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従業員半減で不調倍増…おさえておきたいうつ病必須知識
http://gendai.net/articles/view/life/149536
2014年4月16日 日刊ゲンダイ
仕事でストレスゼロの人はほとんどいないだろう。「景気回復」といわれているが、それを実感できている人がどれくらいいるか…。だれが、いつうつ病を発症してもおかしくない時代。サラリーマンとして知っておくべきうつ病対策など、東京女子医大東医療センター精神科・山田和男教授に聞いた。
■同僚・部下のうつ病サインを見逃さない
山田教授があるメーカーの産業医から聞いた話だ。以前は心の不調に関する相談者数は月5〜10人だったのがリストラで社員数が半分に減ったら、月の相談者数は2倍に増えたそうだ。
「社員数が減り、1人当たりの仕事量が増えたのが原因です。残業ゼロでもうつ病になるリスクはありますが、残業時間が増えるとリスクがより高くなる傾向があります」
残業が増えると、睡眠時間が減る。興奮状態の時に働く交感神経から、リラックス状態の副交感神経への切り替えがうまくいかなくなり、自律神経の働きが悪くなる。すると、精神の疲労が蓄積され、うつ病を発症しやすくなる。
「同僚や部下のうつ病サインを見逃さないためのポイントとして、残業45時間以上をひとつの目安にし、『仕事のパフォーマンスが落ちた/ミスが多くなった』『明らかに食欲が落ちている』のどちらも見られるようなら、うつ病が疑われます」
最近は“典型的なうつ病(メランコリー型)”より、“一見では分かりにくいうつ病(非定型)”が増えているので、うつ病サインでよくいわれる「抑うつ気分」「意欲・気力の低下」「興味の喪失」などは周囲から分かりにくい。家族ではなく、会社の仲間ならなおさらだ。
「しかし、仕事のミスなどは目立ちますし、食の進み具合も比較的チェックしやすい。この2点があるようなら、会社に産業医、保健師、衛生管理者がいるなら彼らへ、いないなら心療内科医や精神科医への相談を勧めた方がいいでしょう」
■復職後のポイント
「休んでいた分を取り戻さなければ」とシャカリキになるのは厳禁。うつ病を再発しかねない。
山田教授が10年以上産業医を務めている製造業では、試行錯誤の末、復職後のうつ病再発を回避するためのプログラムを次のようにした。
「主治医が復職可能としても、“ならし勤務”をしてもらいます。最初の1カ月は午前中出社。うつ病は午前中の調子が悪いので、その時間帯に仕事ができるかを見ます」
この間、締め切りのある仕事は任せず、メールの整理などをしてもらう。
「土日祝日以外は1日も休まずに勤務できたら、次の1カ月は定時までの勤務。こちらは9割以上勤務できればOKです」
半日勤務、あるいは定時までの勤務が途中挫折したら、もう一度イチから始めてもいい。ただし、“ならし勤務”は最大3カ月。この間に半日勤務と定時までの勤務を1カ月ずつ続けられないなら、復職はまだ早い。
「半日勤務も、定時までの勤務も、『1カ月続ける』ことがポイント。うつ病から十分に回復していなければ、1週間は頑張れても、2週間目あたりから息切れがしてきます。無理して復職し、うつ病再発となれば、治りが悪くなります」
企業の体制で“ならし勤務”のようなことができなければ、クリニックなどで「復職プログラム(リワーク)」を設けているところがあるので、利用するのも手だ。ただし、内容は千差万別なので、きちんとリハビリになりそうなところを選ぶことが大切だ。
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