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アベノミクスとやらが実施されて以降これまでのところ、賃金は上昇せず、円安の影響を受けて物価だけが上昇しているというのが日本経済の実状である。
黒田日銀総裁は、「賃金が上昇せずに物価だけが上昇することは普通には起こらないことが、過去のデータからも裏付けられている。賃金のベースアップが復活しつつあることは非常に注目すべきことだ」と説明したそうだが、20年近く続いた日本の長期デフレも、戦後世界では日本だけで、インフレ管理が中央銀行の主たる課題となっている戦後世界では普通起こらないと考えられていた経済事象である。(バブルの形成と崩壊は考えられていた経済事象)
デフレの異常性はともかく、現状の日本を見ればわかるように、低いインフレ率ならば、賃金が上昇しないままでも達成される可能性もあるから黒田総裁の説明は不十分である。
このようなケースでは、利益率はともかく販売の量的不振で業績が悪化したり、業種間でまだらの業績になったりで、GDPの成長は見込めない。低レベルのスタグフレーションと言える経済状況である。
もう少しましなケースは、投資の増加が物価上昇を支える状況である。
賃金水準が同じでも、公共投資や設備投資が増大すれば、物価が上昇する可能性は高い。この場合は、それほど高くはないがGDPの成長が見込める。
黒田日銀総裁の話が何より胡散臭いのは、「賃金が上昇せずに物価だけが上昇することは普通には起こらない」というだけで、“物価の上昇を超える賃金の上昇が普通は起こる”とは言っていないことである。
物価上昇に追いつかない賃金上昇であれば、賃金下落よりも物価下落が急なデフレのほうがいいと思うのが多数派である。
また、物価の上昇も、円安に伴う輸入物価の上昇が国内販売価格に反映したことを意味するGDPデフレータの上昇が同時に達成されなければGDPの成長は難しい。
いずれにしろ、物価(CPI)上昇だけを目標にし、名目・実質のGDP成長率やGDPデフレータを目標にしないような政策は意味がない。
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日銀総裁 「2%の物価目標」に理解求める[NHK]
3月20日 20時46分
日銀の黒田総裁は、就任から1年となる20日、東京都内で講演し、物価の上昇が国民生活に悪影響を及ぼすのではないかという見方について、「賃金が上昇せず物価だけが上昇することは普通は起こらない」と述べ、日銀が目指す2%の物価目標への理解を求めました。
この中で、黒田総裁は、去年、日銀が導入した2%の物価目標と大規模な金融緩和策について、「これまでの政策はデフレの定着を防ぐ観点から十分ではなかった。金融政策の目的は物価の安定を図ることで、それを数字で定義すると2%となる。グローバルにも2%程度がよいという考えは一般的だ」と述べました。
また、物価の上昇が国民生活に悪影響を及ぼすのではないかという見方については、「賃金が上昇せずに物価だけが上昇することは普通には起こらないことが、過去のデータからも裏付けられている。賃金のベースアップが復活しつつあることは非常に注目すべきことだ」と述べ、日銀が目指す2%の物価目標への理解を求めました。
そのうえで黒田総裁は「重要なことは変化を恐れず、デフレ脱却後にふさわしい企業経営や生活の在り方を模索することだ」と述べました。
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20140320/k10013137051000.html
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