http://www.asyura2.com/14/hasan87/msg/199.html
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黒田氏が日銀総裁に就任したのは昨年(13年)3月であり、円安傾向・株価上昇(円安傾向に伴う動き)は、「黒田以前」の一昨年(12年)9月から続いていた経済事象である。
黒田日銀総裁は、金融緩和策の“力”を過大に宣伝しデフレ脱却を信じ込ませようとしてきただけなのである。黒田総裁は、安倍首相以上の口先男(気で経済を変えようという人だから当然)と言える。
このような意味で、「黒田以前」に戻ることが悪夢と言えるかどうかははなはだ疑問である。
記事のなかに、「日銀行内では、目標達成に失敗した場合に備え『消費増税の反動が予想以上に大きかった』と“言い訳作り”を準備している」」という一節がある。
しかし、消費税を増税しても景気は腰折れしないと言って消費税増税の旗をちぎれるほど振ったのは黒田総裁である。
そのような日銀が、「消費増税の反動が予想以上に大きかった」という分析を“言い訳”に使っても通用しないとだけは言っておきたい。
市場関係者のあいだでは追加緩和策が期待されているようだが、追加緩和策が打ち出されれば、それに反応して一時的に株価が上昇する可能性はあるが、円安傾向が甦ったり、設備投資や輸出が増加するわけではないから一時的な動きで終わってしまい、逆に、緩和策に効果がないことがわかることで落胆を呼び、株価をより押し下げてしまう危険性もある。
12年秋からの円安傾向が、13年3月に就任した黒田日銀の異次元緩和策の賜物であるかのような見方は錯覚ないし“神話”でしかない。
マネーなら、追加緩和策を実施せずとも、日銀当座預金に134兆円も積まれうなっている。
※ 参照投稿
「日本経済が消費税率とともに上昇することは難しい:経済政策としてのアベノミクスは円安効果の消滅とともに終焉」
http://www.asyura2.com/14/hasan86/msg/684.html
「金融緩和着実に実施、物価安定目標達成へ道半ば=日銀総裁:消費税増税ショックに追加緩和は効果なく金融政策の限界を晒すだけ」
http://www.asyura2.com/14/hasan86/msg/489.html
「nJF6kGWndYさんへ:ECBの国債買い入れは無制限:円ドル・円ユーロのレート推移」
http://www.asyura2.com/14/hasan86/msg/314.html
「インタビュー:日本の金融政策偏重に副作用リスク=米コーネル大教授:欧州発の円安傾向と公共投資増加が好況の主要因」
http://www.asyura2.com/14/hasan86/msg/642.html
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『週刊文春』4月24日号P.152・153
「5月危機で12000円割れも!:日本経済「黒田以前」に戻る悪夢
四月八日午後三時過ぎ、日本銀行始まって以来初めて、金融政集決定会合後の「ライブ会見」が行われた。
「この日のために考えた」という水色のネクタイ姿で九階の会見場に登場した黒田東彦総裁が下した結論は、「追加緩和なし」だった。
黒田総裁は、昨年三月の就任以降、「物価上昇率が安定すれば、期待感から貸金や物価も上がり景気が好循環する」というメッセージを出し続けてきた。
「それまで緩和政策に慎重で、黒田氏に懐疑的だった日銀職員たちも、長期金利は低いままで株高をもたらした“黒田緩和”の効果を見て、この一年でガラリと変わった。右腕といわれる雨宮正佳理事以下、企画局を中心に総裁を信奉する親衛隊のようになっています。
いまや黒田総裁は、日銀内で教祖のように崇められています」(日銀担当記者)
これまで政策決定会合後の総裁会見の内容は、その終了後まで報道が禁じられていたが、八日からリアルタイムの映像で観られるようになった。
「実は会見のライブ化の話はかなり以前からありました。だが、以前の総裁は何をしゃべるかわからない、記者クラブ側の態勢が整わないなどの理由で実現しなかった。総裁が、発言に安定感のある黒田氏になったこともあり、満を持してのスタートでした」(同前)
だが、初のライブ会見は市場関係者から「大失敗」と評されている。株式担当記者が解説する。
「今の市場は、追加緩和待ち。唯一の期待である追加緩和がないとわかったことで、会見の日の夜、欧州における為替相場が急激に円高に振れ、翌日から日経平均株価は急落。リーマンショック直後以来の下落率となりました」
十一日には、日経平均株価は年初来安値を更新し、一万四千円を割り込んだ。
「追加緩和すれば売り崩す」
今年に入ってからの日本の株式市場の下落率は、ウクライナ情勢を抱えるロシアに次いでワースト二位。この“日本売り”を牽引するのが外国人投資家だ。みずほ証券チーフマーケットエコノミストの上野秦也氏が語る。
「外国人投資家は今、『アベノミクスは失敗した時に、代替案のないシステム的なリスクを内包している』と見始めています。ヘッジファンドなどは、長期的に株を保有し続ける余裕がなく、日銀の金融政策のあるなしだけで近視眼的に売り買いを決めている状況です」
米ロバーツ・ミタニ創業者で投資穀行家の神谷秀樹氏もこう指摘する。
「アベノミクスの第一の失・金融緩和はすでに効果が出つくし、これ以上の株高や円安は見込みにくい。第二の欠・財政出動も過去の実績から見ても長期的には効果が出ない。日本はもう戦後のような高度成長を推進できる経済構造ではないのです。こうした中、第三の失・成長戦略も見るべきものがなく、変われない日本のまま。外国投機家たちが流れ者のギヤンプラーのように日本市場にやってきて、超緩和資金を借りまくって投機し、しこたま儲けて出て行った。それが現在の状況です」
市場関係者には、「五月からの一段安で株価一万二千円割れ」(証券会社幹部)との声も出始めている。
「もともと市山場では『Sell in May(五月に売り抜けろ)』との格言もある。消費増税による消費や物価への影響に加えて、今月後半から徐々に出始める企業の今期業績は減益予想などかなり保守的なものが多くなると予想される。株価の下落要因は少なくありません」(同前)
株価の動向にビリビリしているのが、首相官邸だ。
「『政権の通信簿』とも言われる株価に、安倍晋三総理も菅義偉官房長官も敏感になっています。官邸は株価を何とか底上げするため、GPIF(年金積立金管理連用独立行政法人)が来年四月に予定している国内株式の運用拡大を今年六月に前倒しすることも検討しています。GPIFによる新規の国内株式の買い需要は十兆円に上るとも言われている」(政治部記者)
だが、“政治介入”の効果は一時的だと、金融ジャーナリストは指摘する。
「これだけ円安が進んだにもかかわらず、輸出が伸びない。自動車各社は軒並み過去最高益になりましたが、ほとんどが為替差益によるもの。本来、国内景気がよくなれば活発になるはずの設備投資もほとんど伸びていません。これでは貸金や雇用の増加にも繋がりません。アベノミクスは腰折れになる可能性がある。今後、市場関係者や官邸から日銀に対して、早期の追加緩和へのプレッシャーがさらに強まるのではないか」
十五日には急遽、安倍総理と黒田総裁の昼食会談がセットされた。会談後、黒田総裁は「金融政策について必要があれば躊躇なく調整する」と首相に伝えたことを明らかにした。だが、頼みの網の追加緩和すらも、波乱要因だ。外資系証券ストラテジストがいう。
「ある米系ヘッジファンド関係者に『もし日銀が追加緩和を発表すれば売り崩す準備をしている』といわれ驚きました。彼らは黒田総裁が就任する以前の株価一万二千円ぐらいを本当の実力と見ていて、もしこれ以上、人為的に株価を操作すれば市場の歪みが大きくなる“売り時”と考えているからです」
前出のジャーナリストによれば「日銀行内では、目標達成に失敗した場合に備え『消費増税の反動が予想以上に大きかった』と“言い訳作り”を準備している」という。次の総裁ライプ会見は大丈夫?」
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