数字をみる限り、雇用者側が有利な『働かせ方の多様化』にしかなっていないことを、こうした数値が示しているとも云えるのです。
西村氏や安倍氏が、いくら海外で投資を呼びかけても、日本株は14000円台前半の居心地がよすぎて、上にも下にも大きく動き難い状況です。今日は米ADP雇用統計がよく、週末の雇用統計への期待ものりましたが、今期の企業業績予想をみても、3%増益がいいところなので、そうなると13000円台後半から14000円台前半は、落ち着きどころとしてはよい水準です。特に証券会社など、昨年が大商いがつづき、大幅増益となった分ハードルも高い、という傾向もあり、自社株買いなどの株価対策をとるところ以外、総じて厳しい印象です。これも株価の上値を追いにくくさせます。
昨日の米GDPには衝撃もあり、外需の停滞が鮮明だったこと、が挙げられます。米国内は寒波の影響で済みますが、外需の落ちこみは新興国経済の変調と重なるため、これは全世界共通の傾向ともなってくる。日本も同様に、今後の外需の落ちこみをどうカバーするか? それ次第では、やはり増益基調は期待しにくく、国内の成長が抑制される日本は投資対象になりにくい、となるのです。
どうか投資して下さい、とセールストークする前に、構造改革や成長戦略の充実、といった行動を示さないのか? これでは相場格言にある辰巳天井、午尻下がり、を地でいくことになるでしょう。安倍ノミクスの限界は、口先だけで行動を伴わない、虚構への失望ということであって、これは『尻下がり』どころか、『シッポを巻く』展開になってきた、と言えるのでしょうね。
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