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黒田日銀総裁の強気発言
http://blog.livedoor.jp/analyst_zaiya777/archives/52580922.html
2014年04月23日 在野のアナリスト
韓国の旅客船沈没に際し、日本のメディアが韓国紙の論調を借りる形で、韓国批判を繰り広げている、という話があります。しかしこれはメディアがよく使う手で、大口の広告主の意に沿い、普段は批判を控えているものの不祥事があると一斉に叩く、という傾向によりそうなります。韓国は観光協会を通じた広告以外にも、安価に韓流ドラマを提供してくれる、言わば上客です。そういう相手だけに、面と向かって批判し難い。さらに言うと、安倍政権では韓国に強硬姿勢が目立っていたので、メディアが韓国批判をすれば、さらに関係悪化が加速しかねない。そうした配慮が、今回の件では箍が外れてしまっている、というのが実状なのでしょう。
日銀の黒田総裁が、衆院財務金融委員会で「13年度のCPIは0.7%より上振れ」として、2%の物価目標に自信を示しました。これを受け、日銀の追加緩和観測が秋より後ろ、と時期が後ズレした印象です。少なくとも見通しの変化があって、追加緩和ですから、冬以降でも驚きはありません。
各紙が4月に入って一斉に行った世論調査で、半数以上が支出は変えない、との結果が出たと報じました。しかしCPIが上昇しているなら、同じ支出では購入量が減っているはずですので、全体として消費は鈍化していることになります。また本当に賃上げが各家庭に行き渡っているなら、支出は逆に増えるはずです。各紙は好意的に報じていますが、実はじわりと景気悪化を示唆している。特にガソリンの暴騰など、消費には深刻な影響を与えているといえるのでしょう。
HSBCが発表した3月の中国PMI速報値は48.3と、節目の50を下回るレベルでした。このところ中国では、農村部や低所得層、零細企業などに恩恵のある策を、次々と打ち出しています。中国共産党や富裕層への批判が相次ぎ、已む無くとっている策ですが、景気対策というより共産党への批判を逸らす目的とみられます。しかしもう一つ、預金準備率の引き下げなどの策は、中国経済の減速をうけて流動性供給に迫られた故であり、規模は小さいものの、中国経済の逼迫も示します。
しかし米企業の好業績も、そのほとんどが中国での売上げが占めるように、中国経済の動向は世界の株価を左右しかねない、重要な問題です。最近の中国は、世界の工場から消費地に変化しつつある、ともされますが、消費するための収益をどこで稼ぐか、についてはあまり議論されません。諸外国の製造業が続々と撤退する中、不動産バブルと公共工事で支えられてきた経済が、どちらも頭打ちから減速に陥る今、消費地としての未来にも暗雲が漂います。つまり中国へ進出している企業も、建機関連が軟調になる一方、今はまだ消費関連の企業業績が好調なので、下支えされているのですが、将来的にはその消費ですら悪化する。それは日米の企業業績にも打撃となる。
中国経済の問題は、世界の企業とも連動してくる。シャドーバンキングの問題が破裂したとき、実は日銀の追加緩和のタイミングではないか? 逆に、それまでに打ってしまうと打つ手をなくし、中国の凋落に引きずられて、日本が泥沼になるだけではないか。今、市場ではそういう話が流れています。つまり追加緩和は、そういう非常事態用の策として温存される、ということです。黒田氏の強気発言の裏にある、そうした思惑に市場が翻弄されているなら、今の市場はやはり脆弱である、ということにもなるのでしょうね。
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