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コンビニの“駅ナカ”争奪戦の舞台裏:鉄道各社の脱自前主義、コンビニはノウハウ蓄積
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20140426-00010001-bjournal-bus_all
Business Journal 4月26日(土)3時0分配信
駅ナカへの大手コンビニエンスストアチェーンの出店競争が火ぶたを切った。
セブン-イレブン・ジャパンは西日本旅客鉄道(JR西日本)の系列子会社が運営している駅構内の売店「キヨスク」やコンビニ「ハート・イン」の看板を「セブン」に掛け替える。JR西日本管内の1222駅にある売店とコンビニおよそ500店舗を、今後5年間かけてコンビニ型の新店舗に転換していく。2014年6月上旬に京都駅や博多駅など5店舗がオープンする。「現場で働いている人は、セブンとの差や客の不満を日々感じていただろう」と、JR西日本の真鍋精志社長は自力での店舗運営をあきらめてセブンとフランチャイズ契約を結んだ理由をこう説明した。
JR西日本の1日の乗降客数は500万人。通勤、通学客が多い駅ナカは小売業にとって最適の立地であったため、JR西日本は駅ナカ・ビジネスで自前主義をとってきた。JR西日本の駅ナカ事業を手掛けてきたのが子会社のジェイアール西日本デイリーサービスネットで、前出のキヨスクとハート・インを運営してきた。年間売上高は直近で445億円だが、セブンへの切り替えが完了する5年後に、これを640億円に増やす目標を掲げた。
「商品力、店舗運営力、店舗指導力。我々だけではどうにもならない強みを、セブンさんは持っている」と真鍋社長は記者会見で語り、JR西日本は聖域としてきた駅ナカをコンビニ最大手のセブンに明け渡す。
●自前主義を捨て始めたJR
JR各社の駅ナカ・ビジネスでは、売店のキヨスク(東日本エリアのみキオスク)は全国共通の名前だが、コンビニではエリアごとに名前が違う。JR北海道は「コンビニキヨスク」、JR東日本は「ニューデイズ」、JR東海は「ベルマート」、JR西日本が「ハート・イン」だ。ちなみにJR四国はキヨスクのみで、いち早くコンビニのフランチャイズチェーン(FC)に入ったのがJR九州だった。
JR九州の子会社でキヨスクを運営するJR九州リテールは05年、エーエム・ピーエム・ジャパンとFC契約を結び、九州限定でam/pmを展開してきた。ファミリーマートがam/pmジャパンを吸収合併したのに伴い、10年以降、全店舗115店をファミマに切り替えた。新規出店を進めたことでファミマの店舗は134店に増え、JR九州は大手コンビニに看板を掛け替えた成功例といわれている。
今後の焦点はJR東日本のコンビニだ。同社の駅ナカ事業を担う子会社、JR東日本リテールネットは、JR東日本管内で売店の「キオスク」(07年の社名変更と同時にJRグループ共通のキヨスクからキオスクに変えた)やニューデイズ、みやげ品など物販の専門店を経営している。
しかし、首都圏のJR東日本の駅ではキオスクが姿を消しつつある。07年に正社員の店員の早期退職を促したが、その際に非正規従業員の確保が追いつかなかったため、多くのキオスクが閉店に追い込まれた。
JR東日本のニューデイズとキオスクを合わせた店舗数は10年が931店、11年が900店、12年が885店と年々減少。キオスクがあった場所は自販機コーナーになっている。今後は、ニューデイズとキオスクの統合を進め、コンビニ500店舗体制を目指す計画だ。だが、わずか500店舗では大手コンビニチェーンとは勝負にならないため、JR東日本がコンビニの自前主義を貫くことは難しいとの見方も強く、JR西日本と同様、自前店舗に見切りをつける可能性も高い。
●大手私鉄ではコンビニとの提携先行
一方、大手私鉄ではコンビニ大手の提携が進んでいる。
東京急行電鉄は05年、ローソンと提携して駅型コンビニを共同開発した。駅型コンビニは、駅の売店とコンビニを融合した新型店舗だ。東急は駅型コンビニ「トークス」を展開してきたが、12年3月から店舗を順次「ローソン+トークス」に切り替えている。東急電鉄の100%子会社、東急ステーションリテールサービスがローソンのフランチャイジー(フランチャイズ加盟店)として運営している。
西武鉄道は07年、ファミマとフランチャイズ契約を結び、共同開発した駅ナカ売店「トモニー」を運営。トモニーは一般的なコンビニの約半分程度の売り場面積だ。
京浜急行電鉄は09年、セブンとの業務提携を結び、京急駅ナカの売店80店をすべてセブンの店舗に転換した。売店の規模は平均5坪(約16.5平方メートル)で、通常のコンビニの6分の1ほど。京急の100%子会社、京急ステーションコマースがセブンのフランチャイジーとなって店舗を運営している。
コンビニ大手は私鉄との提携で、駅ナカでの小型コンビニの運営ノウハウを蓄積してきた。JR東日本のコンビニをどこがゲットするのかで、“駅ナカ争奪戦”の帰趨が決まるといっても過言ではない。
編集部
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