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http://www.zakzak.co.jp/society/domestic/news/20140324/dms1403241722011-n1.htm
2014.03.25 「日本」の解き方
国土交通省が18日発表した2014年1月1日時点の公示地価によれば、三大都市圏(東京、大阪、名古屋)で6年ぶりにプラスになった。住宅地では0・7%上昇と13年(0・7%下落)から1・4ポイント改善、商業地では1・7%上昇と13年(0・5%下落)から2・2ポイント改善した。
全国平均でみると、住宅地が0・6%下落、商業地で0・5%下落。地方圏の住宅地は1・5%下落、商業地で2・1%下落となったが、それぞれ下落率はリーマン・ショック後にマイナスへ転じた09年以来最も小さくなっている。
三大都市圏の動きと比べて、全国平均は1年、地方圏は2年程度遅れる傾向がある。今の傾向が続けば、全国平均は15年、地方圏は16年にプラスに転じる可能性が高い。
地価のこれまでの推移をみると、戦後ほぼ一貫して上昇してきたが、バブル経済の崩壊を受けて1992年から下落に転じた。その後も2006年まで下落基調が続いたが、02年から08年にかけての戦後最長の「いざなみ景気」で歯止めがかかり、07、08年に上昇に転じた。しかし、リーマン・ショック後の09年から13年まで再び下落に転じたところだ。
地価は、一般的にはその土地が将来的に生み出す収益の割引価値から算出される。地価が上昇したというのは、大胆な金融政策によって、これまでの悲観的な将来収益が一変し、将来に希望が持てるようになったことを示している。
日銀の金融緩和直後に金利が上昇して、「反リフレ論者」は喜んだが、かつて本コラムで「そうした金利上昇は一時的であり本格的な景気回復までは金利は上がらない」と書いた通りに住宅ローン金利が低下し、住宅需要が増したことも地価を底上げした。もちろん消費増税を前にした駆け込み需要も追い風となった。
もう少し長い目でみても、20年の東京五輪による特需が、東京圏の地価を下支えするだろう。このように、景気回復による地価上昇の下地は十分にある。
逆に、地価上昇が資産効果となって、消費を増やし、景気を上げる効果もある。もっとも、両者が相乗効果を発揮しすぎると、バブル状態になってしまう。当分の間、そこまで行くとは考えにくいので、景気から地価への効果が大きいと考えていいだろう。
ここで地価が上昇するときの留意点としては、景気の上昇を反映したものなのか、それ以外の要因なのかを見極めることだ。前者であれば問題はないが、後者の時にはその原因(会計制度、税制の抜け穴など)に応じた対策が必要だ。
また、インフレ目標の対象となる物価の中に地価は含まれていないので、地価の上昇に対して金融引き締めを行うことは間違いだ。バブルの時、日銀はこれが理解できず、大失敗をして、その後の「失われた20年」を作ってしまった。その歴史の教訓をしっかり生かすべきだ。 (元内閣参事官・嘉悦大教授、高橋洋一)
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