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米当局の為替発言、円安けん制の思惑か波紋呼ぶ[ロイター]
2014年 04月 7日 11:42 JST
[東京 7日 ロイター] -為替に関連した米政府高官の発言に、何らかの意図があるのかどうか波紋を呼んでいる。足元では海外投資家の中に、アベノミクスの成長戦略に対する不満が溜まってきており、もし、米政権の中に円安けん制が芽生えているなら、注目材料になる。日銀の異次元緩和が始まった1年前の4月とは、日本を見つめる海外当局や投資家の視線に温度差がある。
米通商代表部(USTR)のフロマン代表は3日(米現地時間)の米議会での公聴会において、為替操作に対するオバマ政権の見解を問われ、為替は「政権にとって重要度の高い課題」と強調した。「全貿易相手国に対して、市場で形成される為替レートをより重視するよう求めていく」と述べた。
日本を名指ししていないものの、環太平洋経済連携協定(TPP)への質問に対し、交渉の妥結に不可欠なのは「日本の決断」だとして、あらためて日本側の譲歩を迫った直後の発言でもあった。
ルー米財務長官は今年1月、日本について「為替に過度に依存すれば長期的な成長はない」とし、日本の為替政策を「注視し続ける」と述べていた。その発言をめぐっては「ドル/円で105円以上の円安を米国は望んでいない」(国際金融筋)との思惑も出ている。
昨年4月から始まった日銀の異次元緩和は、デフレ脱却が目的であり、円安をターゲットにした政策ではないと黒田東彦総裁らが、繰り返し説明してきた。
リーマンショック後の経済大変動に対し、米連邦準備理事会(FRB)が一連の量的緩和政策(QE)で対応してきたこともあり、政府・日銀は異次元緩和の反射的な効果としての円安は、何ら批判されないとの認識で一致している。
しかし、異次元緩和の結果として円安となり、それが企業業績を好転させ、株価が上昇してきたというメカニズムが働いていたのも事実で「海外では、構造改革を断行するための麻酔ならば仕方がないと理解されてきた。構造改革の具体的な成果が遅れるにつれ、厳しい見方が出てきた」(別の国際金融筋)との指摘もある。
国際金融界に知人の多い国際協力銀行(JBIC)の渡辺博史総裁(元財務官)は今月3日、記者団との懇談会で、日銀が追加緩和に踏み切る可能性は「株式市場崩壊など、よほどのことがないとない」と予想。同時に米国が進める緩和縮小とは正反対の緩和強化に対し「なかなか支持しないだろう」との見解を示した。
また、イングランド銀の元金融政策委員で、ピーターソン国際経済研究所所長を務めるアダム・ポーゼン氏も3月11日のロイターとのインタビューで「現段階では日銀の緩和措置は十分と考えられ、今の政策を続ければ経済・物価状況の好転が続くだろう」と述べていた。
このところ日銀は、黒田総裁が3月に入り「完全雇用に近い」とたびたび言及するなど、労働市場のひっ迫により、物価が順調に上昇する可能性が高まっているとの認識をにじませている。その背後には、2%の物価目標達成への自信も見え隠れする。
政府・与党関係者の間でも「今以上の円安は、原材料価格の上昇など負の側面が大きい」との声も出始めた。
マーケットでは依然として日銀の早期緩和に対する期待感が、一部の海外勢を中心に根強く存在しているが、政府・日銀を取り巻くムードとかい離が生じている。
(竹本能文 編集:田巻一彦)
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[スクランブル]安倍相場 冷める海外勢 実力見極め割安銘柄物色
2月以降、1万4000円台でもみ合う展開が続く日経平均株価。海外投資家の日本株買いは勢いを失い、市場では「アベノミクス相場は終わった」との声が増えている。ただ、海外勢の売買をつぶさに見ると、割安感のある優良株に着実に投資する動きも広がっている。十把ひとからげの日本株買いから、個別銘柄の真の実力を見極める相場に移ってきた。
31日の東京市場では円安・ドル高を好感した買いが主力株に入り、日経平均株価は4日続伸した。国内の機関投資家が運用成績の改善を狙った年度末特有の「お化粧買い」も株価を押し上げたようだ。
今週は米雇用統計など重要指標の発表を控える。東証1部の売買代金はかろうじて2兆円に乗せたが、取引時間中は景気動向を見極めたい投資家の様子見気分の強さを感じさせた。
円を売って日本株を買う「アベ・トレード」は年明け以降、すっかり鳴りを潜めている。円安の原動力だった日銀の追加緩和期待が後退し、円安に賭ける運用は手掛けにくい。
海外マネーも日本株から離れ始めた。米調査会社EPFRグローバルが28日発表した世界の日本株ファンドの資金流出入では、3月は25日までに900億円強が流出。月間での流出はアベノミクス相場では初だ。
とはいえ、海外勢が日本株に総悲観論を唱えているわけではない。相場全体を押し上げる材料は当面見当たらない中で、優良銘柄を個別に物色する動きが静かに広がっている。
31日の東京市場で昨年来高値を更新したのは87銘柄。5%高と急伸したシマノのほか長府製作所、養命酒製造、ナガイレーベン、アズワン。これらの高値更新銘柄をごっそり保有する米ファンドがある。
ニューヨーク拠点のファースト・イーグル・インベストメント・マネジメントがそれで、割安株に10年以上にわたって投資する長期投資家で知られる。中東の政府系ファンドや英米年金のマネーを運用し、市場への影響力が大きい。
ファースト社は日本株全体には慎重姿勢に転じている。世界株に分散投資するファンドでの日本株の比重を10年の20%から足元は14%に落とした。一方で今年に入り、HOYA株を買い増すなどした。シニア・アナリストのマシュー・ランフィエ氏は「一般論として、株価が2倍になった銘柄は利益も2倍にならなければ割安感は薄れる」と解説する。利益と株価水準のバランスを重視し、割安な銘柄に投資を絞っている。
米シカゴに拠点を置くRMBキャピタルは、4000億円の運用資産のうち日本株の比重を増やす方針。昨年9月には日本人ファンドマネジャーの細水政和氏を採用し中小型株の運用に乗り出した。2億円で始まったファンドは富裕層の資金を集め、20億円に成長。今年は100億円への拡大が見えてきた。「日本市場には埋もれた銘柄が多い」(細水氏)という。
米EPFRの調査によると、小泉純一郎首相(当時)の郵政相場の時は03年半ばから資金流入が加速し、06年前半までに日本株ファンドの規模は2.5倍になった。今回はアベノミクス相場直前の12年10月に比べ4割ほどしか増えていない。「長期投資家はまだ買い余力がある」(UBS証券の大川智宏エクイティ・ストラテジスト)。資金を呼び込むにはマクロ政策だけでなく、企業自身の努力も問われる。
(松崎雄典)
[日経新聞4月2日朝刊P.18]
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