02. 2014年4月02日 08:44:31
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ユーロ圏、いよいよ深まるデフレ懸念 http://jbpress.ismedia.jp/articles/print/40342 2014年04月02日(Wed) Financial Times (2014年4月1日付 英フィナンシャル・タイムズ紙)ユーロ圏のインフレ率が一段と低下し、欧州中央銀行(ECB)の政策対応に注目が集まっている〔AFPBB News〕 ユーロ圏の3月のインフレ率が4年以上なかった低水準に落ち込み、単一通貨圏が物価が下落する厳しい時期に向かっているとの不安が高まっている。 欧州委員会統計局ユーロスタットは3月31日、3月のインフレ率(消費者物価上昇率)が0.5%に低下し、2009年11月以来の低水準を記録したと発表した。 事前予想を下回るインフレ率は、部分的には、昨年のイースター(復活祭)――企業が値上げする傾向がある時期――が例年より早かったことがもたらした結果だ。だが、3月の統計値は、ユーロ圏の物価上昇圧力がエコノミストの事前予想よりも弱いことを示す最新の兆候に過ぎない。 また、最新の統計値は欧州中央銀行(ECB)理事会が4月3日に金融政策を緩和する根拠を強めることにもなる。 日本式のデフレに陥る脅威 「インフレ期待のデアンカリング*1のリスクは高まっている」。バークレイズの欧州担当チーフエコノミスト、フィリップ・グダン・ド・ヴァルラン氏はこう話す。「ECBはこれをベース効果だと主張することもできるが、昨年夏からのトレンドを見ると、ECBはインフレ率をどんどん下方修正してきた」 ディスインフレーションは部分的には世界的な現象だ。世界の景気回復が鈍いために先進国全体で膨大な余剰生産能力が生じたことから、英国と米国でも物価圧力が中央銀行の目標値を割り込む水準まで下がっている。鈍い需要はエネルギー価格を抑えることにもなった。こうしたインフレ率低下を受け、国際通貨基金(IMF)のクリスティーヌ・ラガルド専務理事はデフレのことを「断固として戦うべき鬼」と呼んだ。 しかし、ユーロ圏のインフレ率は米国(1.1%)や英国(1.7%)を大幅に下回る水準まで低下した。1つには、ユーロ圏は他地域をずっと上回る余剰生産能力を抱えているためだ。 インフレ率低下のニュースにもかかわらず、3月31日に対ドルで小幅に上昇したユーロの強さは、輸入コストを引き下げることで物価上昇圧力を弱めることにもなった。ECBのマリオ・ドラギ総裁は、2012年以降のユーロ高がインフレ率を約0.4〜0.5%下振れさせたと述べた。 ECBは、こうしたディスインフレは朗報でもあると主張した。周縁国の相対的な人件費が低下し、脆弱なユーロ圏諸国の競争力を高めた影響もあるからだ。だが、ユーロ圏最大の経済大国で最も競争力の高いドイツでさえインフレ率は1%で、2%を若干下回る水準とするECBのインフレ目標の半分程度に過ぎない。 *1=de-anchoring、将来の予想インフレ率が中央銀行のインフレ目標から遠ざかっていく現象のこと ユーロ圏が日本式のデフレに苦しむことになれば、企業と家計が物価が下がり続けることを見込んで購買を先送りするようになり、それが需要を後退させ、ようやく始まったばかりの景気回復を腰折れさせる恐れがあるとエコノミストらは警告する。 物価が下落し続けるシナリオでは、名目ベースで固定されている債務負担も膨らむことになる。 昨年の早いイースターの影響が消え、企業が今年のイースターに先駆けて値上げするようになると、ユーロ圏の来月のインフレ率は1%に迫る水準に加速するはずだ。それでもECBはインフレ率は少なくとも2016年末まで目標を下回って推移すると見ており、同年末のインフレ率を1.7%と予測している。 デフレの脅威が高まれば、量的緩和やマイナス金利も検討 ECBの政策立案者らは最近、デフレの脅威が高まり続けるようであれば、量的緩和やマイナスの預金金利(市中銀行が中央銀行に預けておく預金に事実上税金を課す措置)など、より急進的な措置を支持する用意があると示唆してきた。 いずれの措置も今週発表される可能性は低いが、ECB理事会が小規模な対策を発表するかどうかについては見方が分かれている。 コメルツ銀行のエコノミスト、クリストフ・ヴァイル氏は「インフレ率低下でデフレに関する議論が高まるはずだ。それでも、ECBが3日に利下げに踏み切る可能性は低い」と言う。一方、ゴールドマン・サックスのエコノミスト、セバスチャン・グレーブズ氏は「強い確信があるわけではないが、ECBが小幅な利下げか流動性対策、あるいはその両方を通じて、若干の金融緩和を行うというのが我々の基本シナリオだ」と話している。 3月のインフレ率は0.6%という大方のエコノミストの事前予想を若干下回ったものの、3月28日に公表された統計がスペインの物価が前年比で下落したことを示した後、ユーロ圏のインフレ率が0.5%に低下すると正確に予測したアナリストもいた。 IMFのレザ・モガダム欧州局長は低インフレに対する懸念を繰り返し、「特にインフレが抑えられていることから、追加(金融)緩和の余地は大きい」と述べた。 By Claire Jones
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