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パナソニックの復活は本物か?
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20140410-00012299-president-bus_all
プレジデント 4月10日(木)12時15分配信
■手放しで喜べない業績回復
「今年度の業績は期初目標を上回る見通しです。配当についても、中間期と合わせて13円の復配を見込んでおり、最低限の目標は達成できたと考えている」
パナソニックの津賀一宏社長は3月27日に行った事業方針説明会でこう胸を張った。その表情は1年前の説明会の時とは違い、時折笑みを浮かべるほどだった。
パナソニックは昨年度まで2期連続で7500億円超の最終赤字に苦しんだが、2013年度は売上高7兆4000億円、営業利益2700億円、最終利益1000億円と大きく改善する見込み。津賀社長の顔から笑みが出てくるのも自然かもしれない。
しかし、その内容は決して手放しで喜べる状況ではない。リストラと円安効果によって業績が立ち直ったわけで、主力の家電事業は縮小しているのだ。伸びているのは自動車関連事業や住宅関連事業で、言ってみれば“下請け”で稼いだのである。パナソニックらしい商品を開発・販売して業績を回復させたわけではないのだ。
大手電機メーカーの元経営者も「最近の日本の電機業界は自動車業界など他の産業におんぶにだっこで情けない」と話し、革新的な商品を開発し、新たな市場を築くことが少なくなったことを危惧している。
日本の家電が総崩れになった現在、業績を急速に回復させたパナソニックには、そうした革新的な商品を生み出して業界を引っ張っていく役目があり、同社が再び成長軌道に戻れるかはひとえにそこにかかっていると言っていいだろう。
■売上高10兆円へ3度目の挑戦
写真・図版:プレジデントオンライン
津賀社長は事業方針説明会の中で、2014年度を「成長戦略を仕込む重要な年」と位置づけ、創業100周年に当たる2018年度に売上高10兆円を目指す目標を掲げた。5年間で売上高を2兆6000億円、3割以上増やす計算だ。
その内訳は、家電事業が1.8兆円から2兆円、住宅関連事業が1.3兆円から2兆円、自動車関連事業が1.1兆円から2兆円、BtoBソリューション事業が1.8兆円から2.5兆円、そしてデバイス事業が1.4兆円から1.5兆円となっている。
実は同社にとって、売上高10兆円は因縁のある目標なのだ。というのも、09年度までの3カ年計画、12年度までの3カ年計画と過去2回10兆円の目標を掲げ、その都度はじき返されてきたからだ。これまでの最高だった売上高は06年度の9兆1081億円で、文字通り、今回が3回目の挑戦となる。
それだけに津賀社長も「今回はなんとしても達成したい」と話し、「これまで10兆円に届かなかった一つの理由は、伸びている事業と縮む事業を混在させて計画してきたことがあった。今回は何をやってはいけないかが見えている。それに世の中の成長に合わせたところにリソースをシフトしている」と、その実現に自信を見せる。
また、苦戦する家電事業についても、白物家電と家庭用AV機器の開発・販売体制を一元化。「さまざまな知恵を集めて事業を見直し、一元化したからこそできる商品を企画していく」と強調し、14年度から革新的な商品を次々投入していくという。
それらの商品がヒットして初めてパナソニックが復活したと言えるわけで、就任3年目を迎える津賀社長にとって、これからが経営手腕を問われる大事な局面だ。
山田清志(ジャーナリスト)=文 宇佐美雅浩=撮影
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