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高級ホテル、なぜ質が劣化?狙い目は旧態型シティホテル、賢いビジネスホテル選び
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20140501-00010007-bjournal-bus_all
Business Journal 5月1日(木)3時0分配信
大型連休が始まったので、新書が描く旅行業界の内幕に迫ってみたい。このところ、ホテルの内幕に迫った新書が相次いでいる。昨年9月に2020年東京五輪開催が決定し、続く10月にホテルの食品偽装問題が相次いで発覚したことにより、ホテルの内情を暴露する新書企画が動き、ここにきて店頭に並び始めたということのようだ。
2月に出版された『じつは「おもてなし」がなっていない日本のホテル』(桐山秀樹/PHP新書)は、ホテル関係の著書も多いノンフィクション作家が、ホテルマンたちの証言を基にコストカットの嵐が吹き荒れる高級ホテルの劣化を嘆く。
安心、安全、上質で高級を追求するはずのシティホテルに昨年秋、次々と「食材偽装」が発覚。日本ホテル協会の調べによると、同協会に加盟する242ホテルの約3分の1に当たる84ホテルが虚偽表示を行っていたことが発覚した。
感動の“サービス伝説”を誇っていたザ・リッツ・カールトン大阪でも食材偽装が常態化していたことが明らかになった。ホテルのブランドを保つために尽力すべき「総支配人」は本社の部長、課長クラスで、実際にはほとんど権限のないお飾りにすぎない。スタッフにも、契約社員やアルバイトが急増。「食材偽装が発覚する前から、ザ・リッツ・カールトン大阪における現場スタッフの入れ替わりの激しさは、ホテル業界内でも知る人ぞ知る評判になっていた」という。
●食材偽装が相次いで発覚した鉄道系ホテル
ザ・リッツ・カールトン大阪は阪神電気鉄道の子会社である阪神ホテルシステムズが経営を行っており、ほかにも食材偽装は、近鉄ホテルシステムズ、名鉄グランドホテル、東急ホテルズなどに相次ぎ、鉄道系ホテルチェーンが目立つ。
「(食材偽装問題の背景には)鉄道系ホテルチェーンの購買担当者が採用した“ネットによる食材の仕入れシステム”があった。従来、食材の仕入れに関しては、ホテルの購買担当者が卸売業者とフェイス・トゥー・フェイスで行い、高級ホテルが使うにふさわしい食材をシェフや調理部長と相談して仕入れていた。それをネットによる購買システムに替えたことから、少しでも安ければ、過去に取引実績のないネット専門の卸売業者も参入できるようになった」
「高級ホテルでは従来、食材にかける原価率が20%を割ると、『味が落ちる』といわれる。ところが昨今では、原価率が10%を切っていても、上層部からさらなる削減を求められるのが現実だという」
そもそも鉄道業は、管理を得意とする人材が重用される世界。ホテル運営会社の経営陣に送り込まれる人材も、本社を意識してコストカットばかり要求する。こうしてホテルの総支配人の仕事は会議の連続になってしまう。
「朝から晩まで会議をやって、それに拘束されています。社長や総支配人ばかりではありません。現場の各部門の部長や部門長も会議に出席させられ、3〜4時間かけて親会社の人間に説明をしなければならない。親会社側の人間はホテルについて素人なのに、あれこれと口を挟む。それに対して、現場のホテルマンが反論し、なぜそうなるのか、ホテル経営のイロハのイから説明しなければなりません」
●ブッフェ・スタイルは“おいしい”ビジネス
こうして、ホテル側も「おもてなし」の精神は二の次となり、例えば、コストカットしやすいブッフェ・レストランが氾濫するようになる。
「ブッフェ・スタイルにする第一の理由は、客が自ら料理を取りに行くのでサービスをする手間が省けるからなのだ(略)サービススタッフの数が少なくて済み、人件費が安く上がるため、こぞってブッフェ・スタイルにする」。さらに、「いちいち客の注文を書きとる必要もないし、発注ミスもない」ため、トラブルも減らせる。
メニューは決まっていて、余分な食材を仕入れる必要もない。しかも、ランチで4000円前後、ディナーなら6000円前後の料金を得られるという、ホテルの親会社にとって“おいしい”ビジネスなのだ。
政府は観光立国を目指す方針を掲げているが、劣化した日本のホテルの現状で、世界中から訪れる観光客を受け入れることはできるのか。
●ビジネスホテル比較
4月に出版された『ホテルに騙されるな!』(瀧澤信秋/光文社新書)は、経営コンサルタントでホテル評論家の著者が、ビジネスパーソン向けの「イン」と称される宿泊特化型ビジネスホテルを中心に、失敗しない選び方を紹介している。
宿泊特化型ホテルは4000〜5000円という格安の宿泊料金だが、客室面積は狭い。法令の下限は9平方メートルだが、インは9〜12平方メートルが一般的だ。中にはスーツケースすら置けないほど狭い部屋もある。安普請のために隣室の物音や水回りの騒音といった問題もある。
「人気宿泊特化型ホテルチェーン徹底比較」の章では、4大ホテルチェーンを比較している。実際にデスクにパソコンを広げ、「仕事環境」をチェックすると「スーパーホテルが好印象。デスクもチェアも、ビジネスユースとしての使用に十分堪えるサイズと機能性だった。コンフォートホテルと東横インがそれに準じるが、アパホテルのデスクはノートパソコンを置くのもギリギリの面積だった」。
また、「無料朝食」は東横イン、コンフォートホテル、スーパーホテルが提供しているが、「コンフォートホテルが抜きん出ており、稲荷寿司も含めた数種類のおにぎり、十数種類と豊富なパン、スープも2種類などメニューが充実。朝食会場も窓が大きくとられ、明るい雰囲気。これで無料とは満足度が高い」。
東横インは「隣室の水流音」、アパホテルは「狭い客室」がマイナスポイントだという。著者の主観的な比較ぶりが気になるが、安さにはそれなりの理由があるといったところだろう。
●おすすめは旧態型シティホテル
なお、かつて人気のあった「旧態型シティホテル」がコストパフォーマンスの面から見ると優れており、狙い目だと同書の著者はいう。
「インターネットの予約サイトを利用するユーザーが急増したことにより、ホテル間の競争はさらに激しくなり、特に旧態型シティホテルで非常にお得感のあるプランを打ち出している」
「このようなホテルは、施設の充実度や客室のクオリティはもちろん、ゲストのリクエストにはすべて応えるという基本的な姿勢があるので、人的サービスにしても贅沢な気分が味わえる。また、施設の老朽化が目立つとはいえ、屋内プールやジム、大浴場やサウナなど、充実した設備を持ったホテルも多く、それらを宿泊者料金で利用できる場合が多い」のも魅力だ。
結論としては、鉄道系ホテルを避けて、旧態型のシティホテルを利用するのが賢明ということだろうか。
松井克明/CFP
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