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今、転職すると給料が上がる人、下がる人
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20140324-00012189-president-bus_all
プレジデント 3月24日(月)8時45分配信
「アベノミクス」効果で、転職市場にも好転の兆しが見えてきたと言われているが、本当にそうなのか。アラフォーでも転職できる人の条件に迫った。
■「35歳限界説」はもう古い
給料を増やす方法の一つに転職がある。もちろん転職にはリスクがあり、給料が上がるどころか下がるケースも考えられる。しかし、いまの会社で閉塞感を感じているなら、転職はそれを打ち破る有力な選択肢の一つになる。うまくいけばマクドナルドHD社長の原田泳幸氏のように、年間報酬が倍々ゲームで3億円を突破することができるかもしれない。
とはいえ、人材市場では、転職が可能なのは30代前半までで、それを過ぎると極端に難しくなるという話が定説になっていた。それゆえ給料アップを目指して転職したくても、そもそもチャンスがないではないかというわけだ。
ただし、近年、「転職は35歳まで」という常識も激変しつつある。転職サイト「@type」編集長の福井千尋氏は、「ここ3年のデータを見ると、「@type」の登録者のうち、35歳以上の層がやや増加傾向にあります。増加は数%にすぎませんが、うちが20〜30代向けの転職サイトであることを考えると、これは見逃せない変化。35歳以上の方たちの転職ニーズは、ここにきて高まっているといえます」と語る。
もちろん転職希望者が増えても、間口が広がらなければ意味がない。企業側の採用ニーズはどうだろうか。
「景気が回復して企業の採用意欲が高まり、求人件数も増えています。その結果、20代、30代の人たちだけで自社の採用ニーズを満たしきれず、年齢が少し上でもいいから採用しようという企業も現れ始めました。一部のメーカーなど、旧態依然とした日系企業では、中高年に対して相変わらず門戸が狭いですが、外資系やIT系はチャンスが広がっていて、エンジニアの求人が活発です」(福井氏)
どうやら技術系はアラフォー以上でもチャンスがありそうだ。一方、文系のミドルマネジャー職はどうか。
「役員クラスのエグゼクティブ転職はあっても、中間管理職層は厳しいのが実態です。ただ、可能性がないわけでもない。企業の方からは、リーマンショック以降の厳しい時期を乗り越えて業績を出した実績や、新人をまとめて成果を出した育成力のあるマネジャーが欲しいという声はよく聞きます」(福井氏)
実際、35歳過ぎで転職を成功させた文系ビジネスパーソンもいる。外資系の大手ITベンダーから、国内有数の部品商社に転職した金田博之氏のケースを紹介しよう。金田氏の前職での活躍は華々しい。入社1年目で社長賞を取り、30歳で部長、35歳で営業企画本部長になり、社内の最年少昇進記録を次々に塗り替えた。外資系大手の本部長クラスなら、年収1500万〜3000万円程度は堅い。このままいけば頭打ちどころかさらなる出世が見込めるのに、なぜ転職したのか。きっかけは、38歳で体を壊したことだった。金田氏は前職時代の仕事の激しさを次のように振り返る。
「新しい販売チャンネルを構築する新組織を任されていたのですが、頑張って売り上げ前年比60%増を達成したら、会社から『来期は前年比600%増が目標』と無茶苦茶な数字を設定されました。まず不可能ですけど、やるしかない。無理をしていたら体調を崩してしまい、3カ月休むことになりました」(金田氏)
休養中は、仕事用のブラックベリーを封印。この際、自分をじっくり振り返ろうと、ノートを使ってこれまでやってきたことを整理した。
「社会に出てからの約20年を振り返っているうちに、次の20年も同じことの繰り返しでいいのかと疑問が湧きました。外資系は体力的にキツいし、つねにヒットを打ち続けなくてはいけない厳しさもある。そこで勝負を続けるよりも、海外のサッカーリーグで活躍した選手がその経験をJリーグで活かすように、これまでと別の働き方があってもいいんじゃないかと思い始めたのです」(金田氏)
転職を決意してからの動きは早かった。いくつかの人材紹介会社に連絡をすると、1日3件のペースでオファーが届いた。また興味のある会社には、こちらからもアプローチ。その結果、検討のテーブルには、グーグル、マイクロソフト、アマゾン、楽天、そして実際に入社した部品商社の5社が残った。
外資系の3社は、早めに候補から外した。条件は魅力だったものの、「プレミアリーグからセリエAに移籍するようなもの」(金田氏)で、結局は前職の繰り返しに思えたからだ。では残った2社から部品商社を選んだのはなぜか。
「前の会社では、他社にヘッドハンティングされて転職する中堅エンジニアが大勢いました。彼らが転職先で期待されていたのは、前の会社の技術情報です。しかし技術情報はすぐに古くなるため、数年するとほとんどの人が消えていきました。そうした転職は、自分の価値を消費するだけです。私は転職を機に、自分の付加価値を高めたかった。そう考えると、これまでの延長線上で働くより、全く畑違いの分野を経験して幅を広げていくほうがいい。そこでベタな製造業の世界に飛び込んだのです」(金田氏)
転職先では経営企画室副ゼネラルマネジャーに就任。製造業におけるマーケティング改革にチャレンジしている。
じつは今回の転職にあたり、金田氏の給料は約3割下がった。ただ、実力主義の会社なので、実績を積んでいけば前職の年収を上回ることは難しくない。金田氏もそれを織り込み済みで、「給与が下がった分は、新しいことを経験させてもらう勉強代。3年でキャッチアップして、元の給料を上回りたい」と意欲的だ。
■経験をアピールするだけだと転職できない
新天地に活躍の場を移した金田氏だが、もともと社内最年少昇進記録を持つエース社員だっただけに、多くの会社からオファーが殺到したのは、ある意味で当然といえる。気になるのは、スーパーサラリーマンではない普通のアラフォー社員に、転職のチャンスがあるかどうかだ。
「転職は営業と同じ。自分の強みが相手の求めているものにハマれば、給料が上がる転職をすることも可能です」
このように指摘するのは、人事コンサルタントの谷所健一郎氏だ。
「30代後半の転職希望者に多いのが、『こういう経験があります』という一方的なアピールです。これは商品説明だけして帰っていく営業マンと同じで、ほとんど相手にされません。大切なのは、まず相手の会社が求めているニーズを読み取ること。『自分の強みで、そのニーズを満たせます』と売り込めば、転職のチャンスはグッと広がります」(谷所氏)
相手のニーズとマッチングさせる具体的な手順を見ていこう。最初に必要なのは、自分のスキル・経験の棚卸しだ。
「自分のやりたいことと、自分にできることは違います。ところが2つを混同して、やりたいことを軸に仕事を探す人も多い。若いうちはそれでもいいですが、35歳以上の未経験者が採用に至るケースはほとんどない。自分のやりたいことは脇に置き、いま持っているスキルや経験を明らかにしてください」(谷所氏)
次のステップは、相手のニーズの把握だ。転職活動として、求人サイトへの応募、人材紹介会社の利用という2つのやり方が主に考えられるが、求人サイトの募集要項にもヒントは隠れているし、人材紹介会社の場合はエージェントから情報を取る姿勢が必要だ。この時点ではニーズが明確にわからなくてもいい。仮説でもいいから、「こういうスキル・経験を持った人材を求めていそうだ」とあたりをつけることが重要だ。
あたりがついたら、次は職務経歴書を作成する。使いまわしの職務経歴書は厳禁。ベースは同じでいいが、先方のニーズに合わせたカスタマイズが必要だ。
「相手のニーズに対して発揮できる自分の強みを考えて、その裏付けとなる経歴を強調した職務経歴書をつくります。これまでやってきたことをズラズラと並べて書くのはダメ。ニーズに合う部分は詳しく、そうでない部分は簡潔に書く。経験を強調するときに遠慮は不要。実際はプロジェクトを『手伝った』程度でも、『携わった』と書くくらいの押しの強さが欲しいところです」(谷所氏)
会うところまで漕ぎつけたら、後は柔軟に対応したい。話を聞くうちに相手のニーズが別のところにあったり、逆に自分では軽視していたスキルや経験に相手が注目するケースがある。その場合は事前の想定にとらわれず、臨機応変に進めていく。肝心の年収交渉について、谷所氏は「最後に交渉すべき」と指南する。
「年収交渉の前に、『この人が欲しい』と思わせることが大切。それ抜きに要求を押し出すと、転職自体がポシャってしまうリスクがあります。まずは相思相愛の状態に持っていき、その後で『生活があるので、前職以上の額をいただきたい』と伝えたほうが無難です」(谷所氏)
■35歳以上は中小へのコネ転職を目指せ!
これまで見てきたのは転職の正攻法だが、転職で年収を上げる方法はほかにもある。コネを使った中小企業への転職だ。
「大手企業はたいてい給与規定が決まっていて、優秀な転職者もその中に組み込まれます。そのため先方のニーズにうまく合致した転職でも、給料が極端に増えるケースは考えにくい。一方、中小企業は大手ほど給料規定が細かくなく、社長や取締役の一存で転職者の給料が決まることが少なくない。経営層と人脈があれば、正攻法で応募するよりコネ転職のほうが年収を増やしやすいです」(谷所氏)
コネ転職は、経験を積んで業界内での顔も広くなってきた35歳以上の人向き。正攻法の門戸の狭さを考えれば、試す価値はあるだろう。いずれにしても、年齢を理由に転職を諦める必要はない。やり方しだいで、年収増は十分に可能だ。
■市場価値診断「簡易版」チェックシート
・目標を設定する能力
□将来の自分の像というものを常に考えて行動している
□長期の計画を立てるときでも、最終的には1日の予定まで落とし込む
・計画を実行する能力
□仕事以外に、リフレッシュするための時間を定期的に確保している
□プロジェクトにおいて、メンバーと目標や数字をきちんと共有化し、必ず達成している
・コミュニケーション能力
□自分より地位や年齢の上の人とコミュニケーションをする機会が多く、場慣れしている
□他人の長所を見つけるのは得意だ
・情報収集力、判断力
□他の人と比べて、所属している組織以外に多くの人的ネットワークを持っている
□必要な情報収集を他の人よりも迅速かつ効率的に行うことができる
・時間管理能力
□予定外の残業をすることはほとんどない
□時間や約束に間に合わなくて焦ることが時々ある
・リーダーシップ力
□人に仕事を頼むときは、必ずなぜいまその仕事が必要なのかを納得いくまで説明する
□部下・後輩がいつでも自由闊達に革新的な提案や行動を起こせるような風土をつくっている
・論理性
□何事も事実に基づいて判断している
・プレゼンテーション能力
□プレゼンテーションなどの発表のときに、聴衆の表情を見るくらいの余裕がある
・柔軟性
□自分の意見に固執せず、何事にも融通が利くほうだ
□賛否両論をよく聞き、自分の意見や判断軸に取り込んでいる
・異文化適応能力
□外国人との交流を定期的に行っている
□自分とは異なる文化を持つ外国人とも円滑にコミュニケーションができる
・メンタルマネジメント能力
□気分的に落ち込んだときの対処法を自分で決めている
□自分が精神的にいつもと違うとき、すぐにそのことを自覚できる
●結果
・当てはまった項目が16個以上――このままいけば、年収・市場価値が高くなる可能性が高い
・当てはまった項目が6〜15個――黄色信号。いまのまま年収も市場価値もあまり変わらないかも
・当てはまった項目が0〜5個――赤信号。このままだと市場価値が下降の一途……!?
出典:キャリアデザインセンターの資料を基に編集部で作成。
(参考 http://type.jp/s/campaign27/markettest/ )
村上 敬=構成 的野弘路=撮影
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