ただし、GDP比の政府の債務残高が膨張するほど、外的条件の変化による僅かな金利変動により、大きな経済的なショックが発生するようになる

例えば、GDP比10倍の債務であれば、名目金利1%だとしてもGDPの10％の金利（今の国の歳入総額）の支払であり

毎年の債務の借り換え自体が巨大なリスクイベントになってくる

仮に平均金利が２％に上昇すれば、歳入の２倍の金利支払いが必要となる

つまり金融不安定性は高まって、リスクに弱くなると言うことだ

だから現実には、日銀が買い取りに追い込まれることになり、国内金利（インフレ率）を低位に抑圧し続けることは、まずできないから、確実に破綻する

いずれにせよ、実際に、GDP比債務が、10倍どころか5倍程度まで膨張し続けることは難しいだろう

つまり、債務膨張に歯止めをかけない限り、あと数年（遅くとも10年以内）で、何等かの非連続的なイベント（インフレ率急上昇とヘアカットなど）が起こる可能性は、かなり高い

その意味では、アベノミクス成功による、円安インフレ達成（GDP比債務減少）、名目賃金の上昇（実質賃金減少）と国債暴落は、正常な金融への回帰になるはずだが、

どうやら、そう簡単には行きそうもない気配も高まりつつある

>>01　に書いた通り

問題は、それが出来ない場合があるということだ

金融システムが不安定化したとき、適切な金融政策を行わないと実体経済も悪化するのは、世界、そして特に日本がリーマンショックで既に痛いほど経験している

だから

「経常赤字と財政赤字を放置しておいても生産力（供給）さえ維持できれば問題ない」

という主張は、世界の政府と中銀が、常に最適な金融財政策を取ることができ、通貨安インフレによるショックを適切に処理できるという前提でのみ成立するが

そうでないリスクがあり、それは財政赤字が膨張するほど高まるということだ