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グローバル化が国家と国民の内部分裂を生み出し始めている
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2014年4月7日 Darkness - ダークネス
2013年11月26日、ローマ法王がカトリック教会の今後の活動において、貧しい人たちを積極支援べきだという要旨を盛り込んだ「ミッション・マニフェスト」を発表したという。
現在、世界中で貧困に苦しむ人々が増えているが、ローマ法王はその原因として、現在の経済システムが不平等で貧困者を量産するものであると指摘した。
そして、この不公正な経済システムは座視することができず、カトリック教会はこういったシステムが生み出した弱者を守るために教会という保護された場所から出て街頭に出なければならないと説いた。
これについて、ウォールストリート・ジャーナル紙は「異例に露骨な言葉」を使いながら「グローバル資本主義への攻撃」を呼びかけていると表現した。
ウォールストリート・ジャーナル紙は経済紙だが、ローマ法王が問題提起している「グローバル資本主義が貧困者を生み出している」「グローバル資本主義は、自らの法と規則を一方的に容赦なく押しつける」という内容が、事実なのかどうかの検証はしていない。
投機屋が大儲け、国民はリストラの嵐
グローバル経済は正しいものなのか。人々がグローバル経済に不満を持つようになったのは、2008年9月15日のリーマン・ショックからだった。
金融市場が吹き飛び、世界中の政府が瓦解していく銀行を「国民の税金」を使って救い出すようになってから、世界中の人々はグローバル経済に疑問を持つようになっていった。
金融関係者は、高額のボーナスや年俸をもらってギャンブルをしていた。そして、成功したら儲けは自分たちの懐にねじ込んで、失敗したら政府に尻ぬぐいさせた。
政府は、その強欲な資本主義のギャンブラーどもを助けて、国民には痛みを強いただけだった。
その後、政府の金融緩和で、金融市場はいち早く復活して、またもや投機屋が大儲けするようになったが、実体経済はまったく回復せず、多くの国民はリストラの嵐に巻き込まれていった。
その結果、ノルウェーで反移民の大虐殺テロが起きたり、イギリスで貧困層の暴動が起きたり、アメリカで反格差デモが起きるような事態になっていった。
韓国ではFTA反対デモ、日本でもTPP反対デモが起きている。フランスでは反移民を標榜する政党である国民戦線が支持を伸ばしている。
2014年4月6日に行われたハンガリーの選挙でも、極右政党である「ヨッビク」が支持基盤を増やしている。
そのひとつひとつを見ていれば、それぞれの国のばらばらに起きた事象のように見える。しかし、この事件は実はすべてひとつのキーワードで結びついている。
それが、「グローバル経済への疑問」だ。グローバル化は、本当に正しいのかと、人々は自問自答しているのである。
TPPはグローバル経済を日本国内で加速する
今、世界で起きていること、そしてこれから起きることは、ただひとつの言葉で集約できる。それは「内部分裂」である。
政府は常にグローバル化を推進する。国民は常に痛みを強いられるので反発する。だから、今後の世界では「内部分裂」が深刻化する。
日本で起きていたTPP反対運動は、何に反対していたのか。それは、グローバル経済の推進の反対だった。TPPはグローバル経済を日本国内で加速する。
そのことによって、日本が日本でなくなってしまうことを、人々は懸念しているのである。
そして、アメリカだ。グローバル経済が推し進められた結果、アメリカでは貧富の差が非常に激しいものになっていった。
2013年9月11日、AP通信は、「上位1%の最富裕層の収入が2012年、国民全体の19%を超した」と報じている。極端な格差がじわじわと進んでいるのである。
アメリカ人たちは統計など出されなくても、リーマン・ショック以降、何が起きているのか知っていた。格差が広がっていたのだ。だから、グローバル経済を推し進める政府に対して、アメリカの国民は反対している。
世界各国で次々と起きている事件は、バラバラな事象ではなかい。グローバル経済への抵抗に集約されているのである。
グローバル経済は、明確につまずいている。
だから、この問題はこれからも数々の「重大事件」を引き起こしていく。分かりやすく言えば、反グローバリズムの勢いが加速していく。
イギリスで起きた2011年の貧困者による略奪、暴動、放火。
グローバル化のひずみは、今後はもっと激しいものになっていく。
国の内部は「分裂」していくことになる
ヨーロッパは多文化主義を目指して移民を莫大に受け入れてきたが、それに対する巻き返しが目立つようになってきている。
移民排斥、移民差別、移民憎悪、移民対立。そういったものが激しく、しかし確実に広がって行く。
もちろん、これは移民をどんどん入れて自国を多民族化し、自国経済を完全にグローバル化させるという国家や企業の動きと対立するものだ。
つまり、国の内部は「分裂」していくことになる。国家と国民が分離し、内部で対立する。
現在、台湾で中国とのサービス貿易協定に反対する国民の一部が国会占拠を行っており、政府と明確に対立しているが、世界中でこのような動きが先鋭化していく。
グローバル化によって利益を得る既得権益者と、そこから漏れた膨大な数の人たちとの骨肉の争いが、国家内の内部分裂を生み出すのである。
グローバル化によって利益を得る既得権益者とは、経営者であり、株主であり、経団連のメンバーだ。そして、一部の政治家、マスコミがそれに続く。
彼らはグローバル化を推進し、それによって利益を得る立場にある。逆に国民はグローバル化によって職を失い、収入が減り、虐げられる側に追い立てられる。
グローバル化が加速すると、コスト削減のために仕事はどんどん途上国に移っていく。そうすると先進国ではリストラが増えて、小さくなったパイに群がって人々が争う。
仕事も、食糧も、地位も、チャンスも、あらゆるものが足りなくなっていく。場合によっては、他人と生存権を賭けて争うことになる。移民と先住民との争いも激化する。
最後には暴力の矛先がグローバル化で利益を得ている既得権益者に向かうのは、当然のことだ。既得権益者と国民が割れて、互いに相手を叩き落すために激しい活動を行うようになる。
何かしらの暴力が起きるのは時間の問題だ。いったん暴力が巻き起こったら、いずれ既得権益者の誰かが血を流すことになるだろう。
台湾で国会を占拠する人々。このような事件はこれからも起きる。
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