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大型ライブで実証 新国立競技場「開閉式屋根」は税金のムダ
http://gendai.net/articles/view/news/148711
2014年3月14日 日刊ゲンダイ
ももクロだ!AKBだ!/(C)日刊ゲンダイ
全国のアイドルおたくが国立のスタンドを埋め尽くしそうだ。今週末から東京・国立競技場で巨大ライブイベントが3週連続で開催される。
15日から2日間は「ももいろクローバーZ」、来週21、22日は「ラルク アン シエル」、29、30日は「AKB48」が国立の大舞台に立つ。いずれも1日当たりの観衆は8万人規模。すでにチケットは完売状態で、トータル48万人が国立に押し寄せる。
約60年に及ぶ国立の歴史上、これだけ立て続けに音楽イベントを行うのは初めて。管理・運営する日本スポーツ振興センター(JSC)が天然芝の保護や、近隣住民への騒音の配慮など、音楽イベント開催に厳しい規制を設けてきたためだ。
「7月からの競技場建て替えにあたり、『SAYONARA国立競技場プロジェクト』を企画。趣旨に賛同する音楽関係者からコンサート実施の強い要望を受け、開催を決めました。来月以降もJリーグの試合があり、芝を傷つけないような配慮をお願いしています」(JSC広報室)
JSCは今回、当代きってのアイドルグループらにライブ会場を貸し出すことで、数億円規模の臨時収入を得る。解体に乗じた「最後のひと稼ぎ」にも見えるが、それだけじゃない。
■年間38億円の巨額メンテナンス費
6年後の東京五輪に向け、国立競技場は約1700億円の巨額予算を投じて、常設8万人収容の巨大スタジアムに生まれ変わる。年間メンテナンス費は現行の4倍以上となる約38億円に膨らむ。新国立の屋根は「開閉式」の予定で、それに伴う管理費や空調費、清掃費のコスト増が大きな理由だ。
開閉式屋根の建設予定費は約150億円。自民党の無駄撲滅プロジェクトチームからも「本当に必要か」と見直しの声が上がったが、政府はこう言って突っぱねてきた。
「開閉式屋根は必須条件。(屋根があれば)コンサートが年間10回程度でき、維持管理費が黒字になる」(下村文科相)
実際は、屋根がなくても過密スケジュールでコンサートを開いているし、「5月末にスポーツと音楽を融合したファイナルセレモニーのほか、4、5月も音楽イベントを予定し、国立のフィナーレを盛り上げていきたい」(JSC広報室)と言うから、ますます「開閉式屋根は不要」と実証しているようなもの。
JSCに「従来の開閉式屋根新設の説明と、今回の音楽イベント開催は整合性が取れないのでは?」と聞いても、「コンサート利用を想定した場合、天候に左右されない安定的な開催や増収を図る観点から開閉式屋根の設置は必要」(広報室)の一点張りだった。建設を許したが最後、無用の長物を税金で抱え込むことになる。
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