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ソフトバンクCM「接続率1位」のウソ?他社調査では最下位、ユーザーから疑問の声も
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20140325-00010004-bjournal-sci
Business Journal 3月25日(火)18時50分配信
iPhoneユーザーにとって、どのキャリアと契約するかという問題は非常に難しいが、判断する上で重要な要素のひとつとなるのが、やはり通信品質だろう。インターネットやメールのみならず、地図やナビゲーション、ニュースサービス、そしてLINEなどを使いこなす上で、最も快適に通信できるキャリアを選びたいものだ。
iPhoneに関してはNTTドコモ、KDDI(au)、ソフトバンクがしのぎを削っているが、ソフトバンクは2月に開いた2013年度第3四半期決算の説明会で、売上高、営業利益、純利益がすべて前年同期比増となったことを発表した。さらに13年の携帯電話契約者数において新規契約数から解約数を差し引いた純増数がトップとなったことを説明し、同社の優位性やネットワーク品質をアピールした。
決算発表会で特に注目すべきは、「ソフトバンクはどのキャリアよりもつながりやすく、ほぼ、すべてにおいて1位」というデータを示したことだ。しかし、他キャリアのほうがつながりやすい場所が多々あり、ユーザーからは少なからず疑問の声が上がっているが、本当にソフトバンクは「つながりやすさNo.1」なのだろうか?
●日経BP調査では最下位に
例えば、2014年3月6日付日経新聞記事『auが1位、全国「道の駅」のLTE接続率調査』は、ソフトバンクの発表を覆すかのように、北海道から九州までの「道の駅」でのiPhoneによるLTE接続率は、auが全国平均で1位となったと報じている(詳細調査レポートは「日経BPイノベーションICT研究所」のHPに掲載)。ちなみに、「道の駅」とは高速道路のパーキング・サービスエリアのようなもので、一般道における休憩所や売店(駐車場やトイレ、レストラン、飲食物やお土産、特産物の販売などを行う施設)のことだ。道の駅では、電話をかけたり地域情報や仕事に必要な情報などにアクセスする人も多く、国土交通省が管理しており、その数は年々増えている(2014年3月現在、全国1014カ所)。
この調査では、2月7日〜27日に全国47都道府県、1004カ所もの「道の駅」で、NTTドコモ、au、ソフトバンクのiPhone 5sの速度計測が行われた。その結果、接続率はauが91.7%とトップ、次いでNTTドコモの74.2%で、ソフトバンクは52.5%にとどまった。特につながりにくかったのは和歌山県(25カ所)の道の駅だった。こちらはソフトバンクが32%で、さすがのNTTドコモも苦戦して20%にとどまるという厳しいエリアだったが、auは64%となった。
このレポートでは、道の駅での平均速度も集計されている。この結果を見ると、トップはau(下り26.41Mbps/上り7.2Mbps)で、次いでNTTドコモ(下り19.88Mbps/上り4.13Mbps)で、ソフトバンク(下り14.01Mbps/上り5.18Mbps)は最下位だった。
●調査方法に疑問も
以上の調査結果は、ソフトバンクが決算発表会で示した「道の駅での接続率トップはソフトバンク(98.7%)、auは97%、NTTドコモは96.9%という内容とは明らかに異なる。さらにソフトバンクは、道の駅のみならず、現在放送しているCMでも「ゴルフ場でも、つながりやすさNo.1」と謳っていたり、駅、大学、ショッピングモール、百貨店、家電量販店、コンビニ、海水浴場、スキー場やサービスエリアなど、さまざまなランドマークでの接続率で、ソフトバンクが接続率トップであることを示している。しかし、そのデータがどのような方法で算出されたのか、具体的な条件が明確に示されていない。資料には「防災情報と最寄りのラーメン店を検索するアプリ『ラーメンチェッカー』(Agoop)を利用の各社プラチナバンド対応スマホのデータを個別に分析」との但し書きがあるのみで、どの機種を使って場所でどのような条件で数字を出したのかがわからない。
そもそも、公共設備である公衆網の接続率を公正、かつ厳密に調査するのは実に大変な作業だ。速度計測と同様に非常に難易度が高く、時間帯やエリアの属性(オフィス街、住宅地、過疎地など)、基地局の性能、光ファイバーの容量、計測時にその基地局に同時接続していた人の人数や使い方によって、大きく数字が変動することも多い。
そのため、特に携帯電話の「つながりやすさ」「速度」に関するデータについては、単にキャリアが発表する数字に惑わされないことが大切だ。
編集部
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