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麻生財務相のGPIF発言
http://blog.livedoor.jp/analyst_zaiya777/archives/52580490.html
2014年04月19日 在野のアナリスト
麻生財務相の最近の口癖は、GPIFになったようです。安倍政権では、やたらと経済閣僚が株価対策として口先介入する姿勢が、誕生したときから鮮明ですが、まさに実体ではなく期待に働きかける、そんな態度にしか見えません。以前も指摘したように、GPIFが運用比率を変えても、買い向かうときには上昇しますが、年金は支払いに備えて売るので、下落のきっかけにもなります。
例えば4月第2週、日経平均は1000円を越える大幅な値下がりをみせましたが、外国人売りではなく、国内の売りによるものであることが、売買動向からも明らかです。原因の一つとして考えられるのが、年金基金の代行返上です。改正厚生年金保険法により、4月1日の財政状況が悪化している基金に、解散を促せる。しばらく期間を空けて売却される見こみですが、成績の悪い年金基金にとって、ここが高値なら売り抜けてしまおう、と考えるのが当然です。売買高が盛り上がらず、安倍ノミクスの限界が見えた今、代行返上による売りが加速しても、何の不思議もありません。
今週になり、再び買いが加速していますが、30日の日銀会合に合わせて、また海外勢の買いが散見されます。4月第1週もそうだったように、期待で買われたら、そこが売りぬけのチャンスになってしまうかもしれない。それをくり返すと、海外勢もふたたび売り圧力を強めるでしょう。自分たちが買い上げても、日本の国内から売り立てられたら、パフォーマンスが悪くなります。
そんな海外勢のヘッジファンドも、苦境が伝わります。日本に対しては円安、株高のシナリオが思ったほど広がらず、パフォーマンスが悪かった。正直、期待はずれの声が広がります。米金融機関の決算も、総じて利益率が悪化しており、投資収益が広がっていない。新興国不安による、新たな投資先が見当たらず、日米欧も株高となり、ここから大幅に上がる市場を見つけるのが困難となり、今は資金があっても投資先がない、というのが本音なのでしょう。
これはGPIFとて同様です。安倍政権では、盛んに年金の運用利回りが上がった、と喧伝しますが、昨年までは投資には良好な環境だっただけ、です。今年、同じパフォーマンスは期待できないどころか、高値掴みをしていたら損失を抱えてしまう可能性もある。年初からの株価の下落は、そういうことを示唆しています。さらに、新発10年物国債が見合いなし、となったことで、今後は低い利率での発行が難しくなる可能性がある。そうなると、利回りの上昇と国債価格の下落が、年金には深刻な損失となって襲ってくる可能性があります。日銀が国債市場を支え、政府がバラマキを打った昨年と、逆の効果が出るのが今年となってくる恐れが強いのです。
麻生氏の発言は、あくまで期待による効果であって、実際の株価押し上げ効果はない、というのが本当のところなのでしょう。それ以上に、年金基金の解散などと相殺されるなら、下支えにしかならない恐れもある。しかし今は、それを上昇の材料としている層がいる、というだけのことです。そして日銀の会合前の特有の動きなど、安倍ノミクスによる『期待』だけで右往左往する相場が、しばらくは続くことが、これらの動きからもはっきりしてくるのでしょうね。
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