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消費税引き上げによって生じる経済的現象
いよいよ4月から消費税が5%から8%に跳ね上がることになりました。日本は、自ら国難を招くことになったのです。この3回目の消費税引き上げは、日本国民の富への夢を打ち砕き、貧窮の底に引きずり降ろすことになるでしょう。
経済学者や政治家、メディアを含めた評論家連中のステレオタイプの考え方が招いた危機です。まさしく日本の明治から続く教育の惨禍です。お手本を真似る事を重視し、未知なるものに対する挑戦をなおざりにしてきた結果です。
馬鹿げた経済政策の姓で、私達国民は、消費税増税のデフレスパイラルにこれから何年もさらされることになります。さらなる低所得化が長時間労働をもたらし、貧窮のどん底に陥るのです。
消費税引き上げによって、デフレの解消などありえません。税収が安定することなどあり得ません。年金が確保されることなどありません。
縮小している経済で年金を確保すればするほど、経済は不安定化し、消費税も引き上げればますます経済が縮小するなどは子供でも分かる事です。
日経新聞などもはや経済専門紙などではなく政府の宣伝機関か無知識集団です。彼らはこの消費税引き上げが失敗してもなんやかや言い訳を付け責任を取らないでしょう。
1997年の消費税を5%にしたことによりこの15年近く縮小経済から脱出できないでいる。それでもまだ原因が消費税増税ではないと言い張っており、それならデフレから脱出したかというとより深刻化している。
市場からお金を吸い上げて名目GDPが上がるわけがないのです。それ故税収は下がるのです。
デフレという事象が統計的に最もよく現れているのは、名目GDPの総額です。これによる国民一人辺りのGDPが世界から何番目かが国民の金詰まりを明らかにしています。
さらに景気の落ち込みを防ぐために5兆円の補正予算を組むなど無意味です。一時の対策に過ぎず、使い終われば5兆円の借金が残るだけです。
なぜ消費税引き上げはこういうことが起こすのか。
それは消費税引き上げは、取引毎にお金を市場から奪っていくからです。それは製造の縮小拡大に関係なくお金をむしり取っていくからです。生産能力はそのままで資金だけが減少するからです。
デフレスパイラルとは消費税引き上げによる市場からの資金減少により、購買力が減少し、生産能力に応じた生産量を十分に買うことができなくなり、不良在庫が生じ、市場が縮小循環に陥ることをいいます。
このデフレスパイラルは、消費税の引き上げによって市場から奪われた資金の量に生産能力に応じた生産額が一致するところまで続きます。
普通の経済循環の不景気は、需要と供給の差によって起こりますが、デフレスパイラルは、資金の大幅な一挙の減少によって起こります。それも需給や生産量とは無関係に起こります。
消費税引き上げとはそれを人為的に行うことです。バブル時にやればそれは景気過熱を抑制するものになり薬になります。デフレ時にやれば劇薬、毒薬に匹敵します。
供給量に関係なく資金が奪われることによって消費不足が顕著になり、値崩れ、不良在庫が生じ、企業経営が急速に悪化していきます。
最終的に減少した消費額に、生産額が一致するように、生産量と価格が調整されて一応の均衡が得られることになります。しかしこの均衡は不安定な均衡で常に下振れしやすいものです。。
このような状態を図示しましょう。
http://blog.so-net.ne.jp/siawaseninarou/ 消費税引き上げによって生じる経済現象参照。
図の45度線の所得線:Bが正常な経済市場の所得線です。これに対し、角度が45度以上がインフレ線:Aであり、45度以下がデフレのC:所得線です。
今回消費税を引き上げるとD線になります。
デフレか正常かの違いは、貯蓄より借金が多いか少ないかの違いであり、デフレは借金の方が多くなっています。それが角度の45度以下の低下を意味しています。
デフレの所得線の角度が45度以下なのは、生産量の割に所得が伸びないことを表しています。
また低価格品が市場を支配し、生産量が多くなっていることを表してもいます。
企業にとっては、生産コストがかかる割に儲けが少ない事を意味し、脆弱な経営体質にならざる負えません。わずかな衝撃で企業の瓦解が起こるのです。
現在デフレ下にあり、消費税引き上げは、そこからさらに資金を奪うことになります。
需要と供給の差から生じる景気縮小は、市場のお金の比率を変えませんが、
資金の一挙の引き上げが恐ろしいのは、生産に向かう資金の量と消費に向かう資金の量の比率が変わることです。角度の低下はデフレの深刻度を表しています。
デフレスパイラルの最中では、資金の減少に伴って、所得線の角度が低下しながら、生産量が減少していきます。
それ故、消費税引き上げ前と消費税引き上げ後とでは、企業の経営体質に大きな違いが生じます。
製造コストに比べ利益が少ない体質がさらに進みます。
いわゆる儲け難い状況です。そのため企業は体質改善を図るため、リストラ、人員削減を繰り返し、研究開発費を削り、利益を上げられる体質に変えようとします。
それがさらに失業者、生活保護所帯の増加となり悪循環が繰り返されます。
多くの企業が利益を上げられず、赤字を計上し、そして消費税は赤字企業からも、資金を吸い上げます。
企業淘汰の最たるものです。その企業の裏には借金と、労働者がへばり付いています。企業の淘汰に伴い社会に借金と失業者が増加します。
デフレ下では企業の新陳代謝が行われず、ただ企業が少なくなっていくだけです。デフレ下の消費税引き上げは企業淘汰を大幅に招来させるのです。
このようにデフレスパイラルは、資金の減少以上に大きく生産量を減少させるだけでなく、経営体質、日本の産業基盤の体質をも脆弱化させ、税収が上がらない体質になるのです。
個人の方から見ると:
個人個人は、所得からもろもろの国民負担分の上にさらに消費税の負担分が差し引かれることから、消費をさらにすくなくせざる負えません。
貯蓄のある層や、まだ所得に余裕のある層は、消費を落としませんが、この20年続くデフレのために、貯蓄が無い層や低所得層が増えています。その人たちが消費税引き上げ分を補うことができず、生活の質を落としたり、自己破産することになります。
デフレ下では、需要が減退するのではなく、買えないのです。買い控えではなく、買えないのです。
自分たちが働いて製造した生産物を満足に買えない状況に置かれるのです。それは所得からローンの返済、国民負担分、そこへ消費税の増税分が加わり、消費額が減るからです。
生産額より消費額が少なくなり不良在庫が生まれます。すなわち
所得=生産額=消費額 が成り立っていたとすると、
そこへ消費税が上がったため消費が少なくなります。
消費額=所得ー(国民負担+借金+消費税)
そうすると生産額全部買えませんので、在庫が残ります。
生産額=消費額+不良在庫
不良在庫分は借金であり、所得になりません。その分所得が減少します。
消費額+不良在庫=所得
不良在庫の発生分だけ所得が少なくなります。
この循環が繰り返し行われ、急速に経済が悪化します。
貯蓄の多い層や、デフレと関係の無い公務員層ではこのような循環が行われていませんが、デフレ下では低所得層が大幅に増大しており、貯蓄のできない所帯やローン返済の所帯が多いため、全体として、縮小循環に陥ります。
消費税引き上げは、企業は同じ物を作っているにもかかわらず、利益額の少ない、生産コスト増となり、企業は脆弱な経営体質にならざるおえないのです。
その結果が労働者の賃金低下により、生活水準維持のためより多く労働時間を増やさねばならなくなります。
低所得者が多く、貯蓄のできない階層は、生活を維持できなくなり、生活保護所帯になっていきます。
消費税引き上げは、生活保護所帯増加策と言えます。
低所得層増大政策といえるでしょう。
現在のように新興国が台頭した状況では、これからどんどん生産競争が激しくなっていくことでしょう。そんな状況で消費税が増税されれば、付加価値を十分に上げられないため、企業は、研究開発費や技術革新にお金と歳月をかけることができなくなり、ますます国際的に不利な状況に追い込まれることになるのです。。
それは日本の企業の多くが国内で生産活動を続けられなくなり、国内は失業者と生活保護所帯があふれ、低所得国家に落ちぶれることになります。
今回の消費税増税と、補正予算による経済対策は、急ブレーキをかけ、アクセルを思いっ切り踏んでいるようなものです。
公共投資重視の5兆円の補正予算などは、消費税増税という内需の縮小を行なっているため、乗数効果による波及効果など全く見込めません。乗数効果は拡大再生産している時にのみプラスの波及効果見込めるものです。
デフレの縮小循環の下では、単なる5兆円の公共投資がなされるだけであり、それによる経済成長が生じるわけではありません。単なる5兆円の借金が残されるだけです。
私達は現在、ものを生産するのは、お金を儲けるためです。しかしその分を先に政府が奪ってしまったのではどうしようもありません。資金が少なくなった市場からどうやって企業は付加価値を増やせるでしょうか。
消費税以外の税はすべて減収になるのです。又消費税も取引が少なくなれば当然減少します。
日本の破綻がいよいよ近づいてきました。一刻も速く正しいデフレ解消策を取らなければなりません。
それは消費税を再び引き下げることを含めた、消費者優遇策です。
この2、3年の対応で大勢が決まるでしょう。私達は一刻も速く経済政策を変えるよう努力しなければなりません。
ステレオタイプ、同じこと何度も唱え、何度も同じこと繰り返す、専門家、政治家、官僚、メディヤ、すべて取り替えねばなりません。
笑止なのは、消費税増税の落ち込みが2、3カ月続くが夏場以降回復すると言うような論調です。1997年の消費税引き上げの影響がいまだに続いているにもかかわらずです。
どんな分析をしているのでしょうか。
デフレ循環は時間が経つ毎に深まり縮小していきます。秋以降の落ち込みが心配なのです。
一言主。http://blog.so-net.ne.jp/siawaseninarou/
http://www.eonet.ne.jp/~hitokotonusi/
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