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消費増税、次は20%?なぜ生活はいつまでも苦しい?隠れ増税、重税国家化進行の実態
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20140404-00010004-bjournal-bus_all
Business Journal 4月4日(金)6時47分配信
4月から税率が8%にアップした消費税。2015年10月には、さらに引き上げられ10%となる予定だ。実際に再増税するかどうかは7〜9月の国内総生産(GDP)を見て判断されるが、国民生活への影響は、みずほ総合研究所の試算によると、「年収500万円以上600万円未満」の世帯では、8%への引き上げで年に約8万8000円、10%の場合では約14万6000円負担が増えるという。
しかし、それだけでは終わらない。消費税率は10%では済まないのだ。『税務署が隠したい増税の正体』(山田順/文春新書)によれば、アメリカの意向が強く反映されるといわれる世界金融安定化機関・IMF(国際通貨基金)は、政府債務残高が膨らみ続ける日本に財政再建を求め、「日本の消費税は15%まで引き上げろと勧告して」いるという。
また、日本経団連も、08年10月に『税・財政・社会保障制度の一体改革に関する提言』をとりまとめた際、「25年度までに17%」という目標を打ち出している。
6年後の20年には東京オリンピックが開催されるが、団塊の世代が70代に突入し、医療費も介護保険料も激増する。このため、政府与党内では、消費税率を20年までに15〜20%にまで引き上げる必要があるという意見もある。
「消費税率を欧州諸国と同じく20%まで上げるとすると、年収300万円以下の若年世代で年約40万円、年収500万円の中年サラリーマン世代で年約60万円の負担増になるという試算がある。これでは生活が崩壊してしまい、オリンピックを観戦する余裕すらなくなるだろう」(同書より)
●消費税以外も増税、"重税国家"に
さらに、昨夏まで官邸内に設置されていた社会保障制度改革国民会議では、安倍晋三首相のブレーンとして知られる民間委員の伊藤元重・東京大学教授が社会保障費の財源として「死亡消費税」を提唱したという。
「これは恐るべき税金で、消費税という以上、国民全員にかかる。人が死んだときに払う税金に相続税があるが、(略)主に富裕層から取り立てる税金だ。しかし、死亡消費税は『死亡+消費税』というネーミングからわかるように国民全員にかかり、死ぬときに財産から一定の税率を"社会保障精算税"として国に納めさせるというものだ」(同)
現在、国民が保有している個人金融資産は約1571兆円(13年3月末現在)。このうちの1000兆円近くは、団塊の世代をはじめとする65歳以上の高齢者が保有している。
「そこで死亡消費税の税率を5%とすれば50兆円、10%とすれば、政府には100兆円のお金が自動的に入ってくることになる」(同)
「死亡消費税」が現実化しなくても、相続税は15年1月1日より、基礎控除が縮小され(「5000万円+<1000万円×法定相続人の数>」→「3000万円+<600万円×法定相続人の数>」)、最高税率が引き上げられる(課税標準3億円超50%→同6億円超55%)。都心部では4人に1人が納税者になるという。
それだけではない。13年1月から25年間、復興特別所得税として所得税が2.1%上乗せされている上に、さらに今年6月からは10年間、復興特別住民税として1人当たり1000円が住民税に上乗せされる。年金・健康保険料のアップや、各種控除の廃止・縮小も着々と実施されていく。
「ここのところ、いくら給料をもらっても、なぜか生活が苦しい」という実感を持つ人も多いだろう。日本のサラリーマンの場合、所得税の源泉徴収や年末調整のシステムによって、税金の存在が見えにくくなっているが、「隠れ増税」というかたちで、日本が重税国家化しており、家計への負担が増しているためだ。
●マイナンバー制度導入で、個人資産に直接課税?
16年1月からは、マイナンバー制度が導入される。
マイナンバー制度は「国民一人ひとりに12桁の番号(企業は13桁)を割り当てて、氏名や住所、生年月日、所得、税金、年金などの個人情報を、その番号で一元管理する」というものだ。
これが導入されると、これまで、国や地方自治体がばらばらに管理してきたために煩雑になっていた手続きが簡素化され、年金記録の記載漏れなどのミスや、生活保護費の不正受給も防ぐことができ、社会的な不公平も是正されるという名目で国会でもすんなり成立したが、財務省・国税の狙いは別のところにある。
すでに、国税庁はKSKシステム(国税総合管理システム)という、納税者の売り上げ、借入金、金融取引などの情報を管理するシステムをもっているが、マイナンバー制度が開始されると、全国民の金の流れを一元管理できるようになる。それどころか、将来的には「これまでできなかった預貯金の残高、支払い利子などにマイナンバーをひも付ける。そうすれば資産状況がわかる」ようになるのだ。
実は、財務省では以前から個人の資産に直接課税する「資産課税」を検討している。「資産課税」を導入するために必要な、徹底して捕捉できるシステムが、KSKシステムにマイナンバー制度を併用することで完成するのだ。
資産が把握できれば、脱税どころか節税の手法も国税庁に筒抜けになる。国のつくった莫大な借金を増税というかたちで納税者に転嫁し、納税者からは死ぬまで徹底的に税金を搾り取る国税庁の納税者監視システムになるのだ。
これから加速する重税国家化に備えて賢く生きるためには、税の知識も必要になってきそうだ。
和田実
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