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平野氏の手腕は…
http://www.zakzak.co.jp/economy/ecn-news/news/20140325/ecn1403251748005-n1.htm
2014.03.26
4月から全国銀行協会の会長に平野信行・三菱東京UFJ銀行頭取が就任する。「歴代、三菱東京UFJ銀行頭取が全銀協会長時代には、地方銀行も巻き込む大きな案件が動く」(地銀幹部)と言われるだけに、その手腕が問われる。
経営危機にひんしたモルガン・スタンレーへの90億ドル(当時のレートで約9000億円)の出資を手掛け、頭取にのぼり詰めた平野氏。ニューヨークなど海外勤務が長く、実務に精通した地味キャラが持ち味だ。
その平野氏が初めて全銀協会長に就く。最大のテーマになるとみられるのが百年戦争と呼ばれた日本郵政との競合問題だ。上場を目指す日本郵政が企業価値を高めるため業務の拡大に乗り出してくることは避けられない。その防衛はどうなるのか。日本郵政は持ち株会社のみならず傘下のゆうちょ銀行、かんぽ生命保険の株式も上場する計画となっており、2014年度にはその概要やスケジュールが具体化する可能性が高い。
すでにかんぽ生命保険は、アフラックとがん保険について包括的に業務提携し、2万を超える店舗網でがん保険を大々的に売り出す計画を打ち出している。
また、ゆうちょ銀行も預入限度額の上限撤廃や住宅ローンなど融資業務への参入を要望した経緯がある。そして、その要望を審査・容認したのは当時の郵政民営化委員会委員長であった西室泰三・現日本郵政社長だ。
上場が具体化する過程で、これら新規業務等のあり方がクローズアップされかねない。なお、ゆうちょ銀行も全銀協に加盟しており、かつてのような全面対立の構図をとりにくい面がある。しかし、地銀などはゆうちょ銀行ともろに競合するだけに、平野氏の手腕に期待する声は大きい。
悩ましい問題も山積している。筆頭は、銀行が大量に保有する国債の動向だろう。いまや財政赤字はGDPの2倍を超え、国債の値崩れがいつ起こってもおかしくない状況に陥っている。国債消化を支えているのは銀行の買い入れ、その銀行の国債を日銀がさらに購入している構図だが、いずれそれも限界を迎える。国債をたらふく食べている銀行。イソップ物語の腹を目いっぱい膨らませたカエルのようなものだ。腹が爆発する前にダイエットが必要だが、果たしてできるのかどうか。
さらに政府からアベノミクスへの対応を強く要請されていることも念頭に置かなければならない。個別行マターの部分が大きいが、全銀協としても金融機関の貸し出しが力強く伸びていくよう施策を練っていく必要がある。
年末に「経営者保証に関するガイドライン」をまとめたのもその一環で、中小企業融資に関する環境整備が俎上にのぼる。デフレからの脱却を目指す安倍政権にとって、企業の賃金引き上げと並び、銀行貸し出しが伸びていくかどうかが試金石となっているだけに重要テーマとなる。会長就任と同時に実施される消費増税へも目配せしなければならない。
ここ数年、邦銀はアジア市場への進出を加速しているが、足元では中国の社債や理財商品のデフォルト(債務不履行)懸念が高まるなど、チャイナリスクが顕在化している。ここは海外畑の平野氏の出番となるかどうか、興味は尽きない。 =おわり
■森岡英樹(もりおか・ひでき) 1957年、福岡県出身。早大卒。経済紙記者、埼玉県芸術文化振興財団常務理事などを経て2004年4月、金融ジャーナリストとして独立。
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