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日産自動車の命運 その1 その2 (闇株新聞)
http://www.asyura2.com/14/hasan87/msg/163.html
投稿者 五月晴郎 日時 2014 年 4 月 18 日 12:37:57: ulZUCBWYQe7Lk
 

http://yamikabu.blog136.fc2.com/blog-entry-1091.html
2014年04月17日

日産自動車の命運 その1


 タイムリーではありませんが、どうしても書いておきたかったテーマです。

 よく本誌は(有料メルマガも含めて)日産自動車を「ルノーに食い荒らされて体力がなくなっている」と書くのですが、いよいよ「ルノーに丸ごと食い尽くされてしまう」タイミングが近づいたと感じます。

 ただルノーもカルロス・ゴーンCEO(2005年からルノーのCEOも兼務)も資本主義のルールを踏み外して暴挙を働いているわけではなく、止める方法はありません。ここでわざわざ記事にする理由は、「資本の論理」の厳しさを改めて理解していただくためと、逆に最近増えている日本企業による海外企業の巨額買収が「単にお金を出しただけ」に終わらないためです。

 強力な労組を巻き込んだ社内抗争に明け暮れて経営危機に陥っていた日産自動車を、ルノーが1999年3月に第三者割当増資で13.64億を1株=400円で、2002年3月にワラント行使で5.4億株を同じく1株=400円で、合計20.04億株(44.4%)を8016億円で取得して傘下に入れ、ゴーンCEOら役員を派遣しました。

 直近のルノーの持ち株は19.62億株(43.4%)と減少しています。これは2010年4月にルノー・日産連合とダイムラーAGがそれぞれ発行済み株数の3.1%を保有する資本提携で、ルノーが保有する日産自動車株の1部をダイムラーAG株と交換したからですが、コスト計算が複雑になるため以下では無視します。

 ただ2002年3月のワラント行使に際して日産自動車もルノーに2470億円を出資し、15%の株主となったのですが議決権はなく、当然に役員の派遣もありませんでした。ワラント行使で払い込まれた2159億円から2470億円を「タダ」で返したことになります。それにワラント行使時点では日産自動車の株価が900円台まで回復していたのに対し、日産自動車の取得したルノーの株価は「時価」だったことなど、釈然としないことが多いのですが一応はルールの範囲内です。

 本日(4月16日)日産自動車の株価は911円なので、円ベースではルノーの投資した8016億円は2.23倍の1兆7874億円になっていますが、これも一応はリスクを取った結果なので考えないことにします。ちなみにユーロベースの投資金額は66億ユーロで、本日は1.91倍の126.3億ユーロとなっています。

 しかしルノーが投資開始以降、日産自動車から受けとった配当総額は(2014年3月期の予定配当1株=30円も入れて)概算で5140億円になります。それにルノーへ出資させた2470億円を加えると合計7610億円を受け取っており、投資金額の8016億円は「ほとんど回収済み」となりますが、これも文句がいえる筋合いではありません。

 それでは冒頭で書いた「ルノーに食い荒らされて体力がなくなっている」とは、どういう意味なのでしょう? それは目先の決算(配当)とバランスシートのスリム化を重視するあまり、必要な資産まで切り売りして将来のための投資を怠ってきたツケが出てきていることです。例えば中国では、ホンダや韓国の起亜自動車とも合弁している東風汽車集団と合弁してお茶を濁すだけで、本格的な投資で生産拠点化するつもりは全くありません。

 逆に明らかにルノーが投資すべきロシアではアフトバスを傘下に入れるものの、全く恩恵を受けない日産自動車に7億5000万ドルも負担させ、肝心のルノーは3億ドル負担するだけです。同じようにルノーが投資すべきモロッコのタンジール工場も、わざわざルノー・日産自動車の共同投資にしてしまっています。

 これはある意味では当然ですが、ゴーンCEOにとってルノーは「今後のステップのために重要」であり、日産自動車は「搾れるだけ搾りとり、不必要なものまで負担させる」対象でしかありません。

 その結果、日産自動車は昨年11月に2014年3月期の営業収益を1000億円減の6000億円、純利益を650億円減の3550億円と大幅下方修正に追い込まれ、円安で潤う自動車会社の中で「1人負け」となりました。

 ゴーンCEOは、すかさず名目No2の志賀COOと実質No2のドッジ副社長を閑職に追いやり、新たに3名の副社長(日本人は1名だけ)にCOO職を分担させると発表し、自らの責任には全く触れませんでした。そのゴーンCEOは日産自動車に出社するのは月3日ほどだそうですが、10億円ともいわれる報酬は日産自動車に負担させています。

 そのゴーンCEOは、いよいよ「仕上げ」に取りかかりました。もっともっと「恐ろしいこと」が始まっています。

 続きます。

http://yamikabu.blog136.fc2.com/blog-entry-1092.html
2014年04月18日

日産自動車の命運 その2


 昨日は、日産自動車が「ルノーに食い荒らされて体力がなくなっている」段階から「ルノーに丸ごと食い尽くされてしまう」段階に移りつつあると書きました。

 そこで「食い尽くす主体」がルノーなのかゴーンCEOなのか?とのコメントをいただきました。以下のように書くとわかりやすいと思います。

 ゴーンCEOはレバノン系ブラジル人で、フランスでは理系のエリート養成大学・エコール・ポリテクニークを卒業しているものの決して特権階級ではなく、2005年に就任したルノーCEOとして十分な実績をあげないと「その将来」がありません。日産自動車を立派な会社にしても何の実績にもなりません。

 ところがルノーの2013年通期の純利益は前年比66%減の5.86億ユーロ(826億円)しかなく、連結対象の日産自動車は決算期が違うので仮に2014年3月期の予想純利益3550億円を使うとルノーの持ち分(43.4%)利益は1540億円にもなるため、ルノー単体では大赤字だったことになります。

 日産自動車の時価総額(4月16日)は4.08兆円なのでルノーの保有分は1.77兆円です。これに対してルノーの時価総額は216億ユーロ(3.05兆円)ですが、そこには日産自動車株の資産価値だけではなく「日産自動車から受け取り続ける各種メリットの現在価値」が含まれているはずで、ルノー単体の価値は大変に少ないことになります。

 このままではフランスにおけるゴーンCEOの将来はおぼつかないことになります。フランス政府はルノーの15%の株主ですが、この比率以上の発言力があるはずです。また昨年ゴーンCEOはルノーのNo2だったタバレスCOOを「自分の地位を狙っている」と解任しており、タバレス氏はライバル会社のプジョーCEOに就任しています。

 つまりゴーン・ルノーCEOは、自分がCEOを兼ねる日産自動車に「ますます」依存して「ますます」搾り取る必要が出てきています。とりあえずは本年1月31日にルノーと日産自動車は両社工場の一体運営などを柱とした統合強化策を検討すると発表しており、「生産・物流」「研究・開発」「人事」「購買」の幹部を相互活用するようですが、これを対等な一体運営と考えてはなりません。

 いよいよルノーが日産自動車を「丸ごと食い尽くし」はじめたのです。相互活用する部門をみれば、例えば日産の生産ラインを使ってルノー車を組み建てるとか、日産の研究・開発コストでルノー車の研究・開発を行うとか、日産自動車に購入させた部品をルノーが格安で使うとか、「やりたい放題」ができることになります。

 日産自動車にもう少し「まともな」日本人幹部社員がいれば、もっと危機感が出るはずですが、ゴーンCEOやルノーから派遣された役員や幹部の「顔色を伺う」だけのようです。

 ゴーンCEOにしても、日本国内だけではなくフランスを除く世界各国では、ルノーよりも日産自動車の方がまだまだ「ブランド価値」「生産・開発能力」「収益力」が優れていることがわかっているため、日産自動車を「ルノー日本法人」にするつもりはありません。もちろん時価総額が小さく資金のないルノーが日産自動車を完全子会社にすることは、もっとありません。

 つまりこのままの状態で、日産自動車を「食い尽くす」ことになります。

 一部の評論家は「ルノーは保有する日産自動車株の持ち株比率を引き下げて、その売却収入で経営の立て直しをする」と大変に平和的な予想をしています。確かに拒否権が残る33.4%近くまで日産自動車株を売却する可能性はありますが、日産自動車を「食い尽くす」ことは止めるはずがありません。

 繰り返しですが、ルノーCEOとしての実績に「将来がかかっている」ゴーンCEOにとって、確実な方法は日産自動車を「食い尽くす」ことしかないからです。

 またこの「搾取」を止める方法はないのか?とのコメントもいただいていますが、残念ながら「全く」ありません。それが「資本の論理」であり、もう日産自動車は諦めるしかありません。

 逆にソフトバンクやサントリーや武田薬品などが「日本で儲けた収益」を惜しげもなく海外企業の巨額買収につぎ込んでいますが、果たして「日本に還元」されることがあるのか?と考えてしまいます。そのような意味ではルノーやゴーンCEOの「とんでもなさ」は見習うべきなのかもしれません。  

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コメント
 
01. ひでしゃん 2014年4月18日 20:39:36 : dsqbUTCLpgzpY : xJTMMWm4xY
日産とソニー同じような経過をたどっているように思えます
両者のの運命が外人経営者によって蹂躙されたのでしょう
外人経営者を送り込んだ資本家が資本の論理で株主利益を最大化するのは当然であります
日産自動車については青春時代の淡い思い出が蘇る
スカイライン2000GTのコマーシャルソングに乗せて若者の夢を掻きたてた時代があったのだ
今日産車から感動が得られるか?

02. 2014年4月18日 22:46:01 : S2UNHcosi6
オーストラリアですが、こちらの自動車販売に異変が起きています。日産自動車の販売台数が大打撃を受けており、とにかく売れない状況に陥っています。下の数字をご覧ください。

新車販売台数 日産自動車
2013年2月 8,212台
2014年2月 4,458台 前年同月比 -45.7%

出所: Federal Chamber of Automotive Industries (FCAI)

●2014年3月は大幅値引きで昨年同月比-28.5%に改善したようですが、それでも大幅減少傾向は全く変わっていません。市民の声を聞いてみても、日産自動車なんて選択候補に全く入っていないと言っています。完全に見捨てられたブランドになりつつあると言うことです。

ルノーにしても、オーストラリアやニュージーランドでは、ほとんど見ません。当方の乗っているシトロエンも販売台数は少ないですが、熱心なファンがいます。(オーストラリア各州に愛好家クラブがある。)

ゴーンは南朝鮮のルノー・サムスン自動車で巨額の欠損を出しているから、その分を取り返そうと、ますます日産自動車から搾取を強化していますね。それで魅力的な新型車が出ない。これとは逆に売れまくっているのがマツダです。とにかく大人気。オーストラリアのベストセラーはトヨタ・カローラですが、これは日本国内仕様とは全くの別物。(幅が1,760mmもある。)第二位はマツダ3です。(アクセラですね。)

マツダを買うべし!


03. 増税反対 2014年4月19日 00:27:10 : ehcoR2LmdzYII : ScYqcWbqvA
今日産車から感動が得られるか?〜〜〜〜

 日産に限らずトヨタやホンダ車からも感動が得られることは有りません。

余りにも時代遅れのデザインの車ばかりなので、買って数年で古臭く見えて

しまうのです。欧州勢のデザインには全く追いつけていないのが現状ですね。

 http://www.renault.jp/car_lineup/lutecia/

 http://www.mini.jp/mini_new/index.html

http://www.volkswagen.co.jp/ja/models/thebeetle/gallery.html#/flash=63d4d075c57cdc6027ea001c6b25ac2f@mediaLists_medialist_4_mediaItems_medialist_mediaitem_0

 全国産車を引っ張り出してきても、とても太刀打ちできません・・・ 

特にトヨタのスピンドルグリルは反吐が出そうです。


04. 2014年4月19日 05:18:39 : bfiJIUelwU
デザインとはなんだろう。外面化か?

そうではない。運転席で運転者が感じる視線が優先されるデザインが本質だ。

誰も棺桶のような運転席に座りたからないだろう。

日産の車はひどすぎる。


05. 2014年4月19日 14:12:00 : Wr5cvCffrE
ユダヤ仕込みのゼニゲバ野郎でしょ、ゴーンなんて
クビ切り、工場閉鎖など、一時的に利益は出ても長くは続かない。
マトモな社員は愛社精神をなくし、ヤル気をなくし、辞めてしまったり、残ってもいい仕事などしない。性格が悪かったり、無能なヤツが、出世したり残るわけだが、そんな連中ばかりだから、疑心暗鬼になったり、足の引っ張り合いをして、組織が崩壊するのである。
それは国も同じこと
ソ連・アメリカ・EU・・・惨憺たるものだ。

ユダヤの作るものにロクなものはない。
NWOなんか100万年かかってもムリ、世界の富を全部奪ってもムリである。
連中はバカだから、それに気付かない。気付いているのかもしれんが、やめようとしない。
いずれにしろ、バカである。


06. 2014年4月19日 22:57:13 : E27BOEkLtY
>そうではない。運転席で運転者が感じる視線が優先されるデザインが本質だ。

昔のラルゴなんて、そのセンじゃなかったか?w

全てが運転者優先のミニバンなんて、後にも先にもラルゴだけだ

なんであの路線をやめちゃったんだろな、日産はw

ま、ルノーが入る前の設計と生産、販売車両なのだが(ルノー関与と同時に消えた車)


07. 2014年4月20日 09:58:53 : 5aI56T6iSI
自動車メーカーの談合体制は諸悪の根源、日本経済をダメにしている
これに気付きましょう
http://6202.teacup.com/13723/bbs


08. 2014年4月20日 14:17:24 : 4PYXx4QmCY
徳大寺有恒(自動車評論家)が日産の経営危機の時に、この会社の上層部には本当の車好きがいるのか疑問を呈していた。

04年にカルロス・ゴーンが日本国内で自分の運転する自動車が、事故を起こした時に乗っていた車が「ポルシェ」だったので、当時のヤフコメ欄が炎上してた。

元をたどれば、日本の純国産車1号を完成させた会社なんだけどな。


09. 2014年4月21日 23:02:23 : PzlJ2OLW4U
02ですが、日産自動車のオーストラリアのサイトを紹介します。

http://www.nissan.com.au/

●日産自動車80周年記念大安売りです。

http://www.nissan.com.au/~/media/Images/Offers/Banners/2014-April/NIN0814_RetailApril_1280x432_Generic.ashx
●過去の栄光にすがりついているように見えるが。

http://www.nissan.com.au/~/media/Images/Offers/Banners/2014-April/NIN0814_RetailApril_1280x432_Leaf.ashx
また出ました。日産リーフ大安売り。この電気自動車だが、日産がルノーのために開発したらしい。ルノーが日産自動車の開発した電気自動車の技術をただで使うのが目的。あまりにうれないので、ゴーンが焦っています。

http://www.nissan.com.au/~/media/Images/Offers/Banners/2014-April/NIN0814_RRetailApril_1280x432_Patrol.ashx
●日産パトロールは、こちらでは販売されていますが、やはりトヨタのランドクルーザーの方が圧倒的人気ですね。

http://www.nissan-global.com/EN/HERITAGE/
●日産の歴史の紹介です。

http://www.nissan-global.com/EN/HERITAGE/index2.html
●代表的な車種の紹介です。

何だか、思い出の自動車メーカーになってしまったみたい。


10. 2014年4月22日 02:00:50 : JCKNwZzZk6

日本車のデザインは今の若者の顔を反映

自信喪失、線が細く力が無い

マツダもガキっぽい


11. 2014年4月22日 10:01:16 : SUTOowvFgA
日産がルノーに食いつぶされることは、予測されていた。
銀行同様に、、、、

自動車会社が一つ減るのは、良いことでは?
過当競争がなくなって、価格が上がることはデメリットなんですが、、、、


12. 2014年4月22日 10:07:30 : SUTOowvFgA
日本は世界最大の債権国家なのに、国民は豊かでない。

ここいらに原因があるのだ。
富を収奪されているのだ。
情けない国なんだ、日本は。

政治家も、経営者も毅然として働いていない。


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