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結審まで2カ月半、解決率84% 労働審判のイロハと現実
http://gendai.net/articles/view/life/149558
2014年4月17日 日刊ゲンダイ
労働審判の具体例/(C)日刊ゲンダイ
サービス残業や不当解雇など、ブラック企業をめぐるトラブルが増えている。たとえば、神奈川労働局管内で「是正」の指導を受けて支払われた12年のサービス残業代は約9億3000万円と、対前年度比5億8000万円アップ。指摘を逃れた未払いの残業代もあるだろうから、全国規模ではベラボーだ。
労基署も頼りにならないし、裁判で争っている余裕もない。そんなときの“駆け込み寺”が労働審判だ。ブラック企業アナリストの新田龍氏に聞いた。
「労働審判は、労使のいずれかが地裁に申し立てをして、労使間トラブルの解決を図る制度です。労働問題の専門家である『労働審判員』が労働者側と使用者側に1人ずつついて、それぞれの言い分を聞き、労働審判官(裁判官)が審判を下します。通常の裁判は結審まで1年以上かかるケースもありますが、労働審判は原則3回以内で結審するため、平均2カ月半で結果が出る。しかも、解決率が約84%と高い。短期間で結論が出るのが大きな魅力です」
■受け付け件数は右肩上がり
最高裁によると、受け付け件数は、10年度3375件、11年度3586件、12年度3719件と、右肩上がり。内容は、「不当解雇」「賃金・残業代の未払い」「不当配置転換」など(表参照)。長期不況とリストラ加速の風潮が数字に表れている。ちなみに、サービス残業や未払い賃金の請求権は時効2年、未払い退職金の請求は時効5年。時効前なら、退職後でも請求できる。
いかに有利な判決を引き出すかは、周到な証拠の準備のほか、意外にもプレゼン力が左右するという。
「労働審判は、書類に書かれた主張の裏づけや反論を口頭で行うため、言葉のやりとりが裁判に比べて格段に多く、プレゼン力がとても重要なのです。しかも、労働審判員は民間人。1回目の審判における心証で、ある程度の流れが決まる。初回までにどれだけきちんと準備できるかが勝負の分かれ目です」(新田氏)
申し立ては、一人でもできるが、8割は弁護士を立てて争う。手数料は請求額で異なり、たとえば200万円なら7500円。弁護士を立てたら、相談料や成功報酬などの弁護士費用が別途かかる。その分は“手取り”が減るが、ケチらない方がいい。
「労働審判の解決率というのは、提示された和解案による調停と、和解案を拒否した後に下された労働審判の確定判決を合わせた割合(約84%)です。残りの16%は、労働審判の判決に労使のどちらかが異議を申し立てたケースで、自動的に訴訟に移行します。裁判官は労働審判の判決を踏まえる傾向がある。最初からキッチリ“勝つ”ためにも、その後の裁判のことを考えても、弁護士に依頼するのが無難です」
どの弁護士に相談すればいいか分からないときは、各地の「法テラス」に相談するといい。
◆申立人/事案の種類/内容/結果
◇20代小売り/賃金未払い/3カ月分の未払い賃金と残業手当の請求/請求額91万円の3年分割払い
◇40代IT関係/解雇/事業整理を理由に解雇されたが、実際は指名解雇。解雇撤回を求める/解雇は撤回され、会社都合退職に。解決金200万円(5カ月分)
◇50代タクシー/更新拒否/70歳まで契約更新可能なのに、「組合員」を理由に更新拒否。解雇撤回と原職復帰を求める/解雇は撤回され、職場復帰。解決金50万円
◇40代広告/退職金/未払い退職金216万円の請求。支払い能力が乏しく、親会社も相手方に含める/解決金176万円。期日までに支払えば140万円に減額。うち40万円は親会社の支払い
◇60代製造/賃金未払い/退職日まで40日の有給休暇を取得したところ、「管理職」を理由に支払いを拒否。その請求/解決金140万円(ほぼ満額)
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