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財政制度等審議会は、愚者の楽園か?
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2014-04-29 19:37:05 いかりや爆氏の毒独日記
朝日新聞 DIGITAL(4月28日19時13分)によれば、国の借金について、
”消費税30%にしないと… 「国の借金減らすには」”と題して、次のように述べている。
”財務相の諮問機関である財政制度等審議会は28日、国の借金を減らすためにどれだけ歳入を増やしたり歳出を減らしたりする必要があるかという試算をまとめた。
2021年度に国内総生産(GDP)の8・9%にあたる約57兆円分が必要だという。消費増税によって歳入を増やすだけで達成しようとすると、消費税率を30%近くまで引き上げなければならない計算だ。
試算はGDPの約2・3倍にふくらんでいる国の借金残高を60年度に2倍までに抑えるため、どれだけ財政収支を改善する必要があるかを計算した。名目経済成長率が年3%で続くという楽観見通しでも、21年度に約57兆円を改善しなければならないという。”
一方、昨夜(4/28)NHKテレビ午後7時のニュース及びニューセンター9で、本件(国の借金)について、
「2060年度 債務残高は8000兆円余に」と題して次のように述べている。
財政制度等審議会は、28日の会合で、
””政府が今の財政健全化目標を達成できたとしても、その後、一段の収支改善策を実行しなければ、国と地方を合わせた債務残高は、2060年度には今の6倍を超える8000兆円余りに膨らむという試算を初めて示しました。
それによりますと、実質で2%程度、名目で3%程度と高めの経済成長が続き、政策に充てる経費を税収などで賄えるかを示す「基礎的財政収支」を2020年度に黒字化する今の財政健全化目標を達成できたとしても、高齢化で医療や介護といった社会保障費が増え続けることなどから、現行の制度のままでは2060年度の国と地方を合わせた債務残高は今の6倍を超える8157兆円に膨らむとしています。
そして、今の財政健全化目標のあとの2021年度から2026年度の間に集中的に「基礎的財政収支」を改善させる場合、2060年度の債務残高の比率を、現在の水準に近い200%に抑えるには、6年間でおよそ30兆円の収支改善、比率を100%まで下げるにはおよそ45兆円の収支改善が必要だとしています。””
いかりや:
本件問題は、本ブログでこれまで何度も指摘したことであり、財政制度等審議会は本ブログの後追いしているのではないか(苦笑)。それにしても、お偉いさんたちが雁首並べて随分荒唐無稽な試案をなさっているのには驚いた。
>「基礎的財政収支」を2020年度に黒字化する今の財政健全化目標を達成できたとしても、
政府・財務省は、これまで「消費税の税率をアップ」するために、さんざん財政赤字問題を喧伝して国民を脅してきた。そして実際にこの4月から消費税の税率を5%→8%にすることとなり、この秋、経済状況をみながら更に10%にすることになっている。
一応、数字の上では、消費税率を20%程度にすることで、財務省のいう「基礎的財政収支の均衡化」は可能ではある。しかし、「財政収支を黒字化する」ことで、その黒字分で借金を減らすとは恐るべき荒唐無稽なレベルの話である。
現状の経済状況では、消費税率を8%→10%にすることさえ難しい。
既に、NHKほかでも、何度も報道されているように、ここ20年近くの間に大量のワーキング・プアーを発生させた、非正規雇用が当たり前の社会になった。最近では、貧困による奨学金の滞納、女性の貧困や子供の貧困の連鎖などなどこれ以上貧困化を促進させる消費税増税は許される状況ではない。
既に過去に於いてなん度も述べていることだが、日本人の1世帯当たりの平均所得:664.2万円(平成6年)をピークに下がり続け、平成22年の段階で、538万円に低下(厚労省の国民生活基礎調査)1世帯あたり年間126万円も収入が減少している。その結果が上述した悲惨な貧困化をもたらしているのである。
世帯当たり126万円の減収は、単純に計算しても全世帯で年間50兆円を越す金額であり、これは消費税に換算すれば、実質的に25%の消費税を既に負担していることを意味している。現行の消費税8%でさえも、貧しい人たちにとって大きな負担になっている。にも拘らず、政府(財政制度等審議会)は、これに更に消費税増税による重税をかけようというのである。まったくふざけている。
筆者に言わせると、消費税増税によって均衡財政にすることでさえも極めて困難である。その上に消費税増税によって黒字化して借金を減らそうとは、もうムチャクチャなのである。
現実問題として今後10%以上の消費税の重圧をかけることが可能なのだろうか、それさえも危うい。政治家、識者、エコノミストたちの頭はどうなっているのだろうか、やはり「えらくなるほどバカになる」という法則はここでも生きている。
1997年に消費税を3→5%にしたその翌年1998年から自殺者が3万人台に激増して今日に至って入る。貧乏化により国民の心は荒んでくるのは当然だろう、犯罪が増えることは必至である。最近の若者の「おれおれ詐欺」の多様化、多発化、巧妙化も貧乏化による犯罪へと追いやった結果だろう。
如何に「消費税増税による基礎的財政収支を黒字化」することが荒唐無稽なことかおわかりいただけただろうか。
本日はここまで、
次回は財政制度等審議会でいうところの経済成長「実質で2%程度、名目で3%程度にすること」について述べたい。
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