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株主優待の桐谷さん、なぜ推奨銘柄が軒並み下落?乱気流に突入した日本株式市場
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20140417-00010001-bjournal-bus_all
Business Journal 4月17日(木)2時45分配信
4月14日深夜、あの桐谷さんが久しぶりにテレビに登場した。桐谷さんとは、深夜番組『月曜から夜ふかし』(日本テレビ系/毎週月曜23:59〜放送)において、日常生活のほぼすべてを株主優待(企業が株主に自社の商品や優待券などを贈る制度)でまかなっている元プロ将棋棋士として紹介され、64歳とは思えない自転車の立ちコギで都内を疾走し、株主優待を次々と消化する必死な姿が人気を博し、一気にブレイクした桐谷広人氏のことだ。
最近は、株式投資を勧める特集記事などで、各マネー誌にひっぱりだこになっている。
今回は、特番『月曜から夜ふかしSP』での登場となった。
バラエティに登場する姿を見て、複雑な心境になった視聴者も多いかもしれない。当サイト記事『株主優待でブレイク中、桐谷さんが株を始めた"衝撃の"理由〜婚約破棄と将棋連盟との決別』で紹介したように、プロ将棋棋士時代に、桐谷さんは婚約者を2回も当時師匠だった米長邦雄氏(故人)に寝取られた過去(株式投資に目覚めるキッカケにもなったという)があり、2006年には、将棋連盟会長だった米長氏を徹底批判するインタビューが週刊誌に掲載されていたからだ。深すぎる過去を持つ桐谷さんは、たとえバラエティ番組だとしても、「笑う」という対象ではなくなりつつある。
さらに、株式投資をしている視聴者にとっては「笑えない」状況かもしれない。昨年までは、桐谷さんが番組内で紹介した銘柄は、放送翌日高騰するという現象まで生み出していたが、今年に入ってからは桐谷さんが推奨した銘柄がどうもパッとしない。そもそも、各マネー誌は今年1月からNISA(ニーサ/少額投資非課税制度)が導入されたということもあって、「株式投資初心者は株主優待を目当てに投資しよう」と、桐谷さんをフィーチャーした。NISAとは、年100万円まで上場株式、ETF(上場投資信託)、REIT(不動産投資信託)、公募株式投資信託などへの投資を対象に、その売却益や配当金・分配金が非課税となる制度だ。国民を「貯蓄から投資へ」誘導し、アベノミクスで上昇した株価を底支えしてもらおうという狙いがあった。
●塩漬け状態のNISA株
NISAで気をつけたいのは、購入した株価よりも株価が上がった場合に売り抜ければ、その利益には税金がかからないが、反対に株価が下がった状況で売った場合には、その損失を他の利益と相殺(損益通算)できない点だ(NISA口座ではない一般口座では損益通算ができる)。保有が可能な5年間、株価が上がるまで、保有し続けるしかない(塩漬け株)。
桐谷さんの推奨銘柄の多くが、この塩漬け株になっているのだ。例えば、「日経マネー」(日経BP/3月号)で紹介した下記5銘柄。
掲載時株価(以下同)677円だったカメラのキタムラは659円(4月11日終値 以下同)、2327円だった化粧品会社・シーボンは2171円。インテリア雑貨のパスポートは360円が304円に。745円だった出版社の昭文社は615円、鹿児島の学習塾・昴は354円が323円と、すべてが下落している。いくら優待目的で、権利確定月が3月の企業が多いとはいえ(権利確定月の翌月は株価が落ちやすい)、1月に買ったNISA初心者は売るに売れない状態になっている。
「ダイヤモンドZAi」(ダイヤモンド社/3月号)での推奨銘柄も同様だ。同誌では100銘柄を紹介しているが、上位6位までを以下にまとめてみると、
・スリープログループ…掲載時株価234円、発売直後297円まで上昇、4月11日終値225円
・コロワイド…掲載時株価1063円、発売直後1097円まで上昇、4月11日終値1012円
・山喜…掲載時株価203円、発売直後218円まで上昇、4月11日終値196円
・エム・エイチ・グループ…掲載時株価269円、発売直後280円まで上昇、4月11日終値269円
・健康コーポレーション…掲載時株価451円、4月11日終値448円
・イオン…掲載時株価1437円、4月11日終値1142円
このように、すべてが下落または現状維持なのだ。上昇するのは、ANAホールディングス(掲載時株価220円、4月11日終値221円)、ビックカメラ(掲載時株価585円、4月11日終値613円)になってやっとだ。
●日本株全体に売り気配
ただし、桐谷さんが今年に入って推奨した一部の銘柄も、株価はたしかにマネー誌発売直後は上昇している点に触れておきたい。
桐谷さんの予想が外れたというよりも、日本の株式市場全体が4月に入って、乱気流に巻き込まれているのは事実。アベノミクスで上り詰めた2013年、日経平均株価は年末1万6291.31円(年初来高値更新)で終え、「4月末までに1万8000円説」までも飛び出していたが、年が明けると1万6164.01円(1月6日)から乱高下を繰り返し、1万3960.05円(4月11日終値)と、いわば"急落"しているのだ。
下落要因としては、新興国経済不安、中国の景気指標悪化と金融システム不安、米国の景気指標悪化と量的緩和政策の動向、ウクライナ情勢が挙げられる。さらに4月からの消費増税は、これまで日本の株式市場に集まってきた海外投資家が「売り」の材料にしているのだ。
また、海外投資家にとっては、昨年の安倍政権は経済中心だったことを評価していたが、今年はタカ派色を強めており、政治の動向に警戒感を強めているという。
4月13日付日本経済新聞記事『米、ネット株が重荷 日本株、反転には時間』では、「国内の株式相場は不安定な値動きが続く可能性がある、米国株高と日銀の追加緩和期待という2つの下支え要因が薄れたことが大きい。当面の焦点は今月下旬に本格化する上場企業の決算発表。市場では慎重な会社予想が相次ぐことへの警戒感がくすぶっており、株価は上昇基調に転じにくいとの見方が目立つ」と分析する。
それでも、「ダイヤモンドZAi」(5月号)は桐谷さん推しで、『2014年度は桐谷さんと一緒に株に挑戦! 桐谷広人の株&株主優待格言カレンダー 4月スタート版』という特集を組むほどだ。
新年度のスタートとともに、その投資が塩漬け株に……ますます笑えない話ではないか。
松井克明/CFP
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