http://www.asyura2.com/14/hasan86/msg/454.html
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東芝のNAND型フラッシュメモリーの機密データが韓国企業に渡っていた
http://www.zakzak.co.jp/economy/ecn-news/news/20140319/ecn1403191747005-n1.htm
2014.03.20
東芝が、かつて同社の提携先企業に勤めていた技術者社員を通じて韓国企業SKハイニックスが技術情報を不正に入手し、損害を被ったとして、同社を訴えた。被害額は1000億円を下らないとの主張だ。
このケースで東芝が訴訟を起こしたことは、おそらく適切だ。グローバルな競争ばかりでなく、国内の競争にあっても、社員の引き抜きで技術情報・ノウハウ・顧客を獲得する行為が、ノーリスクかつノーコストで可能であっては、企業経営上不都合だ。引き抜く側の会社、引き抜かれる社員の双方に対して、不正行為への抑止力になる。
今回の事件では、容疑者は、重要な実験データをコピーして持ち出したようだ。データの持ち出しが立証できるなら、不正を証明することは、多分難しくない。
一方、管理も事後的な不正の立証も難しいのは、社員(たとえば技術者)の「頭の中にある情報」で、実際にはこのケースが多いとみられる。
新興国の企業が、日本の同業他社の技術者を、現役時代から引き抜く、または退職後に採用するなどの手段を使って雇用し、技術やノウハウを取り込むのは「よくあること」なのが現実だ。
雇う側の事情を考えると、人1人に払うコストで(少し高めに払うとしても)、技術やノウハウが手に入るなら、安い。
直接比較してはいけないかもしれないが、値付けの高い経営コンサルティング会社に高いコンサルティング料を払うよりも、有能な人物を幹部に雇う方が得なのと事情がよく似ている。
筆者がよく知っている金融業界では、情報やノウハウを持っている人は案外大したことがないが、顧客との強いコネクションを持っている金融マンは、同業他社が高く買って(高報酬で採用して)くれる。
憲法にあっても、常識にあっても、人の職業は自由。重要技術を持っている技術者、重要顧客を持っている営業マン、いずれに対しても、彼らが勤務先企業から得ていると感じる価値よりも安く彼らの自由を拘束できると企業側が思うこと自体が間抜けで不用意だ。
技術者に限らず社員は、経済的な条件等に動かされて転職することはあろうが、転職の際には、国際投資における通貨リスクのようなリスクを感じるのが普通。重要な技術やノウハウの厳重管理が重要なのは当然として、社員の引き抜きを通じて社員の「頭の中にある」重要情報が流出するのは、社員に対する待遇が悪いことが主要因なのだ。
重要な情報や技術、顧客を持つ社員には、それなりの処遇をすべきだ。経営者と社員の間に交渉を伴うゲームがあるのが当然だ。会社側が社員を厳しく縛るだけだと、いい社員が獲得できないし、有能な社員がベストを尽くさない会社になる。 (経済評論家・山崎元)
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