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派遣と「ブラック企業」は大の仲良し?!
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投稿者 赤かぶ 日時 2014 年 3 月 23 日 15:27:54: igsppGRN/E9PQ
 

派遣と「ブラック企業」は大の仲良し?!
http://bylines.news.yahoo.co.jp/shimasakichikara/20140323-00033816/
2014年3月23日 13時37分 嶋崎量 | 弁護士(神奈川総合法律事務所)


1 伝えたいこと

「派遣とブラック企業なんて、関係ないでしょ」と思った方がいらっしゃったなら、この文章を読んでいただく価値のある方です。

たしかに、派遣会社は、非正規労働者である派遣労働者を雇用する会社です。一方、「ブラック企業」の被害者は基本的に正社員です。だから、派遣と「ブラック企業」には、何も関係がないように思えるのです。

ですが、派遣と「ブラック企業」は、大の仲良しです。派遣法改正によって、派遣労働者に代表される非正規労働者が増えていく環境が作られてしまえば、どんなに取り組みを進めていっても、ブラック企業被害を撲滅することはできないでしょう。

現在国会で進んでいる、これまでの派遣法の理念を根本から覆す、大きな派遣法改正の動きにも少しだけ触れつつ、話を進めていきます。

2 「ブラック企業」の概念をはっきりさせよう〜厚生労働省が取り組みを始めた理由〜

本題に入る前に、この文章で「ブラック企業」とは何を指すのか、明確にさせて下さい。
世間には「ブラック企業」が氾濫しています。「普通の悪い会社」(変な言葉ですが)を全て「ブラック企業」という場合も見られ、人によって何を「ブラック企業」と言うのかが、バラバラです。ですから、この文章でも、「ブラック企業」の意味を明確にしておかないと、この文章でお伝えたいことがぼやけてしまいます。

いわゆる「ブラック企業」の概念で一番シンプルなのは、厚生労働省の示した概念でしょう。厚生労働省は2013年8月8日、「若者の『使い捨て』が疑われる企業等」に対する対策を発表し、「ブラック企業対策」であると注目されました。詳細は、こちらをご覧下さい(http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000014323.htmlなお、厚生労働省は、正式に「ブラック企業」という単語は使っていませんが、これがいわゆる「ブラック企業」対策であることは明らかです。)

この文章では、厚生労働省が使っている「若者の『使い捨て』が疑われる企業等」という概念を、いわゆる「ブラック企業」だとして、説明していきます。私が活動しているブラック企業被害対策弁護団で取り組みを進めている「ブラック企業」も、この厚生労働省とほぼ同じ意味です。

現在、ブラック企業被害の問題は、被害者となった若者個人の問題を飛び越えて、社会全体の問題になっています。その理由は、ブラック企業問題の被害者が、精神疾患などの罹患により社会保障費の増大を招き、若者の将来を奪うだけでなく社会全体の技能承継も困難とし、さらには労使の信頼関係が奪われ企業の生産性も奪い、少子化の要因となっているからです。

また、ブラック企業が蔓延することで、公正な競争が確保されなくなる問題もあります。違法な長時間労働・残業代不払いにより人件費削減を図るライバル企業の存在により、健全な企業の経営も圧迫されます。

だからこそ、ブラック企業被害の撲滅は、社会全体で取り組まなければならない課題ですし、厚生労働省も、日本社会全体の問題と捉えたからこそ、「ブラック企業」の問題に取り組みをはじめたのでしょう。

3 派遣労働者が増えると、なぜ「ブラック企業」の被害者が増えるのか

いよいよ本題です。

皆さんは、「ブラック企業」の被害者には、どんな共通点があると思いますか?多くのブラック企業被害者の事案に接していると、ある程度一般化できることもあります。

その一つが、ブラック企業の被害者(特に、深刻な被害の方)は、正社員で働きたいと思っている若者、言い換えれば、派遣に代表される非正規労働者で一生終えたくないと考えている若者であるということです。みなさん、派遣労働に代表される非正規労働が、いざとなったら簡単に仕事を失うことになる、一生続けられるような仕事ではないことは若者もよく分かっています。家族や友達など周囲からも、「正社員」にならなければダメだという圧力を受けています。

だからこそ、ようやくみつけた「正社員」だから、ブラック企業と疑っていても就職するしかなかったり、早期離職したら次の正社員の仕事が見つけづらい(「すぐ辞める人」というレッテル貼りをされます)ので辞められなかったりという実情があります。

こんな実情だから、「ブラック企業」であると分かっていても、被害が深刻化するまで自分からは仕事を辞めたり、会社に抗議したりすることができません(会社に抗議して、簡単に働き続けられると考えている方は少ないです。本当は、労働組合などを通じて、正当な抗議や権利行使は十分にできるのですが)。だから、仕事を辞めることで過酷な長時間労働や不合理なパワハラから逃げられないのです。

正社員の仕事を簡単に辞められない(辞めたくない)からこそ、ブラック企業で使い潰されるまで過酷な労働を強いられても受け入れなければならず、被害が深刻化するのです。

若者がブラック企業の被害に遭う背景には、何としても「正社員」になりたいという、正社員の椅子取りゲームが背景にあるという点は、ブラック企業被害の問題を理解する上でとても重要です。だからこそ、正社員の仕事が少なくなれば(=派遣に代表される非正規労働の仕事への置き換えが進めば)、少なくなった正社員の椅子をめぐって、何としても「正社員」になりたいという若者が、ブラック企業被害に遭いやすくなる状況が生まれてくるのです。

4 派遣労働者を激増させる法改正

現在、派遣労働者を大きく増加させる法改正が、着々と進められています。2014年3月11日、派遣法の改正案が閣議決定されて、国会審議を待っている状況にあるのです。

今回の「改正」の重要な(悪い)部分は、派遣の利用が臨時的、一時的なものだ(ざっくり言えば、派遣の利用は「例外」であるということ)という大原則を投げたことです。

この改正によって予想される近未来図は、正社員の仕事が減っていき、代わりに派遣の仕事が増えていく社会です。
改正によって、有期雇用の派遣(通常の派遣の形態です)であれば、3年交替で人さえ入れ替えることで、いつまでも派遣労働を使えることになります。無期雇用の派遣であれば永久に同じ人を使えます。これでは、派遣の利用が許されれば、臨時的、一時的であるという原則は、中身を伴わないものとなってしまいます。

これまで派遣を使うのをためらっていた企業(臨時的、一時的であるという派遣法の規制が面倒だと感じていた企業)も、派遣法改正により、派遣労働者を利用するようになるでしょう。そして、派遣労働者の代わりに、これまで企業を支えてきた正社員が仕事を失い、正社員から派遣へと、置き換えが進んでいくことになるのです(なお、詳細は、佐々木亮弁護士の記事をご覧下さいhttp://bylines.news.yahoo.co.jp/sasakiryo/20140314-00033545/)。

5 派遣法改正でブラック企業被害者は増加する!

派遣法改正によって、正社員の仕事が減ると、若者は、少なくなった椅子を目指して、これまで以上に、過酷な正社員の椅子取りゲームを強いられます。

こんな状況は、ブラック企業が、これまで以上に人を集めやすい社会です。ブラック企業は、社員を定年まで長期雇用しようとは考えていません。ブラック企業は、労働者を長期雇用することを念頭に置かず、若者を使い潰して早期離職していくことを前提に、次々に新しい人材を募集し続けていきます。そして、「正社員」であることをウリにして、新しい人材が集まらなければ、成り立たないビジネスモデルになっています。

だからこそ、正社員が少なくなった社会、正社員が今より希少価値がある社会は、ブラック企業が活動しやすい社会になるのです。

ですから、派遣法改正が実現してしまえば、これまで以上に、ブラック企業が蔓延しやすい、新たなブラック企業の被害者が増加していく社会になっていくでしょう。

6 現在正社員であれば、派遣法改正は他人事?

現在正社員のみなさんにとっても、派遣法改正は他人事ではありません。リストラなどで離職することになれば、誰もが、正社員の椅子取りゲームへの参加を強いられることになるからです。

中高年層にとっても、自分の子ども達の世代がブラック企業被害に遭いやすい社会が生まれると考えれば、他人事ではないでしょう。

また、ブラック企業が活動しやすい社会が生まれれば、まともな企業も、不公正な競争を強いられて、企業業績が圧迫されます(リストラのリスクも高まり、正社員の椅子取りゲームに参加を強いられる可能性も高まります)。

とりわけ、女性労働者は、現在も非正規労働を選択するしかない場合が多く、男性以上に過酷な正社員の椅子取りゲームを強いられています。ですから、派遣法改正が実現してしまうと、正社員になりたいと考える女性は、これまで以上に(男性よりも)ブラック企業被害に遭いやすくなるのです。

7 社会全体の問題として、派遣法改正を阻止しよう!

ブラック企業の問題は、社会保障費増大や企業の公正な競争を阻害するので、社会全体の問題です。そうであれば、ブラック企業被害を拡大する派遣法改正も、社会全体で考えなければならない、重要な社会問題なのです。

残念ですが、とても大きな派遣法改正であるのに、現在は社会に全く注目されていません。

現在は正社員で働いている皆さんにとっても、派遣法改正は他人事ではないのだと理解して、反対の声を挙げていただきたいと思います。


 

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コメント
 
01. 2014年3月23日 20:40:44 : AVoYERExno
自民党は、庶民いじめの政党だな。

こいつを政権から落とせば、いいのだ。
労働法の悪化は防げると信じたい。
菅、野田、前原、岡田ら悪党クーデター民主党の輩が政権取ると自民党と同じだが、、、

投票はしっかりやりましょう。棄権はダメです。
弱い者は固まらなくては、勝てません。
団結です。


02. 2014年3月24日 18:54:13 : 2Qm5ZtRncc
共通項

どちらも貧乏労働者からのピンハネが儲けの原資。


03. 2014年3月25日 05:11:20 : lM6qLu7sHY
http://diamond.jp/articles/-/50572
決算書でわかる! いい会社、やばい会社は「ここ」で見抜く!
【第9回】 2014年3月25日 大畑伊知郎
“ユニクロの決算書、「ここ」がヤバかった!”
正社員1万6000人増加の真相とは?
先日、ファーストリテイリングが、国内のユニクロで働くパート・アルバイト社員の約3万人のうち、1万6000人を正社員にする計画を発表しました。元社員の告発などにより、様々な噂が流れている同社ですが、今回の正社員増加にはどんな狙いがあるのでしょうか。決算書から読み解いていきます。

ユニクロ、正社員1万6000人の増加。
グローバル化路線はどこへ?

 ユニクロが正社員を大幅に増やすことが明らかとなりました。国内のパート・アルバイト社員約3万人のうち、約1万6000人を正社員として雇用する計画であるといいます。

 平成25年8月末時点のグループ全体の正社員数が約2万4000人ですから、この計画により正社員が60%以上増加することになります。

 ユニクロ、すなわちファーストリテイリングと言えば、同社の柳井会長が去年4月、「世界同一賃金」を導入すると表明し、その結果として将来、社員の年収が1億円から100万円までに分かれていくのも仕方がないと発言して話題を呼びました。

 同社が増やす予定の正社員は店舗や勤務地を限定する正社員です。ゆえに、先に会長が表明した人材のグローバル化とは逆行した動きに見えます。

 ユニクロが推進してきた「グローバル化路線」と逆行するような今回の正社員増加。その動きの背景に何があるのかを、同社の財務諸表から探っていきます。

「売上に対し、利益がついてこない」。
決算書の真実とは?

 ファーストリテイリングの売上高は右肩上がりで成長してきました。少なくとも平成21年8月期以降の5年間において同社は一貫して売上を伸ばしてきており、直近期である平成25年8月期の連結売上高は1兆1430億円に達しています。

 しかし、小売業では「売上高の増加は必ずしも業績好調のサインとは言い切れない」のです。製造業と異なり、小売業では店舗数さえ増やせば売上は増加します。店舗数が増えたことによって売上が伸びても、店舗毎の採算性が悪化していると、会社全体としては減益となり、財務内容はむしろ悪化してしまうのです。

 ファーストリテイリングの利益率に注目すると、過去3年間において利益率は悪化しています。売上高総利益率については、23年8月期の51.9%に対して、25年8月期は49.34%です。また、売上高営業利益率については、23年8月期の14.18%から25年8月期は11.63%へと大幅に低下しています。

 国内のユニクロ事業に目を向けると、25年8月期の国内ユニクロ事業売上高は6833億円であり、少なくとも2期連続で増収となっています。営業利益はどうでしょうか。

個々の社員の「稼ぐ力」を
見てみよう

 一方、国内ユニクロ事業の営業利益は25年8月期で968億円となっており、こちらは2期連続の減益です。売上高営業利益率で見ても、2年前の17.7%から25年8月期は14.17%と顕著に低下しています。

 このように、ファーストリテイリングでは、売上は右肩上がりで成長していますが、収益性は近年悪化しているのが現状と言えます。

 それでは、こうした収益性の悪化の要因はどこにあるのか、ということですが、可能性の一つとして挙げられるのが個々の社員の「稼ぐ力」の低下です。社員一人当たりの売上高を見てみましょう。

 25年8月期のファーストリテイリングのパート・アルバイト社員を含む社員一人当たりの売上高は2405万円であり、前年同期の2422万円に比べて17万円の減少です。

 しかし社員一人当たりの営業利益では、25年8月期の社員一人当たりの営業利益は280万円であり、前年同期の330万円に比べて50万円も減少しています。

 つまり、社員一人当たりの業績で見ると、売上の減少が軽微であるのに対し、利益の減少が大きいことが特徴であると言えます。

「これ」が正社員大量増加の真相。
ユニクロの苦しい台所事情

 こうした傾向は国内のユニクロ事業では更に顕著です。国内ユニクロ事業の25年8月期の社員(パート・アルバイト社員を含む)一人当たり売上高は3289万円であり、前年同期の3302万円に比べて13万円減少しているだけです。

 しかし、一人当たり営業利益では、25年8月期の一人当たり営業利益は466万円であり、前年同期の545万円に比べて79万円も減少しています。

 つまり、国内ユニクロ事業では「売上は依然として伸びているものの、社員一人当たりの稼ぐ力が低下しているため、収益が伸び悩んでいる」のです。

 国内ユニクロ事業の25年8月期の正社員は3441名となっており、前年同期の3485名と比べてほとんど変化がありません。これに対して、パート・アルバイト社員では25年8月期は17,337名であり、前年同期の15,296名に較べ、2041名も増加しています。つまり、社員の稼ぐ力の低下は、パート・アルバイト社員の数が増えすぎたことにあると考えることができます。

 そこで、パート・アルバイト社員を正社員に転換させることにより、社員一人当たりの稼ぐ力を高めることが、今回のユニクロの正社員増加の狙いであると考えられるのです。「規模の拡大に効率性がついていけない」。同社の苦しい内部事情が垣間見えた事例と言えるでしょう。

(次回掲載は、未定です)

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