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賃上げ額に定昇分を含める経営者及び組合の欺瞞
http://bylines.news.yahoo.co.jp/ogasawaraseiji/20140315-00033572/
2014年3月15日 10時23分 小笠原 誠治 | 経済コラムニスト
連合が2014年春闘の第1回の回答集計結果を発表しました。
どんな結果になったと思いますか?
賃上げ平均額は6491円。そして、ベアは1218円になったのだとか。
これまで長年ベアが実現しなかったことからすれば、今年は様変わり。これもひとえに現政権が、ベアに尽力をしてくれたお陰だ‥なんて思っている人がいるかもしれません。
ベアの内容がどうかなんて詮索せず、ただベアが実現したことに感謝すべきかもしれません。その方が人生幸せに過ごせるかもしれないからなのです。
しか〜し‥
そうは言っても4月1日からは、消費税が5%から8%に上がるのです。貴方がベアの恩恵にあずかろうとそうでなかろうと、4月1日から、国に召しあげられる税金が増えるのです。
ということで、取り敢えずベアの恩恵にあずかる人々でも、実際にどれだけ暮らし向きが楽になるかを計算してみたくなるもの。
では、貴方の給与が毎月30万円程度だったとして、そして、4月から給与が6千円ほど上がることになったとして、貴方は喜ぶべきなのか?
6000円÷300000円=0.02 つまり2%給与が上がる計算になるのですが‥仮に貴方が毎月税抜き価格で約30万円の買い物をしていたとすれば、消費税が5%のときに支払っていた1万5千円の税額が、4月1日からは2万4千円になる訳で‥つまり、9千円ほど余分に税金を支払うことになるのです。
いいでしょうか?
平均的な賃上げ額は6400円程度なのに対して、新たに負担させられる消費税額が仮に9000円ほどになれば、どう考えたって労働者の生活が楽になる筈はない!
それでも6400円もの賃上げの恩恵にあずかる人は恵まれている方かもしれません。何故ならば、賃上げなんて考えられない職場もあるからです。
ちょっと暗い気持ちになりそうです。
でも、そもそも国民の多くは騙されているのです。
何に騙されているのか?
それは「賃上げ平均給与額」に騙されているのです。
どういうことかと言えば‥
確かに労働者個人で考えた場合、平均的な労働者は、1年前と比べたら6400円ほど毎月の収入が増えるのはそのとおり。
だとしたら、企業側は、全ての労働者に対して、平均して前年に比べて6400円ほど多く給与を支給することになるのか?
答えはノー。
それはそうですよね。何故ならば、その賃上げ平均給与額には、定期昇給分が含まれているからです。定期昇給分を含まない‥つまり、同じ年齢の労働者の賃金の増加分は1218円に過ぎず、それがベアというものだからです。
ということで、企業側の追加負担は、労働者1人当たり1218円にしか過ぎないのです。
そして、こうして多くの労働者が騙されている、と。
騙したくなる企業経営者の気持ちはお分かりになると思うのです。そうやって人件費を少しでも抑制したい、と。では、組合の幹部などは、その事実をどう思っているのでしょう? 彼らはよく知らないのか?
そんなバナナ!
そんなこと百も承知。知っていて、賃上げ平均給与額を発表している、と。
何故かと言えば、そうやって組合員を少しでも満足させることによって、組合幹部に対する突き上げを緩和することができるからなのです。
要するに、なんだかんだと言いながら、経営者側と組合の幹部は裏で手を握っている面も否定できないのです。
いずれにしても、賃上げの景気全体に及ぼす影響を考える場合や、消費税の増税分を賃金の上昇分でどれだけカバーできるのかを論じる場合には、定昇分を含んだ賃上げ額で考えてはいけないのです。
それに、そもそも定昇分は、年功序列の賃金体系のなかにあって、上がるのが当然であるのですから。
もう一度言います。幾ら定昇分の恩恵を個人が受けたとしても、そのために企業経営者側は、何の追加負担を負うこともないのです。だから、労働者全体で見れば、何の恩恵にもなっていないことを理解しないといけないのです。
その辺のことを十分に理解せず、騙されている労働者も多いのです。
以上
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