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現代自、中国生産150万台
2年後めど、4割増に VWなど2強を追撃
現代自動車が中国市場開拓を加速する。2016年をメドに重慶に乗用車工場を新設するほか、トラックなど商用車の新工場も稼働する。中国の生産能力は151万台と現在から4割以上増える。24日に発表した14年1〜3月期決算では欧米市場での伸び悩みで最終減益となった。今後の成長には中国事業の拡大が不可欠と判断、積極投資で先行する欧米メーカーを追う。
「新工場建設を通じて中国の持続的な需要増加に対応する基盤を整えます」。現代自の李元熙(イ・ウォンヒ)副社長は24日に開催した決算記者会見で、中国・重慶に新工場を作る重要性を強調した。1〜3月期はウォン高などもあり米国での販売が不振だった一方、中国での販売は9%増加するなど地域によって明暗が分かれた。
重慶に新工場
現代自は今年に主力セダン「ソナタ」の新型車を発売するなど苦戦が続く米国や韓国で販売をてこ入れする。一方で、成長を託す中国で積極的に投資を続ける。
3月27日。中国・重慶を訪問した現代自の鄭夢九(チョン・モング)会長は市政府との「戦略合作基本協議書」に調印した。現代自は重慶に新工場を作る方針を表明。市側は用地や人材の確保で最大限の支援をするという。中国中央政府の認可を経て着工する。重慶に工場を新設することで内陸部の開拓を強化する狙いがある。
車種も広げながら市場を攻める。14年中に四川省で建設中の商用車工場が稼働する。低価格車が中心だった乗用車では都市部で「エクウス」など高級セダンも拡販し、欧州車などに対抗する。
中国で売る車は原則として現地生産だ。2工場体制だった11年時点の生産能力は年60万台だったが、14年1月に稼働した中国第3工場の増設ラインを含めると現在は105万台。重慶新工場が稼働する16年には、グループの起亜自動車を含めると230万台近くまで増える。現在は独フォルクスワーゲン(VW)と米ゼネラル・モーターズ(GM)が中国の2強だが、両社に対抗が可能な規模になる。
累計販売1000万台
現代自が中国に初めて工場を作ったのは2002年。これまで北京汽車集団との合弁で事業を進め、低価格車を中心に急速に販売を拡大してきた。近年は日中関係の悪化による日本車の不振も追い風になった。中国での累計販売台数は、傘下の起亜自動車分を合わせると14年に1000万台を超えると現代自はみている。韓国、米国に次ぎ3番目だ。
「次の1000万台に備えよう」――。鄭会長は重慶訪問の前日、今年稼働する四川省の商用車工場などを視察した際に職員にこう呼びかけた。これまでの業績拡大を支えてきた韓米市場は今後、大きな伸びは期待できない。中国販売は2013年も前年比21%増えて102万台と3けたに到達し、世界販売の4分の1弱を占める。
ブラジルなど新興国市場での販売は総じて好調。なかでも中国にかける思いは強く、会長の鼻息も荒い。
中国に注力するのは他の自動車大手も同じだ。GMは12年に290万台だった年産能力を16年以降に約500万台に拡大。VWも250万台から400万台まで増やす。3位争いのライバルとなる日産自動車も積極投資する方針で、競争は激化する一方だ。
中国政府の環境規制は懸念材料だ。中国は大気汚染対策の一環としてハイブリッド車(HV)にも補助対象を広げる検討を始めた。日欧大手に比べて開発が遅れている環境車対応が現代自の足を引っ張る可能性もある。
ソウル=小倉健太郎
[日経新聞4月25日朝刊P.9]
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