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女性役員登用、なぜ増加?均等法入社世代が役員適齢期に、安倍政権の成長戦略も後押し
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20140429-00010002-bjournal-bus_all
Business Journal 4月29日(火)3時0分配信
女性役員の登用ラッシュが続いている。これまで男性優位社会と見られていた金融業界でも女性役員の起用が相次ぎ、都市銀行では三井住友銀行とみずほ銀行で女性執行役員が誕生した。
三井住友銀行は4月1日付で、成長産業クラスター室長の工藤禎子氏が執行役員に就任し、同行初の女性役員となる。環境や医療など成長産業への融資を担当するが、男性を含めて最も入行年次が若い生え抜き役員となった。工藤氏は87年に慶應義塾大学経済学部を卒業後、女性総合職の第1期生として旧住友銀行(現・三井住友銀行)に入行した。2年間の支店勤務を経て国際業務部に配属され、15年以上、プロジェクトファイナンス(PF)業務に携わり、国内外の多くの大型融資案件を手掛けてきた。工藤氏は「最も印象的だったのは2004〜05年にかけて関わったサウジアラビアの石油精製・石油化学複合プロジェクト」と振り返る。12年からは新エネルギー、水、環境など成長が期待できる事業を発掘する成長産業クラスター室長に就いた。
みずほ銀行でも4月1日付で企業のM&A(合併・買収)事業を担当するA・L・Cアドバイザリー部部長の有馬充美氏が執行役員コーポレートアドバイザリー部長に就いた。生え抜き初の女性役員で、中小企業へM&Aの助言を行う。有馬氏は86年に京都大学法学部を卒業後、旧第一勧業銀行(現・みずほ銀行)に入行し、法人企画部門などを歩いてきた。
このほかにも、野村ホールディングス(HD)傘下の野村信託銀行の社長には、4月1日付で野村HD執行役員の真保智絵氏が就任した。国内銀行で初の女性社長となる。真保氏は早稲田大学法学部卒業後の89年に野村證券に入社。資本市場部やエクイティ部、秘書室などを経て、12年から執行役員として経営企画やアジア戦略策定を担ってきた。
同じく証券業界としては、大和証券グループ本社では、田代桂子常務執行役員が6月26日の株主総会を経て取締役に就任する。社外取締役以外では同社初の女性取締役だ。田代氏は早稲田大学政治経済学部を卒業後、86年に大和證券に入社し、91年にスタンフォード大学でMBA(経営学修士)を取得した。その後、シンガポール、イギリスなど海外勤務を経て09年4月に同社初の女性執行役員となり、13年に常務執行役員。米国子会社の会長に就任して、女性キャリアのトップを走る。田代氏は「きちんとした判断軸を築かない限り、女性幹部は増えないだろう」と述べているが、同社には現在、女性営業店長が18人おり、全体の1割超を占めるが、早い時期から男性と同じ仕事環境に女性を置いてきたからだという。
一方、官僚の世界でも、4月14日に一宮なほみ氏が女性初となる人事院総裁の辞令を安倍晋三首相から交付された。就任会見で「自分の存在が後に続く女性の励みになれば、これ以上うれしいことはない」と述べた。
●均等法世代が役員適齢期に
女性役員の登用が増加する背景には、安倍政権が成長戦略として掲げる「20・30」の数値目標がある。これは「20年までに指導的地位に女性が占める割合を30%にする」というもので、上場企業では女性役員を1人以上置くことも目指す。
加えて、女性の役員予備軍が育ってきたこととも無縁ではない。採用、昇進、教育訓練、退職などで男女の差別を禁止する法律、男女雇用機会均等法が85年に成立し、86年以降に入社した女性は“均等法女子”と呼ばれた。当時20代前半で総合職として入社した女性が今、50歳前後となり役員適齢期を迎えた。
そんな中、経団連は4月14日、経済界で活躍する女性を増やすためのアクション・プランを公表した。今夏をメドに女性の管理職登用について会員企業が自主的に行動計画を策定し、この計画を経団連のホームページで公表。計画の進捗状況を定期的に点検することを検討するという。
●制度設計面で難しさも
以上みてきたように、女性役員登用が広がる中で、制度設計の難しさを指摘する声もある。例えば、「週刊ポスト」(小学館/4月18日号)の記事『女性役員が会社を亡ぼす』は、ノルウェーのケースを紹介している。ノルウェーは03年に「割り当て制」を導入し、それまで6%だった企業における女性役員比率の目標値を、08年には40%に引き上げたが、その結果を米国の大学が調査したという。それによると40%を達成した企業の株価は大幅に下がり、企業価値を評価する指数も女性役員比率が10%増加すると12%程度下落したという。ちなみにこの目標値は上場企業を対象にしたものだったため、規制を逃れるために3割の上場企業が上場を廃止したという。
現在、欧州では女性役員の登用を法で強制すべきか否かの論争が起きているが、景気が低迷する欧州では割り当ての強制は重荷だとして反発が強い。女性役員登用で先行する欧州の議論は今後、日本にも一定の影響を及ぼす可能性が強いが、いずれにしろ日本ではまだ、女性役員登用の動きは始まったばかりである。
編集部
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