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過去最多倒産 デイサービスも淘汰される時代になった
http://gendai.net/articles/view/life/148932
2014年3月25日 日刊ゲンダイ
2013年に46件倒産/(C)日刊ゲンダイ
父母の預け先が突然消滅する。
帝国データバンクによると、老人ホームや介護サービスなどを運営する老人福祉事業者の倒産が2013年は46件、00年度に介護保険制度が始まって以来、最多を記録した。
特に倒産が多いのは、新規参入が相次ぎ競争が激しいデイサービス(通所介護)を行う小規模事業者。政府がリーマン・ショック後、中小企業支援のために制定した「返済猶予法」が13年3月で終了していることも一因だ。
デイサービスの自己負担額は、ほとんど自立している「要介護1」で602円(5時間以上7時間未満)。「要介護2」でも708円(同)と手軽でありがたいが、淘汰が早くも始まったとは意外だ。いったいどうなっているのか。
■慢性的な人手不足
「デイサービスは、民家を改修して始めることもできるため、介護の未経験者による参入が増えています。ただ、競争も激しく、独自のサービスでアピールしないと利用者は増えず、経営は楽ではありません。その一方で景気が回復し、介護業界で働きたがる人が減っているため、施設は慢性的な人手不足です」(介護・医療ジャーナリストの長岡美代氏)
介護は儲かると、安易に参入したはいいが、法令の知識不足から、思わぬ金銭負担を強いられ、倒産する事業者も少なくない。
「2012年4月の法改定で、デイサービスの介護報酬が下がったことも、経営環境には悪影響でした。運営側のモラルの低下から、利用者への架空請求を繰り返し、介護報酬の返還命令を受けたり、介護事業者の指定取り消しを受けたりするケースもあります。競争が激しいわけですから困ることは少ないでしょうが、利用者や家族は、ケアマネジャーから周辺のデイサービスの情報収集をしておけば、慌てずに済みます」(前出の長岡氏)
■父母の預け先がなくなったら…
最近はデイサービスのフランチャイズチェーン(FC)があちこちでイベントやショーを開催、しきりに加盟店を募っている。
「FCイベントでは、〈コンビニや飲食チェーンのようにデイサービス運営も簡単〉や〈介護のことが分からなくても未経験でも、本部が指導支援。だから安心して開業できます〉がうたい文句です。ところが、エリアの事業所を指導するスーパーバイザーが極端に少ないなど、加盟店支援が万全とはいえないのが現状です」(経済誌記者)
粗悪なデイサービスがなくなるのは歓迎だが、通い慣れた事業所まで廃業では、介護者にも老いた親にもストレス。それだけはゴメンだ。
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