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コラム:次の金融危機、震源地は日本か=カレツキー氏(ロイター)
http://www.asyura2.com/14/hasan86/msg/399.html
投稿者 赤かぶ 日時 2014 年 3 月 17 日 18:01:01: igsppGRN/E9PQ
 

コラム:次の金融危機、震源地は日本か=カレツキー氏http://jp.reuters.com/article/jp_column/idJPTYEA2G02620140317
2014年 03月 17日 15:40 JST


[14日 ロイター] - アナトール・カレツキー

主要経済国のなかで、今年期待を裏切り、世界経済の回復基調をぶち壊すのに十分な金融危機を起こす可能性のある国はどこか。いつも名前が挙がるのは中国と南欧だが、筆者の考えでは、最も怪しいのは日本だろう。

日本は以前ほど多くの関心を引きつけることはなくなったが、今でも世界第3位の経済大国であり、国内総生産(GDP)はフランス、イタリア、スペイン、ポルトガルを合わせた規模と同等だ。日本の産業は米国、欧州、韓国の製造業にとっては一番の競合相手であり、日本には1997年のときのように、アジア全域で金融危機を引き起こすのに十分な地域的影響力がいまだにある。

さらに悪いことに、もし安倍晋三首相が推進する大胆な経済改革プログラムが失敗したとみなされるなら、バブル化している日本の国債市場は壊滅的なまでに崩壊する恐れがある。

筆者は初め、アベノミクスを大いに支持していたが、安倍首相が昨年10月に今年の4月から消費税を8%に引き上げることを決定して以降、日本の先行きを案じるようになった。消費税増税の実施が近づくなか、経済状況を直接感じようと筆者は日本を訪れた。自分の目で見たこと、そして、金融当局者や財界人たちから聞いたことは、筆者が抱いていた懸念をいっそう高めるものだった。

金融緩和、財政出動、成長戦略という「3本の矢」から成るアベノミクスは当初、デフレから脱却できない日本経済に風穴を開けるものだとして大いに期待されていた。

しかし昨年10月までに、3本のうち2本の矢がコースを外れてしまった。昨夏には、労働規制やコーポレートガバナンス(企業統治)、競争政策や年金運用における構造改革がすでに断念あるいは無期限に先延ばしにされた。財務省が長年訴えてきた消費税10%の要求を安倍首相がのんだとき、財政の「矢」はブーメランに変わり、2014年と15年に景気が加速するとの期待を脅かすこととなった。

このブーメランは日本を直撃する。消費税は4月1日からこれまでの5%から8%に、また来年10月からは10%に引き上げられる予定だ。財務省の未発表の予測に基づく国際通貨基金(IMF)の推計によると、消費増税によって、今年はGDPの約2.5%相当分、来年はさらにプラス同1%程度の財政引き締めになるという。そうなれば日本の経済成長伸び率は、2013年の2.5%から1.4%に減速すると予想されている。

だが、現実にはさらに悪くなる可能性を秘めている。財務省がまとめた民間セクターの予想成長率は今年わずか0.8%だが、多くの民間予測が、理論上、消費増税の影響を相殺するべく実施されるであろう、さまざまな成長促進対策への期待を見込んでいることを考えると、おそらくこれでも楽観的過ぎると言えるかもしれない。

そのような対策はおおまかに6つに分類できるが、いまやこれらすべてが、かなり見込みのないように思われる。

1.投資、生産性、雇用を刺激するための構造改革

女性の雇用促進からコメの生産調整まで、現在30以上の改革法案が国会で審議されているが、大半は期待を裏切るもので、向こう数年間の経済成長に大きな影響を与える可能性は低いだろう。

2.増税分を相殺可能な3%以上の賃上げ

春闘一斉回答の結果では、最も収益を上げている企業であるトヨタ自動車(7203.T: 株価, ニュース, レポート)や日立製作所(6501.T: 株価, ニュース, レポート)のベースアップ(ベア)でさえ基本給の1%未満だった。日本の多くの被雇用者は相当額のボーナスや年功序列型賃金を期待できるものの、基本給は個人消費の主な決定要因であり、これまでの経験からいうと、増税後は実質ベースで下がる可能性がある。

3.法人実効税率の引き下げ

投資を促進し、財政的歯止め(フィスカルドラッグ)を埋め合わせるために、法人実効税率の引き下げに関する議論が昨年活発に行われた。だが、以下の2つの理由から却下された。

第一に、法人実効税率引き下げが、歳入を長期的に拡大するという消費税増税の目的を無駄にする可能性があること。第二に、それほど信ぴょう性のない話だが、財務省と与党・自民党には、税金を最大限活用し、その金を公共事業に投入してデフレ効果を相殺する傾向があるということ。

4.約6兆円の公共事業費

2014年度の公共事業費は前年度当初比12.9%増となる約6兆円と発表されたが、これは単に2013年に増額・実行された公共投資を継続するにすぎない。増税後に景気が腰折れすれば補正予算が組まれる可能性はあるが、適切なプロジェクトの不在や建設労働力不足、セメントなどの資材不足などから、政府が公共事業にさらに金をつぎ込むことは難しい。

5.年金の運用見直し

日本株を上昇させ、消費者マインドを押し上げるためにさまざまな規制措置が可能だろうが、昨年6月に変更された年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)の運用見直しからも分かるように、その余地は限られている。年金運用の基本ポートフォリオを国内債券から株式へと大きく転換し、日本株への需要が急増することが期待されていたが、GPIF内部の官僚的抵抗によってわずかな変更しかもたらされず、次は2015年まで見直されない見通しだ。

6.積極的な金融緩和

日本の景気が深刻な減速に見舞われた場合は、積極的な金融緩和が最後の頼みの綱となるだろうが、日銀はすでに2014年末までにバランスシートを2倍に増やそうとしている。また、単に債券購入を増やせば、経済成長に効果があるのかという点も全く不明である。株式市場を活性化させるための別の選択肢は、日銀が債券の代わりに株式を買うことかもしれない。ただし、株価の上昇が、本当に経済成長に寄与するかは別の話だ。

要するに、来月の消費増税で景気が落ち込んだ場合、日本には説得力のある選択肢が何もないように思われることだ。もちろん、そんなことが起きないことを誰もが期待している。

しかし、期待は戦略ではない。

*筆者はロイターのコラムニストです。本コラムは筆者の個人的見解に基づいて書かれています。


 

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コメント
 
01. 2014年3月17日 18:35:45 : MEJkFnPqrk
オバマのアメリカ・EU・中国、そして日本のどれをとっても経済・財政ともに末期的な状況にある。 格別日本を取り上げて危ないと言うのなら、ウクライナ情勢が悪化している今、一番危うさを感じるのはEU経済でhないのか。 ロシアへの経済制裁に同調すれば、ロシアは報復の意味で天然ガスの供給停止をほのめかすだろう。 他国より先んじて原発廃止を決めたドイツは、既に電力費の上昇に見舞われているし、ギリシャ・ルーマニア・ポルトガル・スペインなどの危機回避にECBは大幅な緩和を行わざるを得なかった。 突然様に浮上したウクライナ紛争とロシアとの対決の意味を、良く考えて見るべきじゃないか。 ヨーロッパ・アメリカの特産品としての兵器の需要を盛り上げる手段だと理解するのが、普通の考え方だろう。 不可思議なマレーシア航空機消失だって、周辺諸国に対するレーダーの売込みには有利な事件だろう。 今後しばらくは兵器輸出が盛んになり、それがまた国家間の対立を醸成する。 ウクライナと同じような形で、国家の分列や独立運動が広がれば、兵器取引は益々盛んになると思うがね。 その意味でなら安倍内閣の武器輸出解除の方向は間違っていないだろうよ。

02. 2014年3月17日 18:42:21 : mHY843J0vA
カレツキー氏は、日本の改革が進まず、消費税増税が原因で景気が悪化し、財政破綻(国債暴落)が起こると心配しているのでしょうか。
だとしたら、これまでの主張とは、あまり整合性が取れないですね。


http://jp.reuters.com/article/jpUSpolitics/idJPTYE8AF05720121116
コラム:財政赤字削減反対派の告白=カレツキー氏
2012年 11月 16日 17:30 JST
アナトール・カレツキー (2012年11月15日)

告白しよう。私は財政赤字削減の必要性を否定する「ディフィシット・ディナイアー」だ。良識ある社会でこんなことを口にしようものなら、身勝手な詐欺師とののしられるだろう。気候変動を否定する者よりもたちが悪いと。

しかし米国の「財政の崖」から、緊縮への抗議活動で麻痺する欧州、財政目標を達成できずに分裂する英連立政権に至るまで、財政危機を目にする度、私はどうしても同じ結論に達してしまう。これら諸国の指導者は深呼吸してリラックスし、財政赤字の心配など止めればよいと。

というのも、米国、英国、そしてイタリアとスペインを含む欧州諸国に財政危機など実在しない。ギリシャは別だ。しかしギリシャ一国の惨劇だけをもって、世界全体があらゆる国の債務をめぐりパニックに陥ることはとても正当化できない。

http://jp.reuters.com/article/marketsNews/idJPTK830251020130301
終焉しつつある「緊縮の時代」=カレツキー氏
欧州だけでなく、米国、日本、中国など世界中でそうした認識が通用しつつある。今すぐにとはいかないかもしれないが、緊縮財政策の時代は間もなく終焉するだろう。

http://jp.reuters.com/article/jp_eurocrisis/idJPTYE8BJ03C20121220
先週末の選挙で安倍晋三総裁──強力な首相になる可能性を秘めている──率いる自民党が圧勝した主な原因は、彼が日本経済を20年間の昏睡状態から叩き起こす金融政策改革を約束したことだ。安倍総裁が約束を実行するなら──それにはまだ大きな「もしも」が付くが──とりわけ選挙で選ばれた政治家ではなく主として官僚が権力を振るう国であるだけに、世界的な影響は甚大なものになり得る。

具体的に安倍総裁が約束したのは、インフレ率が2%まで上昇して成長を回復できるまで、日銀に強制的に金を刷らせて円安に導くことだ。約束通りの行動を起こせば、ドルは円に対してだけではなくユーロその他の主要通貨に対しても上昇するだろう。

円相場が大幅に下がるなら、ドイツその他欧州諸国の高級製品の輸出業者は、日本の競合他社からシェアを奪うことによって米国市場での競争力喪失を補えなくなる。これは、円高に苦しむ日本の競合他社を踏み散らしてきた韓国と中国の輸出業者にも当てはまることだ。

日本のように20年間もの経済停滞に苦しんだ国は他にない。従って、デフレに対処する真に革新的な手法において、日本が草分けとなるのは不思議ではない。

日本以外の国々では、量的緩和を通じて国債市場に通貨を供給すること以上の策に踏み出した中央銀行家や政治家はまだいない。そしてだれ一人として、少なくとも公式には、中央銀行が直接政府に金を貸したり、一時的な減税をファイナンスすべきだと提言してはいない。

こうした真に革新的な政策は、新たに創出したマネーを企業や家計に手渡すのと等しく、時に「ヘリコプター・マネー」とか「民衆向け量的緩和」と称される。この政策が世界をデフレから救い出すのは間違いないが、欧米では公に議論することはまだ不可能だ。政府支出や減税の中央銀行によるファイナンス、および中央銀行の独立性という、マネタリストにとって最後のタブーが破られるからだ。

中央銀行から独立性を奪い、インフラ投資や減税のために金を刷るよう日銀に命じるという2つの禁じ手が今、日本において議論の中心を占め始めた。

1970年代のマネタリスト革命が生み出したタブーを破ることで、日本は2008年に始まった経済学思想の革命を加速、増強することが可能だ。日本は20年間も冬眠を続けたが、世界は再び「メード・イン・ジャパン」のアイデアによって変化を遂げることができるだろうか?



03. 2014年3月17日 19:25:09 : AVoYERExno
誰が考えても、アメリカ様が破綻だろう。

馬鹿な論調を書くな!載せるな!


04. 2014年3月17日 20:22:59 : MEJkFnPqrk
ウクライナの紛争で兵器の取引が盛んになると書いたが、日本の自衛隊の装備品は国際価格とは比べ物にならないほど高い。 だから安倍首相が期待したほど、商談がまとまることは無いだろう。 折角武器輸出を解禁したとしても、国際価格まで引き下げて商談がまとまったとすれば、国内での取引の不正がばれてしまう。 インドまで出かけて行って自ら宣伝に努めた飛行艇だって、高すぎて話にならないだろうが。 大体武器輸出三原則なんて言い出したのは佐藤内閣の時代だが、きっかけはインドネシアに対する機関銃修理用部品の成約があり、これに対するオランダ政府の抗議があったためだった。 この奇妙な輸出禁止は、法律によるものじゃなかった。 当時の輸出認可制度を悪用したもので、それまでは台湾に対する魚雷の輸出や南ベトナムに対する銃弾プラントなど、かなりの金額の輸出が行われていたものである。 勿論アメリカによる干渉が始まったと言う事もあって、その後は武器輸出はご法度になった。 兵器メーカーは輸出できなくなった見返りに、防衛庁の注文に対して法外な値段を吹っ掛けるようになったわけ。 その付けが回ってきて、兵器の輸出は克さあい競争力を失い、安倍ちゃんの第三の矢にはなれない結果になったと言う事でしょう。

05. 2014年3月17日 23:00:55 : diADX7bCck
「穴」を「取っ」て「枯れ」て「尽き」た人が何か見当違いのことを書いている。

06. 2014年3月18日 08:14:30 : 3NLJIXayrQ
GDPが成長しているのに、破綻だ?

本当に、バカ記事にバカって、寄ってくるんだなあ。

類は友を呼ぶ、バカはバカを呼ぶ。


07. 2014年3月18日 16:14:23 : NbFvUtbxbc
中央銀行のそもそもの資金て・・・・・

いかがわしいお金ですよね。

正当性のあるものではない。

天の怒りが降ってくる。

悪党の最後を見たくてうずうずしてる。待ち遠しい。


08. 2014年3月18日 19:51:17 : Lynt6ifHAI
>さらに悪いことに、もし安倍晋三首相が推進する大胆な経済改革プログラムが失敗>したとみなされるなら、バブル化している日本の国債市場は壊滅的なまでに崩壊す>る恐れがある。
ここが変だよな。国債の大部分を外国が買っているなら分かるが、殆どは邦銀が買っていて、邦銀は日銀に食わせてもらっているような実態がある。それを日銀は国債を買い取り金利を少なめにして、銀行に現金をつかませ他の市場に追い出しているわけだ。「第三の矢が失敗」と見なされても、もともとウマイ話など無いし織り込み済みで、仮に株や外国証券が値下がりしたら、邦銀は競って少なくなった日本国債買うしか無いじゃん。邦銀が日本国債を売って何を買えるのよ?米国債ですか?

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