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週休5日で月10万円! 賢い再就職先探し
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20140429-00012393-president-bus_all
プレジデント 4月29日(火)12時15分配信
60代以上の就職が多い職業ランキング
再雇用も再就職も独立も、定年世代にとって条件が厳しいことは間違いない。それでも、お金もやりがいも手にした「老後の勝ち組」たちは、現役時代にどんな努力をし、どんな準備を重ねてきたのだろうか。
■フツーの事務系ホワイトカラーの求人は3割程度
定年後も同じ会社では働きづらい、新天地で週2〜3日程度のんびり働きたいと考えている人もいるだろう。
そうした高齢者の多様な働き方を手助けしているのがマイスター60だ。同社は1990年に「60歳新入社員、70歳選択定年」を掲げ、高齢者に特化した人材サービス会社として創業。定年後も働くことを希望する高齢者の雇用創出を目指す、日本最古の人材派遣会社である。
60歳以上の登録者は約3000人。実際に働いている人は約380人。派遣社員が大半を占め、127社222の事業所の派遣先で働いている。従事している職種も様々だ。
同社の高平ゆかり執行役員事業本部長は「もともと親会社がビル管理業なので施設管理サービス職をはじめオフィスビルの設計・施工やシステム機器の開発職、生産技術職などの技術系が多い。事務系では経理・財務、営業、法務、知的財産など多岐にわたっている」と言う。技術・事務系の比率では、全体の6割強を技術系職種が占める。
働き方も多様だ。フルタイム勤務で働く人もいれば、週2日あるいは3日勤務といったプライベートとの両立を図る働き方を選択する人もいる。
賃金は職種によって異なる。最低でも時給は1000円。平均は1500〜1600円、高い人は2000円を超える。
とはいっても求人企業にマッチングする業務がなければ働けない。マッチングで重視しているのが前職でどんな仕事をしてきたのかという職務経歴だ。とくに直近5年間の経験が大きく左右するという。
「大学を卒業してどういう仕事をしてきたのかではなく、定年前の直近3年ないし5年間に培ったキャリアや仕事の内容を見てマッチングさせています。それ以前のスキルや入社後にやってきた仕事はすでに陳腐化していますし、実際に使えないからです」(高平事業本部長)
つまり50代半ばに一定のキャリアやスキルを磨くことが重要ということだ。とくに最近は求人より求職者が圧倒的に多く「働きたいという事務系ホワイトカラーは多いが、求人案件が少ない」(高平事業本部長)のが現実。事務系職種の求人案件は全体の3割程度という。
早船利信氏(61歳)は定年の3カ月後に自分の理想とする週2日勤務の職場を射止めた一人だ。前職は製薬会社の100%出資子会社の事業部長。工業高校卒業後、本体の製薬会社に入社し、以来、社歴の半分以上を工場の生産技術部門で働いてきた。その間に社会人大学・大学院に通い、修士号を取得するほどの努力家でもある。
早船氏の派遣先企業はなぜか不動産などを扱う金融信託会社だ。金融というまったく異なる業種で職を得ることになった決め手は資格にあった。
「私は金融は門外漢ですから、本来なら私のような人材は必要なかったと思います。ところが、今年7月の再生可能エネルギーの全量買い取り制度のスタートを機に、広い土地を持つ信託会社と大手メーカーが組んで太陽光や風力発電施設の建設と運用の事業を始めたのです。そこで電気のわかる人が必要ということになった。私が生産技術部門時代に取得した第二種電気主任技術者の資格を持っていたことから白羽の矢が立ったのです」(早船氏)
培ったキャリアや資格がどこで生かされるのかわからない典型的事例だ。早船氏は12年1月から同社に派遣。現在、同社の再生可能エネルギープロジェクトの技術アドバイザーとして活躍している。プロジェクト会議にメンバーとして参加し、技術的に押さえるべき点などをチェックするのが大きな役割であるが、資格とは別に前職で事業部長まで務めたマネジメント力も買われての採用であることは想像に難くない。
もちろん前職での再雇用の道も選択できた。しかし早船氏は「前の会社では生産技術部門だけではなく、本社の総務・人事部門なども経験し、最後は子会社の事業部長といろいろやってきました。もういいかなという感じでしたし、働く環境を変えたかった」と語る。
週休5日で月10万円! すべて自分のお小遣いに
とはいっても週2日の勤務で生活は大丈夫なのか。早船氏は「製薬会社の企業年金は結構充実していますし、ぜいたくしなければ生活はできます。それも会社の再雇用を選択せずにのんびりとやろうと思った理由の一つです」と言う。
早船氏は現在厚生年金の報酬比例部分と企業年金を受給しているが、月額30万円弱になるという。加えて週2日勤務の収入が月に10万円強。合計40万円弱の収入になる。持ち家の住宅ローンは残り数カ月。子供も独立しており、教育費の心配もない。妻もパートタイムで働いているというからダブルインカム状態である。
「公的年金と企業年金は受給したときに妻に渡し、今働いている10万円は全部私の小遣いになっています」(早船氏)
小遣いが10万円とはうらやましい話だ。しかも週休5日の生活だ。今は趣味も満喫しているという。
「会社の再雇用を選択しないと決めたときは妻に『家にいてもいいけど、そのうち飽きてくるんじゃないの』と言われましたが、ゴルフをしたり、中学時代のテニス仲間に誘われてテニスサークルに入って汗を流しています。友人との飲み会に出かける機会もありますし、1週間の生活のリズムができて毎日を楽しんでいますよ」(早船氏)
もちろん仕事についても「自分の培ったものが多少なりとも生かされ、貢献できているのでおもしろい」と満足している。派遣契約という雇用形態であるが、再生可能エネルギーという拡大基調にあるビジネスということもあり、仕事を継続する可能性が高いという。
■40代からは社外評価を上げよ
順風満帆の定年後ライフを送る早船氏は、定年後の働き方についてこんなふうにアドバイスする。
「少しでも働きたいと考えている人は、定年後の準備は早めにやったほうがよいと思います。とくに自分の得意分野があれば、その強みをどのように生かすのかを考える。若年層の失業率が高いですが、それは60歳以降も一緒。やはり自分の“売り”がないと再就職は難しいと感じました」
マイスター60の高平事業本部長も、定年後に再就職を果たすには60歳から準備をしても遅いと指摘する。
「少なくとも50代半ばから準備したほうがいい。よく自分のキャリアプランやキャリアデザインを描くことが大事であると言いますが、むしろ今の時代はキャリアのリスクマネジメントをしなければいけないと考えています。できれば40代の働き盛りの時代に社内評価だけではなく、社外の評価も高め、いざとなったら社外から声がかかる人材になることが大事です」
現役でさえ会社がいついかなる事態になるのか想像できない時代だ。自らのキャリアのリスクテークをすぐにでも始め、定年後も働き続けられる環境を自力でつくっていくべきだろう。
ジャーナリスト 溝上憲文=文 武島 亨=撮影
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