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http://www.zakzak.co.jp/society/domestic/news/20140423/dms1404230830001-n1.htm
2014.04.23 「日本」の解き方
中国経済に関して、影の銀行と並んで問題視されているのが不動産バブルだ。
中国経済の中身を見ておこう。中国の名目国内総生産(GDP)の主な構成比をみると、民間消費36%、政府消費13%、総固定資本形成(投資)46%である(2012年、以下同)。
G7(先進7カ国)の平均は、民間消費61%、政府消費21%、総固定資本形成19%。そして中国以外のBRICS(ブラジル、ロシア、インド、南アフリカ)の平均は、民間消費57%、政府消費19%、総固定資本形成23%だ。
こうしてみると、中国経済の民間消費の少なさ、総固定資本形成の大きさが目につく。しかも、総固定資本形成の3分の1が不動産関連というから、中国経済の中で不動産関連のウエートは他国では見られないほど高い。
これは、土地国有制をある意味で「活用」した方法で行われている。地方政府やその関連会社が、土地の使用権を安く買い上げ、高値で開発業者に転売しており、それが不動産関連投資に拍車をかけているのだ。このため、地方政府の収入の約4割を不動産関連収入が占めているという。
この「活用」は、土地国有制の「悪用」ともいえるわけだが、疑似的な「私有制=民営化」ともいえるわけで、中国経済を牽引(けんいん)してきたのは事実である。
ただし、資本主義経済でも行き過ぎれば不動産バブルが起こるが、中国も例外ではない。この意味では、中国経済と資本主義経済に違いはない。
ただし、バブルがいつ起こるのか、今起こっているのかは難しい問題だ。資本主義国でもバブルを予見できないし、しかも中国では、不動産価格は大都市の数字しかないなど、統計の制約が大きい。
最近、中国の中小都市の不動産市場が抱えるリスクを警告するケースが増えている。よく取り上げられるのが、杭州市だ。オフィス入居率が3割だとか、不動産取引が低迷し、3割値引きが常態化しているとかいわれている。他の都市ではまだそれほどでもないが、杭州市の動きは、中国不動産市場の不調を示す予兆と見る人もいる。
中国経済に対する懸念材料のうち、影の銀行と不動産バブルの崩壊には密接な関係がある。不動産取引の裏側にある金融が、影の銀行になっていることもしばしばだからだ。つまり、実体経済と金融経済とはコインの裏表であるが、どちらが先に問題になっても、両方ともに同時に問題になるものだ。
もし、不動産投資が行き詰まれば、中国経済におけるウエートの高さから、マクロ経済に対する影響は他国とは比較にならないほど、大きくなるのは間違いない。
不動産投資に過度に依存し、消費が少ない中国経済は、これまでBRICSの中でも抜きんでた成長を誇っていたが、良いことは長続きしないということになるのだろうか。統計の乏しい中で、注視が続く。 (元内閣参事官・嘉悦大教授、高橋洋一)
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