05. 2014年4月03日 16:24:24
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焦点:中国経済の崩壊はいよいよ今年か 勢いづく万年弱気派 http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPTYEA3205V20140403 2014年 04月 3日 14:56 JST [シンガポール 3日 ロイター] -中国経済に対する弱気論者は10年以上も前から不動産バブルの崩壊や債務危機など、破滅的な事態を予言し続けてきた。これまでは予想が裏切られることの連続だったが、今年は様相が違うとの声が挙がっている。懸念をもたらしているのは、資金調達コストの上昇、人民元相場の不安定化、短期金融市場の流動性危機、社債のデフォルト(債務不履行)といった数多くの要因だ。万年弱気派が「それみたことか」と言える日がついに訪れるのだろうか。 「巨大で歴史的な動きが起こる。恐らくそれは今年だ」と警告を発するのは、過去15年間、中国経済の崩壊を予想し続けてきた中国系米国人の法律家でコラムニストのゴードン・チャン氏だ。 エコノミストのアンディー・シー氏が行う講演は、中国の不動産と株式市場が崩壊すると予言する内容で人気を集める。ただ、「聴衆はお金を払って聞きに来て、恐れをなすが、会場から出ればまた楽観的になる」と述べ、講演がホラー映画のような娯楽と化しているとシー氏は説明した。 <分岐点> 中国の景気が減速し、民間債務が国内総生産(GDP)の2倍に膨らんだデータが示されたことで、今年は弱気派が勢いを増している。 習近平国家主席は投資主導から消費主導経済への転換を図る決意だが、それには急激な景気減速と債務デフォルトが避けられないため、中国は分岐点を迎えているのだ、と弱気派は言う。 チャン氏は、毛沢東氏の死去以降30年間の中国経済の近代化が深刻な支払い不能状態やデフレ、汚職を覆い隠してきたが、最終的には破綻を迎えると主張。世界金融危機を受けて中国政府が2008年に実施した大規模な景気対策が無ければ、崩壊は既に起こっていたと言う。 著名投資家のジョージ・ソロス氏も中国経済について警鐘を鳴らす一人だ。ソロス氏は最近、中国の「幾何級数的な債務増大」について記し、このような債務増大はあと数年しか持続できないと予告した。 モルガン・スタンレーのアナリストチームは中国経済について弱気論を繰り返し唱えており、先月は中国が「ミンスキー・モーメント」を迎えたと指摘した。これは経済学者ハイマン・ミンスキー氏にちなんだ言葉で、投機的な借り入れに煽られた信用ブームが崩壊を迎える時点を示している。 <債務水準が限界に> 2008年に中国株市場の暴落を繰り返し予言し、地元メディアに「米国のオウム」と名付けられたエコノミストのシー氏は今、不動産市場の暴落を予想している。「1年以内に人々は大混乱に陥るだろうが、彼らは今、そのことについて語りたがらない」という。 ブロガーとしても著名な北京大学・光華管理学院のマイケル・ペティス教授は、2022年までの10年間に中国の経済成長率は平均3─4%に急減速すると予想する。教授は、これまで認識できなかった損失が今後は成長率に織り込まれ、正確な数字が算出されるようになるため、成長率はさらに低下すると説明した。 ペティス教授も、債務規模が金融市場に困難をきたす水準に達した途端、中国経済が急停止するリスクはあると認める。と同時に、中国政府は景気をうまく減速に導き、債務が限界に達するのを避けることができるとも予想している。 (Vidya Ranganathan記者) 市場の強気シナリオには死角も、日米欧の緩和期待にはく落リスク 2014年 04月 3日 16:10 JST [東京 3日 ロイター] -世界的なリスクオンが続いているが、その強気シナリオには死角もある。投資家は米景気への自信を取り戻しつつあるものの、経済指標には弱い部分も多く、3月米雇用統計が下振れすれば楽観ムードが一変する可能性が大きい。 さらに日欧の追加緩和期待や、米国の低金利維持観測にははく落の危険もある。海外短期筋主導の展開だけに、ボラタイルな動きには警戒が必要だ。 <経済指標に甘い評価> 経済指標に対する市場の評価が少々、甘くなっている。本来なら、前月比や前年比ではなく、市場の平均予想値が、マーケットの方向性を決める基準であるはずだが、最近は多少、市場期待を下回っても、「中身が良い」と評価され、ポジティブな反応を示すことが多い。 3月のADP全米雇用報告で民間部門雇用者数は19万1000人増加となり、市場予想の19万5000人増を下回った。だが、下振れ幅がわずかであったほか、2月分が上方修正されたことを市場では評価。寒波や大雪の影響が薄らいでいると好意的に受け止められた。 1日に発表された3月のISM製造業景気指数も市場予想を下回ったが、市場はポジティブに反応。生産や新規受注など個別項目が順調だと評価された。ただ、在庫指数は2カ月連続で50を超え、新規受注指数の2─3月期平均は2013年平均を下回るなど、鈍化の兆しが出ているとも読める。 自動歳出削減など財政圧迫要因が軽減される今年は米経済が順調に回復する可能性は大きい。寒波の影響も薄らいできている。ただ、リスクオフ局面ではネガティブ材料と受け止められても仕方ない経済指標を好評価し、株価が急伸するような動きに違和感を感じる市場参加者も少なくない。「経済指標の都合良い解釈がまかり通っている」(国内銀行・資金運用担当者)という。 3月の雇用関連指標は、ニューヨーク州製造業景気指数、フィラデルフィア地区連銀業況指数、米シカゴ地区購買部協会景気指数で悪化した。4日発表の3月米雇用統計は非農業部門雇用者数の市場予想は20万人増と大幅改善が予想されているが、マーケットの期待が高いだけに、下振れによる失望リスクも小さくない。 <経済と緩和の矛盾> リスクオンムードの背景には、米経済回復期待だけではなく、金融緩和(継続)期待もある。欧州では3日のECB(欧州中央銀行)理事会、日本では7─8日の日銀決定会合での追加緩和期待が「一部のヘッジファンドの間で盛り上がっている」(野村信託銀行 資金為替部次長の網蔵秀樹氏)という。米国ではイエレンFRB(米連邦準備理事会)議長がハト派的な方向に発言を修正したため、早期の利上げ観測が後退している。 ただ、これにも失望リスクが大きい。欧州の経済指標はまちまちでディスインフレリスクもあるが、域内需要が低迷しているなかでは利下げの効果は期待できず、政策据え置きとの見方も多い。日銀も消費増税の影響度がまだみえない段階では、動かないとの予想が市場では聞かれる。 三菱UFJモルガン・スタンレー証券・投資情報部長の藤戸則弘氏は「一部のイベントドリブン型ヘッジファンドが日銀会合での追加緩和を期待して日本株買い・円売りを行っているようだが、消費増税の影響を示すデータがそろわない現時点では政策変更の可能性は低い。緩和見送りならポジションを巻き戻される可能性がある」と警戒する。 米国では、早期利上げ後退観測に沸く株式市場とは異なり、米金融政策の見通しを敏感に反映しやすい2年や5年の中短期金利が上昇するなど、債券市場では利上げを織り込みつつある。景気回復を示す指標が出れば出るほど利上げ観測が強まるのが普通だ。 リスクオンのマネーは新興国にも再び向かっている。南アフリカ株が最高値、トルコリラも年初来高値、ブラジルのボベスパ指数も年初からの下げを取り戻した。米利上げ時期の見方が分かれているとしても、テーパリング(量的緩和縮小)が粛々と進められているなかだ。「フラジャイル5」と呼ばれていた新興国の経常赤字などの構造問題が解決したわけではない。 米景気回復が早期利上げをもたらすのであれば、新興国や株式市場にとっても悪い話ではない。だが、足元は早期利上げ観測の後退を材料としてのリスクオンだ。米景気回復観測の動きとも矛盾する。米経済回復と緩和継続の併存期待による「楽観はいずれ修正される可能性がある」(りそな銀行・総合資金部チーフストラテジストの高梨彰氏)との警戒は強い。 日経平均.N225も連日の大幅高となっているが、東証1部の売買代金は3日の市場では2兆円に届かなかった。全員参加型のリスクオン相場ではなく、一部の海外勢の買いが主導する強気相場だけに、いったんムードが変われば、下げ幅も大きくなる可能性もある。 (伊賀大記 編集:宮崎大) |